重版が決まりました!

白水Uブックスの新刊『フラッシュ 或る伝記』の重版が決まりました。

本書は、ヴァージニア・ウルフの作品ですが、犬を主人公としているので、ウルフのファンではなくとも犬好きであればちょっと気になってしまうのではないでしょうか?

重版は来月上旬には出来予定で、初版は現在在庫僅少となっています。書店店頭にはまだまだ並んでいるはずですので、興味を持たれた方は早めに書店でお買い求めいただければ幸いです。

ちなみに、犬が主人公と書きましたが、犬種はコッカー・スパニエルです。明記はされていませんが、19世紀のイギリスが舞台の作品ですので、アメリカンではなく《イングリッシュ・コッカー・スパニエル》の方だと思われます。

シャルロッテとシャルロッテの絵手紙

ここ最近であたしがもっともお勧めするのが『シャルロッテ』です。

フランスの作品ですが、内容はアウシュヴィッツで命を落としたユダヤ人天才画家シャルロッテの生涯を追想するものです。詩を読んでいるような、切れのよい文章スタイルで長篇ではありますが、どんどん読み進められる作品です。そして、あたしは不勉強にもシャルロッテという存在を本書を読むまでまるで知らなかったのです。いや、たぶん多くの日本人がそうだったのではないでしょうか?

しかし、シャルロッテは是非たくさんの日本人に知って欲しい人物の一人です。とはいえ、いきなり海外文学の長篇では、いや長篇と言うほど長くはないのですが、それはそれなりに読み慣れているあたしだからの感想かも知れませんが、分量の割りにどんどん読めることは間違いありませんので、是非とも手に取っていただきたいところなのです。

ただ、それでも海外文学はちょっとなあ、という方にお勧めなのが写真の右側の本です。あたしも読後にシャルロッテについて検索していて知った本、『シャルロッテの絵手紙』です。2015年にこんな本が日本で出版されていたのですね。

同書は、シャルロッテの遺した絵画を元に、あくまで日本人の著者がシャルロッテが日本人に語りかけるという形を取ったもので、本文はシャルロッテが書いたものではありません。シャルロッテの手になるのはほとんどのページに載っているイラストの方です。シャルロッテの手頃な画集などが日本にない以上、彼女の作品を見るには本書くらいしか手段はないのではないでしょうか?

新刊『シャルロッテ』を読んで、彼女の作品を見てみたいと思った方にはうってつけの本かも知れません。

ウェブで紹介されました!

フィギュアスケートの町田樹さんの著作『アーティスティックスポーツ研究序説』が好調です。

現役選手時代からの熱心なファンの方が購入されているのだと思いますが、内容は町田選手の写真集でもなければエッセイや手記といったものではありません。純然たると言っては言いすぎかも知れませんが、本書は研究書です。

しかし、これまでアーティスティックスポーツを学術的に考察したものがなかったからなのでしょうか、そういう方面からも注目を集めているのかも知れません。

いずれにせよ、派手ではないのですが、客注がそれなりに伸びていますし、ここへ来て朝日新聞と毎日新聞のウェブでもインタビュー記事が載りました。町田選手には興味はなかったけどアーティスクティックスポーツには興味があった、という方の需要が高まってくるのではないでしょうか?

移転顛末記

先日来、Wordpressを移転しておりまして、ようやく落ち着いてきたかなという感じです。しかし、個人的にはデザインにまだ気に入らないところがあって、もう少し手を加えたいと思っているのですが……

さて、今回の移転、以前のWordpressでやたらとエラーが出るからというのがその理由でした。で、Wordpressを新しくしてエラーは収まったのかと言いますと、実は収まっていないのです。しかし、その理由がわかりました。全部のエラーの原因が明らかになったというわけではないのですが、個人的に一番何とかしたいと思っていた点はエラーの原因がわかりました。

少し前にも書きましたが、このダイアリーで本を紹介したりするときに、amazonアソシエイトのリンクを貼っているとエラーになるというのが問題でした。この原因がわからず困っていたのですが、この原因が、だいたいはっきりしました。

あたしのこのダイアリー、アメーバブログに連繋していまして、投稿すると自動的にアメーバのあたしのブログにも投稿されるようになっています。しかし、この春先からアメーバはブログでアフィリエイトを貼るのを禁止したのです。アメーバとして自身のプログラムであるAmeba Pickを使うことを推奨しているようで、これ以外のアフィリエイト、つまりアマゾンはおろか他社のアフィリエイトのプログラムはすべて受け付けてくれなくなったのです。

たぶん、これが原因だったのだと思います。というわけで、amazonアソシエイトのリンクを貼ってあるダイアリーの場合はアメーバとの連繋をオフにする、という方法で今回のエラー騒動は終息したのではないかなと、ひとまずあたしは思っているわけです。本当にこれでよいのか、それはわかりませんし、もっと根本的な原因が横たわっているのかも知れませんが、いまはこれでよしとします。

第三回かしら?

