
ひこうき雲
キム・エラン 著/古川綾子 訳
タクシー運転手のヨンデは、車内で、中国語のテープを聴いている。数ヶ国語を話せた、死んだ妻が吹き込んでくれたものだ。何をしても長続きせず、「家族の恥」と周囲に疎まれ、三十六歳で逃げるように上京した彼は、中国の地方から出稼ぎに来ていた親切な女ミンファと出会い、結婚し、貧しいながらも肩を寄せ合うように暮らしていた。だが、やがて彼女はがんを患って……
キム・エラン 著/古川綾子 訳
タクシー運転手のヨンデは、車内で、中国語のテープを聴いている。数ヶ国語を話せた、死んだ妻が吹き込んでくれたものだ。何をしても長続きせず、「家族の恥」と周囲に疎まれ、三十六歳で逃げるように上京した彼は、中国の地方から出稼ぎに来ていた親切な女ミンファと出会い、結婚し、貧しいながらも肩を寄せ合うように暮らしていた。だが、やがて彼女はがんを患って……