今日の配本(25/04/22)

民主主義
終わりなき包摂のゆくえ

ナオミ・ザック 著/河野真太郎 訳

人種の哲学、フェミニズム哲学、災害の哲学などの仕事をしてきた哲学者による、民主主義入門。歴史的視座と現代的要請の交錯!

今日の配本(25/04/17)

砕かれた四月

イスマイル・カダレ 著/平岡敦 訳

20世紀初頭のアルバニア。高地を司る掟に従い死を待つ若い男と、土地を訪れた新妻とが、言葉も交わさぬままに運命を交錯させてゆく。

偶像の黄昏/アンチクリスト

ニーチェ 著/西尾幹二 訳

ニーチェ最晩年に書かれ、彼の否定の系譜をたどる二作品を収録。キリスト教世界における神、真理、道徳、救済を否定し、ソクラテス、プラトン、カントを否定し、いま生きる現実と身体の価値を見つめなおす、いわばニーチェによるニーチェ思想の概説書。

今回は薄いですが……

人文会の機関誌『人文会ニュース』の最新号である149号が出来上がりました。ここ数年は年に三回発行するルーティンになっていますが、今号は研修報告や会務報告がないので、最近では最も薄い『人文会ニュース』になりました。

とはいえ、ページ数が薄くとも内容が薄くなっているわけではありません。今年生誕150年のユングをテーマとした「15分で読む」は力の入ったものになりましたし、図書館レポートの上智大学中世思想研究所は専門の方以外にはあまり知られていない研究施設ではないでしょうか。そういうものを紹介できたのは非常によかったと思っています。

ちなみに「編集者が語る」は、あたしの勤務先から出ている「ロシア語文学のミノタウロスたち」シリーズについてです。シリーズの中では『穴持たずども』が異例のヒット作となり、海外文学ファンの間で話題になったのを覚えていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。

そんな風にあたしの勤務先は多くの海外文学作品の邦訳を刊行していますが、その一方で海外文学のベースである外国語の学習書も負けず劣らずたくさんの種類を刊行しています。ですから、街中で外国語の看板や掲示物を見ると気になってしまいがちです。

横浜の伊勢佐木町で見かけたこんな掲示も、ついつい写真に収めてしまいたくなるのは職業病でしょうか。これは横浜吉田中学校の校舎です。そこに「あいさつはとても素敵な共通言語」として日本語のほか、英語、中国語で「おはよう」と書かれています。

右下の「Magandang umaga」がたぶん東南アジアの言葉だろうなあとは思ったものの、具体的にどこの言葉かわかりませんでした。帰宅後に調べてみたところフィリピノ語でした。編集部時代にマレー語とベトナム語の本を担当したことがあり、それとはちょっと違うなあと思っていたのですが、フィリピノ語だったわけです。

これがタイやカンボジア、ミャンマーだと、また面白い文字で表記され、それはそれで楽しい掲示になったことでしょう。それにしても韓国語がないのが不思議ですね。この中学校の児童の構成比から、これらの言葉が選ばれたのでしょうか?

風が吹けば桶屋が儲かると言うのとはちょっと違うのですけど……

先月くらいから広東語の売り上げが急進しています。あたしの勤務先で広東語と言えば『ニューエクスプレスプラス 広東語』くらいしかないのですが、これがよく売れているのです。

少し前に中公新書で『広東語の世界』が刊行され、これがよく売れているとのこと。同書とうちの「広東語」は同じ著者なので、その影響もあるのかなと思ったのですが、実はもっと大きな波が到来していたのです。

それがこちら。紀伊國屋書店新宿本店の芸術書・建築書売り場の一角で展開されていた「九龍城砦」コーナーです。九龍城ってご存じですか? あたしが学生のころはまだ香港にあったと思いますが、その後取り壊された建物です。

写真集や九龍城に関する本はいくつか出版されているので、それを集めてちょっとしたフェアになっています。そして、なぜいま九龍城なのかと言いますと、映画「トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦」が大ヒットしているからなのです。

どうしてこの映画がヒットしているのか、ネットを検索していただければ、熱く語っている人がたくさんいらっしゃいますので、それを読んでみてください。この映画のヒットを受けて広東語の学参が売れているのです。

振り返ってみますと、ビジネス目的がメインとはいえ、三国志やシルクロードの流行があって中国語学習者が増え、冬ソナ以来の韓流ブームに乗って韓国語の学習者が増えました。ここ数年では、BLドラマの影響でタイ語の学習書も売り上げが伸びています。そんな流れがあれば、ヒット映画の影響で広東語が伸びるというのも当然と言えば当然のことでしょう。

話は変わって、本日は各種情報番組でも取り上げられていますが、虎ノ門ヒルズの中の本屋、magma booksの開店日です。午後から訪問してきました。2フロアあって、下のフロアはテーマごとの棚になっていて、上のフロアは比較的オーソドックスな棚構成となっていました。しばらくは物珍しでやってくるお客も多いのでしょうが、一か月後、二か月後にどういう客層になっているのか、そしてどういうジャンルの本が売れているのか、とても興味があります。

そして、そもそも近隣にはジュンク堂書店のプレスセンター店、虎ノ門書房という本屋がありますが、やや距離があります。周辺人口に対する書店の少なさは、地方の「書店のない自治体」の比ではないのが東京の都心部です。このあたりのサラリーマンやOLは昼休みにちょっと立ち寄れる書店に飢えていたのではないでしょうか。

書店と言えば、少し前に立ち寄った町田の久美堂本店で、ちくま文庫のフェアが大きく展開していました。久美堂のフェアも始まって数年、しっかりと地元のお客様だけでなく出版社にも定着してきましたね。やはり、これだけ揃えて並べると壮観です。

2025年3月のご案内

2025年3月に送信した注文書をご案内いたします。

  

今月もまず最初は「今月のおすすめ本」からです。そして春の定番、語学辞典のご案内も送信しました。また今年は創業110周年なので、そのフェアのご案内もお送りしました。

  

ついでドイツ総選挙で右派が躍進したことを受け、ポピュリズム関連の書籍をご案内しました。次に朝日書評以来、売れ行き絶好調の『陽だまりの昭和』のご案内。月の半ばには語学書のおすすめ本をご案内しました。

  

朝日新聞で紹介されたコミック「アンナ・コムネナ」に関連して取り上げられた『歴史学の慰め』をご紹介。4月にはヒトラーの自殺と第三帝国崩壊から80年ということでヒトラー関係の書籍をご案内しました。月末には『陽だまりの昭和』の勢いが衰えず4刷となりましたので、再びのご案内を送信しました。