本って実はとっても安上がりな娯楽なんだと思う

朝日新聞の「声」欄にこんな投書が載っていました。

本が高価だと見出しにあるので読んでみると、新聞で紹介されていたり広告に載っていたりする書籍の価格が軒並み2000円以上であるという訴えです。

うーん、最近では文庫や新書も高くなり、単行本であれば、2000円以下のものを探す方が大変だというのが半ば常識化しているあたしのような業界人には目から鱗であると共に、世間一般の方の感覚を知るよい機会でもありました。

しかし、この数十年、日本は物価が上がらず、そして給与も上がらず、そのために世界の潮流から隔たってしまっているわけです。モノにはそれにふさわしい正当な対価を払うべきだという感覚がもっと広く行き渡ればよいとも思います。

それにしても、この投書にもあるように、本って他の人と楽しめるだけでなく、他の娯楽に比べて楽しめる時間も長いです。2000円以上する小説を読むのに5時間かかったとすれば、一時間400円です。せいぜい二時間程度しか楽しめない映画に比べるとはるかに安上がり、割安なレジャーではないでしょうか?

初の文庫化

台湾の人気作家、呉明益の『自転車泥棒』の文庫版が刊行されました。

あたしは、もちろん単行本が出たらすぐに買って読みましたが、このたび文庫の方も買ってしまいました。

文庫の方は、巻末に鴻巣友季子さんの解説が付いていますが、冒頭、訳者の天野健太郎さん、温又柔さんとの鼎談の思い出話でウルッときてしまいました。それに、コロナなんて予想もしなかったころには呉明益さんも来日されましたよね。

懐かしいです。

ツァーリの時代?

ロマノフ朝史 1613-1918(下)』が刊行になり、先月刊行の『ロマノフ朝史 1613-1918(上)』と、まずは併売をお願いしたいのですが、振り返ってみますと、あたしの勤務先、意外とロシア帝国に関する書籍を刊行しているのですよね。ちょっと並べてみました。

ロシア帝国の人物の中でも最も有名な一人である『エカチェリーナ大帝(上)』『エカチェリーナ大帝(下)』、そしてロシア帝国時代の戦役である『クリミア戦争(上)』『クリミア戦争(下)』を覚えている方も多いのではないでしょうか。

そして、これらロシア帝国の舞台の一つ、『クレムリン 赤い城塞の歴史(上)』『クレムリン 赤い城塞の歴史(下)』も記憶に新しいところではないでしょうか?

しかし、どれも上下本というボリューム、たった4点なのですが、これだけで十二分に壮観です。余力があるのであれば、『ロマノフ朝史』と同時期に刊行した、これまた上下本の『ナターシャの踊り(上)』『ナターシャの踊り(下)』も一緒に如何でしょうか?

劇中劇とはどのような感じなのかしら?

カンヌで賞を取り、満を持して公開された映画「ドライブ・マイ・カー」ですが、盛んに宣伝しているとおり戯作は村上春樹の『女のいない男たち』に収録されている作品です。

原作がどうなっているのか知りませんが、今回の映画では劇中劇として「ワーニャ伯父さん」「ゴドーを待ちながら」があるそうです。

ゴドーと言えば、あたしの勤務先のベスト&ロングセラー『ゴドーを待ちながら』です。新書判で手頃な価格ですので、文春文庫の映画原作と是非ご一緒に!

鈍器です

ロマノフ朝史 1613-1918(下)』の見本が出来てきました。

先月は『ロマノフ朝史 1613-1918(上)』が刊行になり、下巻も今月末には店頭に並ぶ予定です。

ロマノフ朝を俯瞰する、この重厚な上下本。上下で重さは1.8キロ、積むと厚さの合計は10cmを超えます。値段もそこそこ致しますので、大型店でないと店頭に並んでいないかも知れませんが、見かけたら手に取ってご覧いただければ幸いです。

展開が急すぎる?

