なんかワクワクしてきます!

先日刊行された『エバ・ルーナ』は引き込まれるのではなく、引きずられるような力を持った本でした。

話をするのが得意な主人公エバ・ルーナの生き様、確かにこれ以上落ちようがないほどの底辺を見た、という人生ではなかったと思います。むしろよい人と巡り会って、波瀾万丈ではあるものの、実り多い人生を送ってきたのではないかと思います。にもかかわらず、この力強さはどこから来るのでしょう? 不思議な魅力を持った一冊です。

そんな主人公エバが語る物語、実は本書にはほぼ出て来ないのです。物語を語ったというシーンは何度も出て来ますが、肝心な物語は想像するしかないのです。そこで、エバの語った物語だけを集めて一冊の本にまとめたというのが、まもなく配本になる『エバ・ルーナのお話』です。エバ・ルーナがどんな話を周囲の人たちに語って聞かせていたのか、これでようやくわかるというわけです。こちらも読むのが楽しみな一冊です。

さて、次にご紹介するのは新しいシリーズ《サイノフォン》の第一巻、『華語文学の新しい風』です。

華語文学って何よ? 中国文学とは違うの? という声が聞こえてきそうです。ヒントは「華語」という単語です。「中国語」ではなく「華語」、内容紹介によれば

広く諸方言も含めた中国語を指し、世界各地の華人コミュニティや中国国内において、多元的、流動的、混成的に用いられる

ものだそうです。確かに「中国語」と言ってしまうと、この寛さ、深さを表わすことはできませんね。中国文学を専攻している人であれば、「馬華文学」など東南アジアの中国語文学も立派な研究分野として成立していることをご存じでしょうが、一般の日本人にはほとんど知られていない分野ではないでしょうか。

そんな「華語文学」のエッセンスが今回の一冊『華語文学の新しい風』で味わえるようになったのです。中国と聞くと中国共産党、一党独裁で強権的な体制、いわゆる権威主義といったネガティブなイメージが先行しがちですが、華語という視点で眺めるとその射程は一気に広がり、さまざまなものが見えてくるはずです。

あたしが個人的に学生時代に中国学を専攻していたというのもありますが、今回のシリーズは非常に楽しみです。目次を見ただけでワクワクしてきます。どれから読もうか、タイトルを見ているだけでも楽しいです。

さて、この《サイノフォン》ですが、全4巻予定です。カバーに印刷されているラインナップは三枚目の写真のとおりです。各巻のタイトルは刊行時に変更になるかもしれませんが、今後の続刊に乞うご期待ください。

たまにはスイーツ

先週の旅行で美味しいものをいただいたからではありませんが、こんどは美味しいスイーツが食べたくなりました。

そこで仕事帰りに買ってきたのが右の写真です。

国分寺の丸井に入っている「FLO」というお店のスイーツです。「フロプレステージュ」って言うそうですね。チェーン店ですよね、営業回りの途次にも時々見かけることがあります。

朝の占いで、かに座のラッキーカラーが緑でした。和菓子なら抹茶でしょうが、洋菓子だと何かなと考え、シャインマスカットかメロンだろうと思い、丸井の中を巡って、これに決めました。少し前に、同じく丸井の中にある高野のスイーツを買ったので、今回は最初から他のお店にしようと思って、店内を何周かしてしまいました。

広島で牡蠣と言えば……

昨日のダイアリーで、広島で食べた穴子と牡蠣について書きましたが、広島で牡蠣と言えば、あたしには苦い思い出があります。

あたしが小学6年生の時だったと思います。当時、父方の親戚が松山に住んでいたので、両親と妹の四人で、そこへ遊びに行ったことがありました。数日の松山滞在後、広島へ戻ってきて新幹線で帰京する前に、広島で少しの時間を過ごしました。原爆ドームや平和公園へいった記憶はないのですが、広島城へは行きました。

そして、もう一つ覚えているのが家族で牡蠣のお店に食事に入ったことです。

有名店だったのか、ふと目に留まった一般的なお店だったのか、その記憶はありませんが、家族で牡蠣フライ定食を注文したのを覚えています。そこで事件は起きました。

当時のあたしは、まだ高学年とはいえ小学生の子供です。普段から食べているわけでもない牡蠣がどうも好きになれませんでした。食わず嫌いだったのか、食べてみてダメだったのか、その記憶すらありませんが、とにかく、その当時のあたしは牡蠣が食べられませんでした。

