いま第二次大戦が注目?

今年の夏にチャーチルの『第二次世界大戦』がみすず書房から刊行されました。邦訳は他社から出ていましたが、それは抄訳なので、今回は完訳ということが最大の特長です。毎年夏に一冊ずつ、2028年の夏に完結予定の壮大な企画です。

チャーチルの本書が完訳されるのは素晴らしいことだと思いますが、それを知ってか知らずか、中央公論新社からまもなく『第二次世界大戦』の上下巻が出版されます。こちらの著者はリデルハート、イギリスの戦略家・軍事史家だそうです。陸軍出身の人なのですね。たたき上げの軍人が第二次大戦をどう描くのか、気になるところではあります。

ちなみに、上巻は1939年から1943年、下巻が1943年から1945年を扱っているようです。どちらも500頁超えの大著です。

そして第二次大戦の本で忘れてはならないのが、あたしの勤務先から出ている『第二次世界大戦』です。こちらはアントニー・ビーヴァーで、同書は上中下の三巻本です。こちらも1939年から1945年を扱っていますから、これが第二次大戦の期間なのでしょう。日本人は泥沼の日中戦争があるので、なんとなく1939年からと言われてもピンと来ない気もします。

それにしても、このタイミングで第二次大戦に関する大著の出版が重なるのは、何かあるのでしょうか? いずれにせよ書店では一緒に並べてもらえるとうれしいです。

今日の配本(23/11/14)

地図で読む戦争の時代[増補新版]
描かれた日本、描かれなかった日本

今尾恵介 著

軍用地や軍用鉄道は戦後どのような変遷を遂げたのか。また、日本の支配下にあった朝鮮や台湾、満洲国の地図はいかに描かれていたのか。地図から日本の歩みが立体的に浮かび上がる。掲載地図130点以上。領有をめぐって揺れる尖閣諸島や北方領土の地図も掲載。

湘南にて

本日は、ジュンク堂書店藤沢店の棚で開催中のみにフェアをご紹介します。

まずは文芸書コーナー。

「ガイブン入門」というフェアです。海外文学を苦手という方に、まずは海外文学ってこういうものですよ、という入門書的な書籍を集めてみました。もちろん最初から海外文学に挑んでみるのもよいかと思います。でも過去にそうやって挫折してしまった方には、これらの本をまずは手に取っていただくのも方法かと思います。

続いてご紹介するのは語学書コーナー。

フランス語、ドイツ語の「対訳シリーズ」を集めたフェアです。このフェアの謳い文句は写真の看板にも書いてありますが、「原文に接して初めて発見できることがある!!」です。

語学に堪能な方であれば、いきなり原書に向かうでしょうが、そこまでの語学力が身についてない方、原書なんてとても無理だけど少しは味わってみたいという方、対訳ですからこれならすんなり入っていけるのではないでしょうか。

もちろんこれらの対訳シリーズは作品のすべてを収録しているわけではありません。とはいえ、その作品のキモとなる部分は抑えていますので、これを通読すれば作品の大まかなところはつかめることでしょう。

併売候補がたくさん?

このところ書店を回っていますと、勤務先の刊行物と関連がありそうな新刊が並んでいるのが目に付きます。それも一点ではなく、何点かあるのです。そんな併売候補を、ご紹介したいと思います。

まずはジョージ・グッドウィン著『もっと知りたいクリスマス サンタ、ツリー、キャロル、世界の祝い方まで』(原書房)です。この隣には、若林ひとみ著『クリスマスの文化史』と並べて欲しいものです。

次は、スコット・レイノルズ・ネルソン著『穀物の世界史 小麦をめぐる大国の興亡』(日経BP)で、この隣に並べてほしいのはマージョリー シェファー著『胡椒 暴虐の世界史』です。

三つめは、ダリア・ガラテリア著『ヴェルサイユの宮廷生活 マリー・アントワネットも困惑した159の儀礼と作法』(原書房)で、こちらの併売候補はウィリアム・リッチー・ニュートン著『ヴェルサイユ宮殿に暮らす 優雅で悲惨な宮廷生活』です。