タリバンがアフガニスタンの首都を制圧したというニュースが飛び込んできました。既に大統領は国外に退避しているとのことです。

世界がコロナと闘っている春先に米軍の撤退というニュースが世界を駆け巡りましたが、それから半年も経たないうちに、オセロで言えば白が黒にすべてひっくり返ってしまったような状況です。

それにしても、アフガニスタン情勢を伝えるニュースではしばしば「混迷」という修飾語が付くことが多いですが、本当に混迷を極めていると思います。アフガン情勢に詳しい人ならともかく、あたし程度の知識しか持たない人間には、何がどうなってからこういう事態になっているのか、そのあたりがまるでわかりません。アフガニスタンの国民は政府を支持しているのか、それともタリバンを支持しているのか、そんなことすらあたしにはわかりません。

そんなアフガン情勢を知るには、こちらが一番だと思います。『シークレット・ウォーズ(上)』『シークレット・ウォーズ(下)』です。

同書は、今回の米軍撤退やタリバンの反攻を解説したものではありませんが、その前史にあたる情勢を描いています。今回のことを理解するには、その前から追っていかないとなりませんから、まずは本書がお薦めです。

更に遡るのであれば、ソ連のアフガン侵攻から追わないとなりませんが、そこまで理解したいのであれば『アフガン侵攻1979-89』『アフガン諜報戦争(上)』『アフガン諜報戦争(下)』がお薦めです。

『アフガン侵攻1978-89』はタイトルどおり、ソ連軍の侵攻と撤退を描いたノンフィクションで、『アフガン諜報戦争』はソ連の進攻から9.11前夜までを描いたピュリツァー賞受賞作品です。

なんとなく見覚えのある建物だ

昨日の朝日新聞夕刊です。

京都経済センター

聞いたことないのですが、写真の建物は見覚えがあります、非常によく知っていると言った方がよいでしょう。

あたしの記憶が間違いなければ、京都の四条烏丸交差点近くにあるビルです。このビルの一階に大垣書店京都本店があります。

京都へ出張で出かけると、ほぼ間違いなく営業に立ち寄る書店なので、建物の外観も目に焼き付いていたのでしょう。しかし、京都経済センターという名称だったとは!

大垣書店のサイトに書いてある住所では「SUINA室町」とあるのですが、京都経済センターとは違うのでしょうか? 記事には地下一階から二階までがSUINA室町と書いてありますね。

生誕510年

いきなりUブックスの『芸術家列伝』です。

なんでこの三巻の写真を取り上げたかと言いますと、本日7月30日がヴァザーリの生誕510年にあたるからです。

生誕の年である1511年は日本では室町時代ですね。と言うよりも、応仁の乱が終わって戦国の世に突入している、そんな下剋上の時代と言った方がよいですか。

ヴァザーリ関連の書籍はいくつかありますが、まずは一番手頃なこの三冊から如何でしょうか?

最近は火曜日が……

このところ毎週火曜日を在宅ワークにしています。

特にこの日に在宅ワークにすると決めているわけではないのですが、勤務先の同僚、だいたい誰が何曜日に在宅ワークなのかは固定化しつつあります。

そんな中、あたしはあまり曜日による制約はなく、社内の人数が一番多くなりそうな曜日に在宅ワークを設定していました。では、火曜日の出社人数が多いのか、というと決してそういうわけではありません。むしろ在宅が多い方かも知れません。

なのに、どうして在宅にしているかと言いますと、社内の会議が火曜日日に行なわれることが多いからです。会議はこのところZOOMを使って行なわれています。出社していると自分の机で参加するのですが、営業部なのでしょっちゅう電話が鳴り、どうしても周囲がガヤガヤと五月蠅くなりがちです。

会議なのでミュートで参加するわけにもいかず、そんなことを何回か繰り返すうちに、会議のある日は在宅、という感じになってしまいました。ちなみに書店回りの都合から考えると、週の真ん中、水曜日を在宅にするのがよいと考えています。なぜかというと、回っている書店の担当の方、水曜公休の方が多いからです。

270年の歳月が流れ

270年前と言いますから1751年のことになりますが、その年の今日、6月28日にフランスで『百科全書』の第一巻が刊行されたそうです。

というわけで文庫クセジュの『『百科全書』』をご紹介します。

本書は、別に『百科全書』の抄訳ではなkれば、もちろん全訳でもなく、『百科全書』とはどういうものかを概説したものです。抄訳なら、岩波文庫の『百科全書 序論および代表項目』が手頃だと思いますが、現在品切れになっているようです。残念です。

この機会に、フランスの知のエスプリに触れてみるのも如何でしょうか?