今日の配本(23/05/31)

終わりのない日々

セバスチャン・バリー 著/木原善彦 訳

語り手は、十九世紀半ばの大飢饉に陥ったアイルランドで家族を失い、命からがらアメリカ大陸に渡ってきたトマス・マクナルティ。頼るもののない広大な国でトマスを孤独から救ったのは、同じ年頃の宿無しの少年ジョン・コールだった。美しい顔立ちに幼さの残る二人は、ミズーリ州の鉱山町にある酒場で、女装をして鉱夫たちのダンスの相手をする仕事を見つける。初めてドレスに身を包んだとき、トマスは生まれ変わったような不思議な解放感を覚える。やがて体つきが男っぽくなると、二人は食いっぱぐれのない軍隊に入り、先住民との戦いや南北戦争をともに戦っていく――。

プーチン(下)
テロから戦争の混迷まで

フィリップ・ショート 著/山形浩生、守岡桜 訳

本書は、「世界が対峙している男」、ロシア大統領ウラジーミル・プーチンの生誕から、ウクライナ戦争に至る現在までの70年を網羅した、圧巻の伝記だ。8年がかりの調査取材によって執筆された本書は、読みやすさと充実のボリューム、高い精度の分析を兼ね備え、類書の追随を許さない。まさに「プーチンの真実」に迫る必読の書。

この二点はペアで売りたいですね!

少し前に中公新書の『物語チベットの歴史 天空の仏教国の1400年』を読み終えました。中国共産党の弾圧などチベットの状況は、お隣のウイグルと共に悲惨な状況になっているようですが、そんなチベットだからこそ、まずはその歴史を簡便に知りたいと思って手に取りました。

チベット人の名前に少々苦戦しましたが、非常にわかりやすい記述で、チベットのこれまでが少しは理解できたと思います。それにしても、その過半は大国に翻弄された歴史なんですね。それでも民族の誇りと伝統、そして文化を失わずに歩んできた道のりに畏敬の念を覚えます。

とはいえ、中国共産党による、真綿で首を絞めるような弾圧は徐々にチベット固有の文化を奪っていっていると感じます。多少の武力(暴力)を伴いつつも、これぞ共産党が西側に対して使う「和平演変」ではないかと思われます。

そんなチベットの歴史、同書を読んでいて実は一番興味を惹かれたのはダライ・ラマ六世です。一見すると破戒僧のような人のようですが、それでもチベットの人々からは絶大な支持を得ていたようで、チベット文化の不思議さを感じます。と、そんな風に思っていたら岩波文庫から『ダライ・ラマ六世恋愛詩集』なんて本が刊行されているではないですか。

中公新書を読んだ人の多くがこの岩波文庫も買ってしまうのではないでしょうか。逆に岩波文庫を読んだ人なら、改めてチベットの歴史をやダライ・ラマ六世とその周辺のことが知りたくなって、中公新書に手を伸ばすのではないかと思います。

今日の配本(23/05/30)

ポスト新自由主義と「国家」の再生
左派が主権を取り戻すとき

ウィリアム・ミッチェル、トマス・ファシ 著/中山智香子、鈴木正徳 訳

左派の退潮が言われて久しい。世界中が新自由主義に覆われ、格差や貧困がクローズアップされたにもかかわらず、左派への支持は広がらなかった。いや、むしろ左派への風当たりはより強くなったと言えるかもしれない。一方、右派や極右はますます支持基盤を拡大しているように見える。左派退潮の分岐点はどこにあったのか? 左派を再興することは果たして可能なのか? 「左派を再び偉大に」することを狙う本書は、この問いに正面から答える。

幸福なモスクワ

アンドレイ・プラトーノフ 著/池田嘉郎 訳

プラトーノフが一九三三年から三六年にかけて執筆した長篇『幸福なモスクワ』。この「モスクワ」とは、当時、スターリン体制下で社会主義国家の首都として変貌を遂げつつあった都市モスクワと、そこから名前をとった主人公モスクワ・チェスノワをあらわす。彼女は、革命とともに育った孤児であり、美しいパラシュート士へと成長していく。来たるべき共産主義=都市モスクワを具現化するような、大胆で華やかな女性として活躍するモスクワ・チェスノワだが、思わぬアクシデントによってその嘱望された前途は絶たれる。だが、彼女の新たな人生と物語とが始まるのはむしろそこからだ。

ポーランドの人

J.M.クッツェー 著/くぼたのぞみ 訳

ショパン弾きの老ピアニストが旅先で出会ったベアトリスに一目惚れ、駆け落ちしようと迫るが…。究極の「男と女」を描くクッツェー最新作!

紀伊國屋書店のカバーが一番イイ?

