鉄のカーテン

営業回りの途次、こんな本を見かけました。

鉄のカーテンをこじあけろ NATO拡大に奔走した米・ポーランドのスパイたち』です。

なんとなく見覚え、聞き覚えのあるタイトルだなあと思ったのですが、それはこちらです。

あたしの勤務先から刊行されている『鉄のカーテン(上) 東欧の壊滅1944-56』『鉄のカーテン(下) 東欧の壊滅1944-56』でした。同じ「鉄のカーテン」でも、内容はかなり異なるようです。

『鉄のカーテンをこじあけろ』は、内容紹介によりますと

1988年、ポーランドのスパイは米国との連携を模索し始め、期せずして同じころCIAもポーランド諜報部のドアをたたいた。機密解除文書、政治家、スパイへのインタビューを元にありえない同盟締結、NATO拡大の過程を詳細に描き出す。

といったもの。東側が総崩れとなり、ベルリンの壁も崩壊するころを扱ったもののようです。それに対して『鉄のカーテン(上・下)』は

第二次世界大戦の終結から、スターリンの死、ハンガリー革命に至るまでの時代に、ソ連がいかに東欧諸国(主に東独、ポーランド、ハンガリー)を勢力下に収め、支配していったのか、そして各国がいかに受容し、忌避し、抵抗していったのか、その実態をテーマ毎に論じた力作だ。

となっていますので、鉄のカーテンが作られたころの話になっています。読み比べるというよりは米独してみるのがよい作品なのではないでしょうか?

今日の配本(23/04/12)

中級を目指す
60トピックで鍛えるフランス語リスニング

フローラン・ジレル・ボニニ 著

短文やゆっくりの音声なら聞き取れても、少し長い文章だったり少し速く読まれた音声だと、耳がついていけないということはありませんか。多聴にも最適な、フランスの文化や社会を知るエッセイ60編を素材に、自然な速さでの音声を聞き取る力を身につけます。最初にエッセイに登場する語彙をチェック、正誤問題で内容を確認します。最後にやっかいなリエゾン、アンシェヌマンが起きる箇所を記した音声のスクリプトを見ながら、理解を深めます。

似て非なるもの

書店店頭でこんな本を見かけました。

珈琲と煙草』という本です。文芸書売り場で見かけたので、海外小説なんですかね。この本を眺めていたら、「あれっ、前にも似たようなタイトルの本があったよなあ」と思いました。

それがこれ、『幼女と煙草』です。

思い出してみると、「と煙草」が共通するだけなんですね。これだけですと、似てるとも言えますし、似てないとも言えます。あたしが、煙草が大嫌いなので、煙草という文字を目にすると必要以上に心にインプットされてしまうせいかもしれません。

そうそう、似ていると言えば、こんな本も気になりました。

偽情報戦争』という本です。こちらは似たタイトルの本を思い出したわけではありません。思い出したのはこちらです。

あたしの勤務先から刊行された『ウエルベック発言集』です。

どうでしょう、似ていませんか、装丁が。

どちらも、装丁は本を横に向けないと読めないような文字の並びです。また白地に黒の文字一色というシンプル(?)なところもよく似ています。

ただし、この両書はジャンルが異なるので、並んで置かれることはないので迷うこともなければ、間違えることもないと思います。

しかし、改めて並べてみると、そんなに似てなくもないか、という気がしてきました。

多言語対応が進んできましたね

この数ヶ月、わが家の近所の交差点で電柱の工事が行なわれていました。今まで立っていた電柱の脇に新しい電柱を立てていたので、たぶん古くなった電柱を新しいものに置き換える工事なのでしょう。

それもようやく一段落したようで、電線や信号機、各種交通標識なども、新しく立てられた電柱に設置されまして、古い方の電柱は、あとは撤去されるのを待つのみのような状態です。

そんな新しい電柱に、右の写真のようなものが取り付けられていました。目の不自由な方用のスイッチなのですが、英語と中国と韓国語という三言語対応になっています。この手の施設も少しずつアップデートされているのですね。

そこまでは、街の至るところにある看板や標識と同じなので珍しくもありませんが、ちょっと気になったのがその下のQRコードです。その隣にはアルファベット三文字の暗号のような文字列が並んでいます。これはたぶんさらに他の言語でも情報を提供していますよ、ということなのでしょう。

だいたいは理解できるのですが、「ZHO」は中国語でよいのでしょうか? 「ARA」はアラビア語だと思うのですが、「IND」は何でしょう? インドであればヒンディー語のことでしょうか?

SPECIALなのか、LIMITEDなのか

この春から、数年ぶりに京王線沿線の書店も営業担当地域になったと少し前に書きました。

ということは、京王線に乗る機会が増えたということなのですが、その時にふと気づいたことがありました。

京王線は各駅停車の他に快速、急行、特急という種類があります。いろいろな掲示に、日本語表記の他に英語も書かれているのですが、それはlocal、rapid、express、special expressと表示されます。営業回りの京王線でこれを見たときにちょっと違和感を感じました。

それは「特急はspecial expressなんだ…」という違和感です。言葉を足せば「limited expressじゃないんだ」というものです。ふだん一番目にするJRでは特急は「limited express」という英語表記です。特急とは特別急行のことですから、limitedよりもspecialの方がすんなりと頭に入ってきますけど、JRがlimitedを使っているので、「それが英語らしい表記なんだ」と信じ込んでいました。

そこでちょっと気になったので、やはり営業担当地域である東横線を調べてみました。東横線も特急が走っている路線です。英語版のウェブサイトを見ますと、「limited express」とあります。やはりlimitedがスタンダードなのでしょうか。

