やはり事実、史実だったのですね

少し前に新潮クレスト・ブックスの『名前のないカフェ』を読み終わりました。特に大きな事件が起きるわけでもなく、淡々と主人公の晩年の一時期の様子が描かれている小説です。

主人公が事故で指を失うことすら、日常の些細な出来事のように描かれているのには驚きました。登場人物の何人かには私生活の上でちょっとした問題、ゴタゴタが起きたりするのですが、それらもサラッと描かれて終わりです。なんとも言えぬ味わいです。

さて、そんな本書の最後の方に舞台となっているウイーンのライヒス橋が崩落するという事故が描かれます。あたしはもちろんウイーンに行ったこともないですし、ライヒス橋という橋を見たこともありません。これは小説家の創造なのかと思ってネットを検索してみました。

するとどうでしょう、1976年8月1日に確かに事故で崩落しているではありませんか。さすがにこれだけの事故を、小説の中だけとはいえでっち上げるなんてできませんよね。小説の時代設定ともピッタリ符合します。

ネットを検索すると橋の画像だけでなく、事故のことについても詳しく書いてあるページもありました。あたしがドイツ語に堪能であれば、もっといろいろな情報を集められるのでしょうが残念です。