暑かったですよ!

暑くなってきましたが、本日も昼前から外回りです。

東京の梅雨明けはまだですが、気温と湿度は真夏と言ってもよいくらいです。

ですので、外回りは、こんなことを言ってはいけないのですが、出来るだけ駅の近く、可能であれば駅ビル内の書店を中心に回りたいところです。梅雨の時季ですから、駅から距離のある書店はどうしても行くのが億劫になってしまいがちです。

で、本日なのですが、今回は駅からちょっとある書店へ出向きました。そこまでは駅からバスが出ているのでバスを利用しました。そして、そこまで来たのだからもう一軒、少し歩いたところにある書店にも向かってみました。

「歩いて」と書いたように、その二つの書店を結ぶようなバス便はありません。炎天下の住宅街っぽいところを15分くらい歩きました。そのくらいが限界ですね、この気温と湿度では。目的の書店についても、しばらくは汗が引くまで店内をぶらぶらしておりました。さすがに汗だく、顔から汗が滴り落ちるなんてところまではいきませんが、もう10分も外を歩いていたら熱中症になってもおかしくない天気でした。

とはいえ、昼間は雷雨の恐れなんて、朝の天気予報では言っていましたから、雨に降られなくてよかったと思っています。こんどはもう少し涼しくなったころに再訪したいものです。

少しずつよいところ、よくないところがわかってきました

ビジネスマンにとってカバンは大事なアイテムです。どんなカバンを使うかは、仕事の効率にも影響します。特に、あたしのような営業職では、書類の取り出しやすさ、カバンを持っていくつもの書店を渡り歩くという特性上、たぶん一般的なビジネスマンとはカバンに求めるものが異なると思います。

そんなカバン選び、これまでいくつものカバンを試してきましたが、これというものに出会うことはほとんどありませんでした。そして、この春に購入したのが右の画像のカバンです。「マルチビジネスリュック3.0」です。

リュックタイプです。それ以前は肩掛けやトートタイプを使っていました。ただ、勤務先でリモートワークが進み、ノートPCを持ち歩く可能性が出て来たので、肩掛けでは肩や腰にかかる負担が大きくなりそうなのでリュックタイプを探すようになったのです。

で、辿り着いたのがこのカバンなのですが、数ヶ月使ってみて、いろいろと物足りないところが見えてきました。全体的には満足度は高いのですが、やはり「もっとこうしてほしい」という個人的な不満があるので、それをつらつら書いてみたいと思います。

まず、背負ったときの外側、上の画像で言うと「31cm」と表記されている側ですが、ここに上下二つのポケットがあります。これはこれで便利なのですが、マチがなく、あまりモノが入りません。文庫本や新書を常に持ち歩いているのですが、収納したり取り出したりするのにちょっと不便です。今の時代、カバンに本を持ち歩いている人は少ないからなのかも知れませんが、もう少し本を入れるという使い方にも配慮が欲しいです。

このポケットについてのさらなる不満は、二つのポケットの上部にもう一つ、ポケットが欲しいと思います。リュックタイプですと上部に(メガネやスマホなどを収納するような)ミニポケットが備わっているものがあります。このリュックにはそれがないので、だったら外側のポケットの上部にもう一つポケットを作ってくれてもよいのになあ、と思います。

次にベルトにタイする不満です。リュックタイプのカバンのベルトには、モノを引っかけることができるようなフックみたいなものが付いているものがあります。小さめのポーチをぶる下げたりすることができるので便利なのですが、このリュックにはそれがありません。付いていたら便利なのに、と思います。

そして最後に、朝から雨の場合、折り傘ではなく長傘を持っていくことがあります。電車の中なので、それを引っかける、あるいは留めておけるような工夫がリュックのサイトにあると電車の中でも手が塞がらないので便利だと思うので、そんなひと工夫が欲しいですね。

またしても独裁者の伝記?

先年、あたしの勤務先から『スターリン』という本を刊行しました。税込で5000円を超える分厚い本だったのですが、お陰様で好評をもって迎えられ、何度か版を重ねることができました。

そして、その副題が「独裁者の新たなる伝記」です。これだけの本ではありますが、非常にあっさりとした、わかりやすいといえばわかりやすい副題です。

そんな記憶もまだ鮮明な記憶として残っていますが、最近、書店の店頭でこんな本を見かけました。『アードルフ・ヒトラー』と言います。法政大学出版局の新刊です。

ヒトラーの伝記はたくさん出ています。それこそ数え上げたらきりがないというのはこのことでしょう。そこへまた一冊、追加されるわけですから、何か新味がないと埋もれてしまうでしょう。