もう一つ、やはり営業担当路線ですが、京急には他の私鉄にはない快特という種別があります。特急よりもさらに停車駅が少ない、そういう意味ではlimitedという英語が相応しいわけですが、そんな快特が走る京急の英語版路線図では「limited express」と書いてあります。

ただし、京急の場合、特急も走っていまして、それも「limited express」と表記されているのです。そして路線図をしっかり見ますと、「Limited Express(TOKKYU)」「Limited Express(KAITOKU)」と書いてあるのです。英語圏の人、これで理解してくれるのでしょうかね。ただ駅のアナウンスでは「特急」「快特」と発音されているので「TOKKYU」「KAITOKU」と添えてある方が理解の助けになるのかも知れません。

しかし、だったら快特、特急ではなく、特急、急行にしておけばよかったのではないでしょうか。なんでわざわざ快特と名付けたのでしょうか。あえて英語にするなら、快速特急のことでしょうから、「rapid limited express」ですよね。これでは長すぎますか(関西の京阪電車に「Rapid Limited Exp. RAKU RAKU」というのがあります)。

あと小田急は、急行と快速急行があり、expressとrapid expressという英語表記です。小田急の場合ロマンスカーという有料特急が別にあるので、急行・特急という種別にできず、快速急行にしたのでしょうか。

定期券売り場

昨日の書店営業。

それ自体は特に取り上げることはないのですが、どの駅でも定期券売り場に長蛇の列が出来ていたのが、この時季らしいなあと感じました。何分くらい並べば買えるのでしょう。

学生さんの場合、学校から通学証明をもらわないといけないのでしょうか、あるいは学生証を持って行けばよいのでしょうか。学生さんは自腹ですから、できるだけギリギリの日付で買うのでしょうね。だから昨日あたりの窓口は大混雑になるのでしょう。

ちなみに、あたしはと言いますと、バスの定期とJRの定期を半年ごとに買っています。JRは6月と12月が購入月なので、4月の混雑に巻き込まれることはありません。バスの方は4月と10月なので、混雑する時期に重なります。でも、継続だと二週間前に買えますので、3月のうちに買ってしまうので、やはり4月初旬の混雑とは無縁です。

この数年、社会人の場合、リモートワークが進んで、定期を廃止した企業もあると聞きます。あたしの勤務先の場合はリモートワークは取り入れていますが、せいぜい週に一日程度で、人によってはリモートワークをほとんどしないで毎日出勤している人もいます。そうなると定期を廃止してしまうとかえって高くついてしまいますね。

ところで、あたしが気になっているのはJRが導入するというオフピーク定期券です。あたしは7時に勤務先に着くような時間に出勤していますから、そこだけを見ればオフピーク定期券が有効なようです。でも午後から(時には午前から)の書店営業時はオフピークではありませんから、この定期券は使えなくなってしまうのでしょうか? このオフピーク定期券って、決まった時間に決まった区間だけを利用する人を念頭に置いた制度みたいですよね。そうなると定期も併用しつつ、あっちこっちへ動き回る営業マンには使えない代物ではないでしょうか。

記憶に残る愛の本

東京の西側、京王線沿線に展開する書店チェーン、啓文堂書店の店頭でこんな小冊子を配布していました。「記憶に残る愛の本」というタイトルで、各店でフェアを展開中のようです。

もともとは「記憶に残る本」というテーマで、昨年フェアを開催したところ好評だったので、こんどは「愛の本」に絞って「記憶に残る本」フェアPart2として開催していることらしいです。

愛なんて言葉、久しくどころか生まれてこの方使ったことがあるのでしょうか、というくらい愛に飢えているあたしには、なかなか魅惑的でもあり、切なく感じるフェアでもあります。

冊子を開くと各店が選んだ書籍が紹介されていて、コメントも載っています。どんなのが選ばれているのかは、店頭で展開しているフェアを見ればわかりますが、この冊子を見ればお店を離れても反芻することができます。

そんな店頭のフェアを眺めていて飛び込んできたのが、あたしの勤務先の刊行物、リディア・デイヴィスの『話の終わり』です。選んでくださった書店員さんの名前が明記されていないのが残念ですが、下高井戸店の選書です。ありがたいことです。

『話の終わり』は確かに愛をテーマにしていますが、果たして「愛の本」というタイトルでイメージするような「愛の本」なのでしょうか。いや、愛にはいろいろな形があるものです。「話の終わり」が描く世界も、一つの愛の形なのでしょう。と、愛とは無縁に半世紀以上を生きてきたあたしが語っても何の説得力もありませんが……

ちなみに、Twitterにもフェアの様子がいろいろアップされていますので、そのうちの一つ、吉祥寺店のつぶやきを引用しておきます。『話の終わり』は左下の方に並んでおります。

戸川純を思い出す人は年がバレますね?

トイレの画像なんか掲載してなんだ、と叱られそうですがご寛恕ください。あたしの勤務先のトイレです。

編集部や総務部など、他の部署のトイレは以前からウォシュレットだったのですが、営業部だけはずーっとただの便座のままでした。それが、この春、遂にウォシュレットになったのです。

こんな嬉しいことはありません。トイレタイムが心地よくなりそうです。

そういえば、幼少のころ、日本にはじめて洗浄便座が登場したころ、テレビのCMでは戸川純が「お尻だって洗ってほしい」とアンニュイな感じで訴えていたのを覚えています。いまの若い人は和式のトイレに驚くのでしょうけど、あたしが子供のころは和式しかなかった時代ですので、洋式便座自体が一種のカルチャーショックでした。