昨日の朝日新聞夕刊です。

あたしの勤務先の編集者が登場している「編集者をつくった本」のコーナー、今回が三回目でしょうかね?

今回はますます文章が世界観に入っていってしまっているような……、当人を知っている人には面白く読める記事です。本人が直接語っている口ぶりが目に耳に浮かんできます。

さて、これは全三回なのでしょうか? あるいは今月いっぱい、つまりもう一回くらいあるのでしょうか?

ほんの数年で社会は変わる?

東京も真夏日になり、そのうち猛暑日にもなりそうな今日この頃です。全国的にも猛暑の第一波が訪れている感じがします。

猛暑の訪れと共にニュースで注意喚起されるのが熱中症です。毎年たくさんの方が病院に搬送され、少なからぬ人が亡くなっています。もしかするとコロナウイルスよりも危険なのかも知れません。

水分補給の必要性や無理な運動、昼間の外出を避けるようニュースや情報番組でも伝えられていますが、この数年変わったなとあたしが感じるのはクーラーをもっと使おうというアピールです。昼間など、自宅にクーラーがない、あるいは電気代が気になるという人には、デパートやショッピングモール、図書館などお金がかからず冷房の効いている場所に行くことが推奨されたりするくらいです。

数年前まで、テレビなどに出ているタレントや女子アナなどは、暑い夏でもクーラーを使わないことを、さもカッコよいことのようにテレビで主張していたのを鮮明に覚えています。確かに喉を使う仕事をしている人にとってクーラーで部屋を乾燥させすぎるのはよくないことでしょう。

しかし、現実にクーラーを使わないで家の中で死亡する人が跡を絶たない現実を前にして、その手の主張は完全に鳴りを潜めてしまいましたね。管見の及ぶかぎり、家ではクーラーを使いませんなどと声高に主張している人をテレビで見かけることはこの数年で全くいなくなってしまったように感じます。

さて、クーラーを適切に使うことはこの数年で十分社会に浸透したのではないかと思いますので、ここでさらにもう一歩進めてもらいたいと思うのが、テレビのアナウンサーの服装です。女性アナウンサーやキャスターはよいのですが、問題は男性アナウンサーです。彼らは頑なにスーツを脱ごうとしませんね。

深夜はともかく、昼間や夕方の情報番組などでは各地の猛暑の話題が伝えられ、外から汗ダラダラのレポーターの中継があったり、自身も熱中症のニュースを伝えているにもかかわらず、どうしてあんな暑苦しい格好をしているのでしょう。人によっては上着の下にさらにベスト(ジレ?)まで着ている人がいます。

本人はオシャレのつもりなのかも知れませんが、季節感を省みない、そしてテレビに出ていることの影響力を考慮しない行動ではないかと思うのです。仮にスタイリストのチョイスだとしたら、スタイリストとしてどうなのかと思ってしまいます。個人として夏でも上着を着ていたいというのは自由だと思いますが、テレビでに出ていることの影響力というものをもう少し考えてもよいのではないでしょうか?

お勧めします

収まるどころかヨーロッパにまで波紋を広げているアメリカの人種差別反対デモ。

なんとなく対岸の火事、他人事のように感じている日本人も多いのかな、とも思いますが、その東京でもデモが行なわれました。

となると日本人としても海の向こうの話で済ますわけにはいきません。やはりその歴史、根っこに何があるのか知らないとならないでしょう。そこで『業火の試練 エイブラハム・リンカンとアメリカ奴隷制』は格好の入門書になると思います。来る6月19日はアメリカ全土で奴隷制が禁止になった日です。このタイミングで書籍を揃えてみるのもよいのではないでしょうか?

今日の配本(20/06/15)

目眩まし[新装版]

W・G・ゼーバルト 著/鈴木仁子 訳

カフカと同じ旅をした語り手の〈私〉は、死と暴力の予感におののいて、ヴェローナから逃げ帰る…。謎めいた四つの物語。解説=池内紀。

アーティスティックスポーツ研究序説
フィギュアスケートを基軸とした創造と享受の文化論

町田樹 著

〈アーティスティックスポーツ〉という身体運動文化を、経営・経済学、法学、社会学、芸術学などを横断して探究する。

投票権をわれらに
選挙制度をめぐるアメリカの新たな闘い

アリ・バーマン 著/秋元由紀 訳

油断したら投票権すら奪われる――そんな「民主主義国家・法治国家」アメリカの実相を描いた驚愕のノンフィクション。