食べられないと言うよりは食べたくなかったと言った方が正確だったような気がします。そんなあたしだったので、たぶんその時も「牡蠣は嫌だ、他のものが食べたい」とわがままを言ったのだと思います。牡蠣フライのお店ならロースカツとかもあっただろうと思い、それが食べたいと主張したのだと思います。

ところが、うちの父親は変なところが非常に厳しい人で、広島に来て牡蠣のお店に入ったのだから牡蠣を食べろと怒り、それなら何も食べるなと言って、あたしは何も食べさせてもらえなかったのです。家族四人で卓を囲み、両親と妹が牡蠣フライ定食を食べている横で、あたしだけ何も置かれていないテーブルを眺め座っているだけでした。

いまでは笑い話ですし、牡蠣だってふつうに食べることができますが、当時のあたしはそんなだったという苦い思い出です。広島へ行ったので思い出しました。

刺身とか、白焼きとか、天ぷらとか

前のダイアリーは、帰宅の模様を書きすぎて、タイトルを偽ってしまうことになったので、改めて書きたいと思います。何について書くかといいますと、広島で食べたグルメについてです。

13日は、朝に高知を発ち、岡山でいくつか書店を訪問し、夕方の新幹線で広島に入りました。その晩に食べた料理がとても美味しかったのです。

広島では、駅から少し離れたところに位置する三井ガーデンホテルに泊まりました。特に広島の地理に明るいわけではないので、ホテルの近くで何か美味しい店はないかと同行メンバーで検索したところ、広島は実は穴子が名物だというキーワードで、ホテルに程近い料理屋がヒットしました。

それが《たいし》です。正しくは「和四季酒肴処 たいし」と言うようです。「たいし」とは店主の名前です。細い路地に位置していて、知らなければとても入っていかないような場所にありました。我々三人は予約もなく、運よく入れましたが、その後も常連さんとおぼしきお客が引きも切らず入ってきます。

ここでいただいたものはどれも美味しかったのですが、最初に驚いたのが、そしてこの店に行ってみようという決め手になったのが穴子の刺身です。一枚目の写真がそれです。

一見しただけですと白身魚のようですが、穴子なんです。プリップリで美味しかったです。穴子を刺身で食べられるなんて、驚きでした。これだけではありません。

二枚目の写真は、なんと穴子の白焼きです。刺身も驚きでしたが、白焼きも驚きのメニューでした。ただ、考えてみますと、穴子と鰻ってよく似た感じですから、同じようなメニューがあってもおかしくはありませんね。

そして穴子は、鰻と同じようにフワフワ、ホクホクのものをイメージすると思いますが、刺身の時と同じように白焼きも食感が鰻の白焼きとはまるで異なりました。こちらもプリップリ、非常に歯応えのある白焼きでした。そしてこれはこれで実に美味しかったです。

最後、三枚目の写真ですが、こちらは牡蠣です。ただ、酢牡蠣でもなければ、定食メニューによくある牡蠣フライでもありません。牡蠣の天ぷらです。牡蠣にも天ぷらがあるんだと驚きながら注文したのですが、こちらもフライとはまた異なる美味しさを堪能いたしました。

美味しい安芸見つけた!

昨晩、帰京・帰宅した二泊三日の研修旅行。広島からのJALは午後7時過ぎに羽田に到着しました。手荷物は預けていないのでスムーズに到着ロビーまで出て来て、さてここからの帰路はどうしましょう?