そして、この本の副題が「ある独裁者の伝記」なのです。なんとなく見覚えがないでしょうか。上掲『スターリン』と副題が一緒ではないですが、何か通じるものを感じます。スターリンもそうですが、これだけたくさん類書が出ていると、むしろ副題は奇を衒うよりもシンプルな方がよいのかもしれませんね。

短編集か、短篇集か

昨日のダイアリーで、あたしは完全に間違ったことを書いてしまいました。改めて引用します。

Uブックスの『悲しき酒場の唄』がまるまる復活したわけではないのです、表題作『悲しき酒場の唄』は復活なのですが、それ以外の収録作品は、ちくま文庫の短編集には収録されないのです。

この部分が間違っていました。今回のちくま文庫は、かつてのUブックスの内容がまるまる収録され、それにプラスして新に邦訳された短編も収録されているのです。ですから、「騎手」、「家庭の事情」、「木、石、雲」の三篇は、もちろんちくま文庫版にも収録されております。たいへん失礼いたしました。

ところで、あたしも表記がバラバラだったりするのですが、今回のちくま文庫は『マッカラーズ短篇集』なんであって、『マッカラーズ短編集』ではないんですよね。「短編」と「短篇」って何が違うのと問われると、正確には答えられないのですが、あたしは「短篇小説」「長篇小説」という表記の方が好きですし、特に固有名詞でなければ、こちらの表記を使います。

若干の訂正

昨日のダイアリーで、Uブックスの『悲しき酒場の唄』がちくま文庫から復活すると書きましたが、この書き方ですと正確ではないので、改めてここで訂正したいと思います。ここではちくま文庫『マッカラーズ短篇集』の編訳者解説を引用いたします。

本書はカーソン・マッカラーズ『悲しき酒場の唄』(西田実訳、白水Uブックス)を元にした短編集である。西田訳には表題作と「騎手」、「家庭の事情」、「木、石、雲」の三つの短編が収録されていたが、文庫化に際して、底本の作品集に掲載された残り三つの短編「天才少女」、「マダム・ジレンスキーとフィンランド国王」、「渡り者」と、底本には未収録の初期の短編「そういうことなら」を、編訳者であるハーンが訳出した。

とありますように、Uブックスの『悲しき酒場の唄』がまるまる復活したわけではないのです、表題作『悲しき酒場の唄』は復活なのですが、それ以外の収録作品は、ちくま文庫の短編集には収録されないのです。

やはり、期待されていた方をがっかりさせてはいけませんので、あえて補足、訂正、修正いたしました。逆にUブックス版を架蔵されていた方にとっては、底本から未訳出の作品も読めるようになったので、これはこれで嬉しいことではないでしょうか。

 

重版や復刊ではないですが、生き返りました!

かつてUブックスに『悲しき酒場の唄』という一冊がありました。著者はカーソン・マッカラーズです。現在は品切れで、在庫が切れてずいぶん長い時間がたっていますので、店頭でも見かけることはまずない一冊です。

ただ探している方は意外と多いようで、時々「在庫は残っていませんか?」という問い合わせの電話を受けることがありました。さすがに、ここ数年はもう版元在庫も残っていないと理解されたのか、そういう問い合わせもめっきり少なくなり、いや、ほとんどなくなりましたけど。

そんなマッカラーズの『悲しき酒場の唄』を含む短篇集が筑摩書房から刊行されました。『マッカラーズ短篇集』です。ちくま文庫なので、手に取りやすいのではないでしょうか。こういう復活は嬉しいですね。

この『マッカラーズ短篇集』に収録されている『悲しき酒場馬の唄』は、Uブックス版に多少の修正を加えて再録したものです。Uブックスの同書を探していらした方は、このちくま文庫を買い求めていただいければと思います。

重なりがち?

あたしの勤務先の『インド外交の流儀』がお陰様で好調です。ウクライナ侵攻をめぐるロシアと西側の角逐において、インドの立ち位置が注目されていることもその一因だと思います。

そして同書の訳者、笠井亮平さんの著書『第三の大国 インドの思考』が文春新書から発売されました。新書なので、手軽に手に取ってもらえそうですね。副題は「激突する「一帯一路」と「インド太平洋」」なので、昨今の国際情勢におけるインドの立場がメインの書籍のようですね。

そんな思いを抱きながら新書のコーナーを眺めていたら、こんな本が目に留まりました。中公新書ラクレの『インドの正体』です。こちらのサブタイトルは「「未来の大国」の虚と実」です。まだまだインドってどんな国なのかつかみづらい、と思っている方への一冊なのでしょうか。