乃木坂46の三期生、久保史緒里の写真集が7月に発売になりますが、そのカバーが公開されました。

タイトルは『交差点』で、その公開されたカバーというのは上に引用したように、公式Twitterで発表されました。

実は、あたしは既に予約を済ませておりまして、通常版の他に、セブンネットと楽天ブックスで予約しているのです。どれもよいカバーだと思いますが、公開されたのを見てみますと、あたしの好みは紀伊國屋書店のカバーですね。なんか、一番久保ちゃんらしさにあふれている気がします。

こりゃ、紀伊國屋書店へ行って、こちらも購入しないとなりませんかね!

メロンのケーキが食べたい!

今日は、おやつをちょっと奮発しました。洋菓子タカノのケーキです。この季節限定らしい、メロンのケーキを二種類買ってきました。

写真の左が「夏メロンの幸パフェ」、右が「美果樹~2色メロン~」です。

リンクを貼ったタカノサイトの写真と見比べてみてください。ちょっと形が違いませんか?

実は、食べる前、冷蔵庫から取り出したときに函をひっくり返してしまったのです。慌てて拾いあげましたが、向きを間違えて横向きで持ってしまったのです。案の定、函の中でフルーツが乱れ飛んでいました。残念です。

ちなみに、ケーキは美味しかったのですが、もう少しメロンが甘かったらよかったのになあ、というのが偽らざる感想です。

ミュージアム

ミュージアムといっても映画の「ミュージアム」ではありません。乃木坂46を卒業した齊藤飛鳥の写真集です。卒業記念の写真集ですね。

ちなみに、映画「ミュージアム」は未見です。見たいなあと思いつつ、なぜか見ていないのです。機会があれば是非見て見たいと思っています。

さて、齊藤飛鳥の写真集です。今回は三種類をゲットしました。

もちろん違いはカバーだけです。中身は同じものです。今回は楽天ブックス版、セブンネットショッピング版、通常版の三種類です。あとTSUTAYA版のカバーもありますが、それは割愛です。

写真集のカバーですから、齊藤飛鳥本人も積極的に意見を出したのでしょうから、納得の写真が選ばれているのだと思います。ファンの意見がどうなのかは知りませんが、あたしがイメージする齊藤飛鳥とはちょっと違うなあ,と感じました。もちろん写真集ですから、意外性、予想を裏切る、といった点は重要なのでしょうけど、如何ですかね?

夏用(?)の日本酒

少し前に岡山の日本酒「竹林」を買って飲んでみましたが、思いのほか美味しかったので、また買ってみました。

前回の「竹林」は「星朧」という銘柄でしたが、今回は「かろやか」という銘柄にしてみました。どういう特徴がある日本酒なのかと言いますと、サイトには

香りは華やか。軽い味わいにして、ほのかな甘み。舌の上をホロホロと流れてゆく清冽な雫は、あたかも深山に湧く甘露な岩清水を思わせます。

とあります。これから味わってみるつもりですが、果たしてどんな味わいなのでしょう? そして、今回ももう一本。今回は静岡の日本酒です。「臥龍梅」という日本酒です。

妹家族が静岡に住んでいるので、静岡の日本酒はこれまでにも飲んだことがありますが、この「臥龍梅」は初めてのはずです。先に「竹林」の「七賢」で味わったので、同じ中国つながりで、「臥龍」にしてみました。

臥龍と聞けば、『三国志』ファンなら諸葛亮のことだとすぐにわかっていただけるでしょう。なかなか粋なネーミングです。この臥龍は大河ドラマの主役、徳川家康がその名の由来になっているようですが、もちろん三国志も踏まえているようです。

ところで、『三国志』ファンであるなら、臥龍と聞けば鳳雛という名もすぐに出てくるでしょう。諸葛亮と並び称される龐統のことです。そして、この「臥龍梅」には「鳳雛」という銘柄もあるようです。こちらはまだ未見、なおかつ未賞味なので、近いうちに飲んでみたいと思っています。

重なりますよね?

このところ、ちくま新書やちくま文庫ばかり買っているような気がしていましたが、今月は中公新書も面白いです。ご覧のように、三冊も買ってしまいました。

こういう新書って、読みたくなる、興味があるタイトルがまとまって出るように感じます。昨日今日そう思ったのではなく、以前からの気持ちです。学生時代にも、こっちの新書からも、あっちの新書からも中国に関するものが刊行され、「どうして今月はこんなに中国ものが多いのか!」と思ったことが何度もあります。

もちろん、時事的なネタですと、どの新書も出そうと考えるからでしょう、各社の新書で似たようなタイトルのものが重なることはよくあります。最近ですとウクライナやロシア、プーチンに関するものとか、習近平や中国に関するものでしょうか。

とはいえ、今回の中公新書の場合は、似たようなタイトルというのではなく、あくまであたしの興味のあるタイトルが重なったというだけのことですが、こういうこともよくありますね。