幸福なモスクワ

幸福なモスクワ

アンドレイ・プラトーノフ 著/池田嘉郎 訳

プラトーノフが一九三三年から三六年にかけて執筆した長篇『幸福なモスクワ』。この「モスクワ」とは、当時、スターリン体制下で社会主義国家の首都として変貌を遂げつつあった都市モスクワと、そこから名前をとった主人公モスクワ・チェスノワをあらわす。彼女は、革命とともに育った孤児であり、美しいパラシュート士へと成長していく。来たるべき共産主義=都市モスクワを具現化するような、大胆で華やかな女性として活躍するモスクワ・チェスノワだが、思わぬアクシデントによってその嘱望された前途は絶たれる。だが、彼女の新たな人生と物語とが始まるのはむしろそこからだ。

2023年6月1日