いずれにせよ、新書の新刊でインドに関する本が二冊も出ているなんて、インドに対する注目度の高まりが感じられます。ただ、新書というのは時勢とは無関係の学術的なものも数多く出ていますが、どちらかと言えば、いま世間で関心を持たれているものがスピーディーに刊行されるイメージです。

ということなのでしょうか、『ポストイクメンの男性育児』と『「イクメン」を疑え!』という二冊が並んでいるのも目に留まりました。キーワードは「イクメン」ですね。

「イクメン」という言葉は、既に定着していると思いますので、単にイクメンの本であるならば「いまさら」感が出てしまったと思います。ただ、この両書はそこから一歩進めて、「疑え」とか「ポストイクメン」といった、次のステップへ進んでいるような著作のようです。あたしのように、結婚すら無理そうな人間には育児など夢のまた夢ではありますが、ちょっと気になります。

鉄のカーテン

営業回りの途次、こんな本を見かけました。

鉄のカーテンをこじあけろ NATO拡大に奔走した米・ポーランドのスパイたち』です。

なんとなく見覚え、聞き覚えのあるタイトルだなあと思ったのですが、それはこちらです。

あたしの勤務先から刊行されている『鉄のカーテン(上) 東欧の壊滅1944-56』『鉄のカーテン(下) 東欧の壊滅1944-56』でした。同じ「鉄のカーテン」でも、内容はかなり異なるようです。

『鉄のカーテンをこじあけろ』は、内容紹介によりますと

1988年、ポーランドのスパイは米国との連携を模索し始め、期せずして同じころCIAもポーランド諜報部のドアをたたいた。機密解除文書、政治家、スパイへのインタビューを元にありえない同盟締結、NATO拡大の過程を詳細に描き出す。

といったもの。東側が総崩れとなり、ベルリンの壁も崩壊するころを扱ったもののようです。それに対して『鉄のカーテン(上・下)』は

第二次世界大戦の終結から、スターリンの死、ハンガリー革命に至るまでの時代に、ソ連がいかに東欧諸国(主に東独、ポーランド、ハンガリー)を勢力下に収め、支配していったのか、そして各国がいかに受容し、忌避し、抵抗していったのか、その実態をテーマ毎に論じた力作だ。

となっていますので、鉄のカーテンが作られたころの話になっています。読み比べるというよりは米独してみるのがよい作品なのではないでしょうか?

似て非なるもの

書店店頭でこんな本を見かけました。

珈琲と煙草』という本です。文芸書売り場で見かけたので、海外小説なんですかね。この本を眺めていたら、「あれっ、前にも似たようなタイトルの本があったよなあ」と思いました。

それがこれ、『幼女と煙草』です。

思い出してみると、「と煙草」が共通するだけなんですね。これだけですと、似てるとも言えますし、似てないとも言えます。あたしが、煙草が大嫌いなので、煙草という文字を目にすると必要以上に心にインプットされてしまうせいかもしれません。

そうそう、似ていると言えば、こんな本も気になりました。

偽情報戦争』という本です。こちらは似たタイトルの本を思い出したわけではありません。思い出したのはこちらです。

あたしの勤務先から刊行された『ウエルベック発言集』です。

どうでしょう、似ていませんか、装丁が。

どちらも、装丁は本を横に向けないと読めないような文字の並びです。また白地に黒の文字一色というシンプル(?)なところもよく似ています。

ただし、この両書はジャンルが異なるので、並んで置かれることはないので迷うこともなければ、間違えることもないと思います。

しかし、改めて並べてみると、そんなに似てなくもないか、という気がしてきました。

新書でフランス語!

《フラ語》シリーズが爆発的な売行きの清岡智比古さんの新刊『フランス語をはじめたい!』が刊行されました。SB新書ですので、語学書売り場に置いていない書店も多いのではないでしょうか。

このように新書の形態を取った語学書というのは、フランス語以外にも数多く出版されていまして、フランス語だけを取り上げてみても講談社現代新書の『フランス語のすすめ』が1964年、同じく現代新書の『はじめてのフランス語』が1992年、そしてちくま新書の『フランス語はじめの一歩』が2002年と、定期的に刊行され続けているようです。

最近ですと、2018年に幻冬舎新書から『世界一簡単なフランス語の本』が出ていますので、今回は5年ぶりでしょうか。こういう新書の語学書は、書店の語学書担当の方に、どれくらい情報が行き渡っているのでしょう。どの著者も語学書で実績のある方々ばかりなので、語学書売り場にも置いてさらなる増売を図ってくれると、語学書にもよい影響が出てくれるのではないかと期待しているのですが……