中世武士団 偽りの血脈
名字と系図に秘められた企て
桃崎有一郎 著
平安の世が長く続くとともに疲弊してゆく地方社会、そこで生き抜くために多様な出自の者たちが結託し、やがて「武士」という集団を形成した。朝廷から然るべき位置づけを与えられないままの彼らは、やがて自らの正統性を巧みに「創出」し、中世という時代の支配者たるための競争に臨んでいった。「佐藤」をはじめ現代まで生き残った名字が、中世武士団のアイデンティティ闘争の産物であったという「隠された真相」を徹底的に暴き出す、驚愕の研究成果。