一番早いのはモノレールで浜松町へ出て、JRで東京駅へ、そして中央線というルートでしょう。ただ既に書いたように、広島空港でちょっとお土産を(あたしの基準では)買いすぎてしまいまして、この荷物を持って乗り換えを何度もするのはしんどいなあというのが正直な気持ちでした。そこで武蔵小金井、あるいは国分寺までの空港バスがないか、バス乗り場で確認してみました。15分や20分くらいであれば待っていようという腹づもりです。

ところがなんと、5分後に国分寺行のバスが来るではないですか! 切符もまだ販売中、座席も残っているようです。すぐに購入してバス乗り場へ直行。待つまでもなくバスが到着し乗り込みました。羽田近辺が混雑するかと予想していましたが、意外にスムーズに進みました。地下トンネルで首都高4号線の新宿まで向かうのかと思いきや、都心環状線経由で、三宅坂で4号線に入り、信濃町あたりからちょっと交通量が多くなってノロノロ運転、これが初台、幡ヶ谷あたりまで続きました。

ただ、そこから先はまたしてもスムーズに進み、1時間ほどで最初の停留所である京王線の調布駅に到着しました。ここから府中駅を経由して国分寺駅南口へ。特に混雑に巻き込まれることもなく到着しました。さて、国分寺から自宅までは路線バスですが、手元のスマホで検索すると、次のバスの発車まであと5分しかありません。早歩きで駅構内を抜け、駅北口のバス停を向かうと、バスがちょうど到着したところで停まっていました。小走りで乗り込み席に着きました。

これだけギリギリのタイミングで二回も乗り継ぎができたので、もちろん電車を使った方が早く家には着けたでしょうが、思いのほか早く帰宅できた昨晩でした。まだ夏に片足を残しているような炎天下の広島から、既に冬に入りつつあるような夜の東京はいくぶん寒かったですが、大きな荷物を抱えて早歩きばかりだったので、寒さも感じずに自宅にたどり着けました。

広島土産と言えば……

高知、岡山と回ってきた研修旅行も最終日です。今晩は自宅の蒲団で寝ることになるのか、と考えるとあっという間の二泊三日でした。久しぶりの広島と言うことで、最後の広島空港で少しお土産を買ってみました。

まず最初の写真は、妹家族のところへ送ってやろうと思って購入した「かき飯の素」と「あなご飯の素」です。ご飯に混ぜて食べるようです。やはり広島の名物と言えばいろいろありますが、牡蠣と穴子ではないでしょうか?

もちろん、もみじ饅頭も有名ですが、あれはスイーツのカテゴリーですから、ちゃんとした食事となるとちょっと違います。それならお好み焼きは、とも思いましたが、冷凍などのお好み焼きを買って帰って、お店で食べるあの美味しさがどれだけ再現されるのか、個人的にははなはだ疑問なので、やはり選択肢からは外れてしまいます。

そんな中、お土産屋を眺めていて目に入ったのがこの小品でした。もちろん市内のお店で食べればもっと美味しいのを出してくれるのでしょうが、まあ、手を打つとしたらこのあたりではないかと判断しました。

そして、自宅用には、同じく穴子ですが、二枚目の写真の「あなごちらし」を購入しました。これもご飯に混ぜて食べるものです。「あなご飯の素」とどう違うのか、よくわかりませんが、おいしくいただければよいので、そして自分が食べるわけですから、ダメモトで買ってみました。

いずれにせよ、今回はちょっと帰りの荷物が多くなってしまいました(汗)。

鉄道の旅は楽しい

研修旅行の二日目は、朝に高知を発ち、岡山と倉敷の書店を回って、夜には広島に入るという、移動距離の長い、つまり移動時間が長い一日となりました。

そんな移動の最初、高知から岡山へは特急南風を使いました。今回の研修の行程を考えるために調べるまで、あたしは高知・岡山間に特急が走っているなんて知りませんでした。瀬戸大橋ができたので走り始めた特急なのでしょうね。

車体は、ご覧のように外も中もアンパンマンです。子供が見たら喜びそうなデザインですが、あいにく子供はほとんど見かけません。やはり平日だからでしょう、年配の夫婦やグループの姿が目立ちました。

この特急南風、途中は大歩危、小歩危の峡谷を眺めながら走る区間もあり、もう少し紅葉が進んでいれば非常に快適な列車の旅になったことでしょう。ちなみに大歩危は「おおぼけ」、小歩危は「こぼけ」と読むそうです。知らないととても読めない地名ですね。

この四国山地を抜けると、丸亀城を遠望しつつ、瀬戸大橋を渡ることになります。二時間ちょっとの旅ですが、行楽電車としてはとても素敵な車窓からの風景を堪能できますね。