そして最後は、貝塚茂樹著『𠮷田満 身捨つる程の祖国はありや』(ミネルヴァ書房)で、こちらと並べるのは渡辺浩平著『吉田満 戦艦大和学徒兵の五十六年』になります。

図らずも、すべて人文書の歴史のコーナーに置かれる書籍ばかりですね。

2023年10月のご案内

2023年10月に送信した注文書をご案内いたします。

  

まずは毎月恒例「今月のおすすめ本」です。続いては、ドラマ「VIVANT」で勢いづいたモンゴル語の案内、そして三刷りが決まった『ハルムスの世界』を送信しました。

  

続きまして、年明けに実写版の映画「ゴールデンカムイ」が公開になるので重版が決まった『第七師団と戦争の時代』、こちらも書評が続いて重版が決まった『リスボン大地震』、さらに中東情勢の緊迫化から注文が届くようになった『近東の地政学』のご案内です。

  

下旬には、こちらも恒例の「今月のおすすめ本[語学書]」、また中東情勢が影響しているのかわかりませんが売行き好調のアラビア語学参三点、最後はしばらく品切れでしたが、注文が途切れない『インド外交の流儀』の重版が決まったので、ご案内を送信しました。

おじいちゃんおばあちゃんが気軽に入れる町の本屋さん

光村図書から年に四回発行されている『飛ぶ教室』という雑誌があります。光村図書といえば、あたしも学生時代に国語の教科書でお世話になった思い出がありますが、この雑誌も児童文学を中心とした雑誌のようです。

その『飛ぶ教室』の最新号、第75号(2023年秋号)を買ってみました。雑誌の存在は知っていましたし、手に取ったこともありましたが、そもそも『飛ぶ教室』を買うのが初めてのことでした。

どうして購入したかと言いますと、今号の巻頭、「本屋さん探訪」にあたしが時々営業回りで訪問している、世田谷の千歳書店さんが登場しているからです。実は同店を夏に訪問した折に、「三浦しをんさんが来店され、こんど『飛ぶ教室』に載るから」と聞いていたので、発売をちょっと楽しみにしていたのです。

そして昨日、同店を訪問したところ店頭に同誌が並んでいたので、上記の話を思い出して買ってみたというわけです。三浦しをんさんが訪問した様子は二枚目の写真のように載っていました。

対談の中でしをんさんが「千歳書店さんの棚を見ていると、ノンフィクションが充実しているな~っていつも思います。みすず書房さんや、白水社さん岩波さんの本もあるし」と、あたしの勤務先の名前を挙げてくれています。確かに、この手の版元の本も並んでいます。お店の大きさからすると違和感を感じる人もいるかと思いますが、かつてはこのくらいの規模の町の書店でも、岩波やみすずなどの本がしっかり並んでいたと思いますし、そういう書店も少なくなかったと思います。

それぞれのおすすめの本を挙げる中、しをんさんがあたしの勤務先の『ヒトラーとドラッグ』を挙げてくれました。ありがたいことです。しをんさんはかつて朝日新聞の読書欄で『バンヴァードの阿房宮』を絶賛してくれたことがありましたが、そんなことを思い出しました。

私は昔、本屋さんでアルバイトをしていたことがあったので、今の本屋さんをめぐる状況、本当に危機感を覚えています。セレクトショップ系の本屋さんは徐々に増えてきたと思いますが、おじいちゃんおばあちゃんが気軽に入れる町の本屋さんがないですよね。週刊誌などが確実に揃っていて、ふらっと来店して買っていける、そういう本屋さんが私は好きなんです。

しをんさんが最後の方で語っていたのが上のセリフです。あたしも同感です。

ちなみに、対談の中で取り上げられていた本、『ヒトラーとドラッグ』以外は『純粋理性批判』(カント、古典新訳文庫)、『カンディード』(ヴォルテール、古典新訳文庫)、『ケチャップマン』(鈴木のりたけ、ブロンズ新社)、『飛ぶ教室』(ケストナー、岩波書店)、『捜査線上の夕映え』(有栖川有栖、文藝春秋)の五点でした。

犬の日です!

去年も書いたような気がしますが、今日、11月1日は、ワンワンワンで犬の日なのだそうです。2月22日の猫の日に比べて、あまりにも影が薄いということも、やはり去年のこのダイアリーで書いたように思います。その気持ちは今年も変わっていませんので、今年も書いてみました。

あたしの勤務先で犬の本と言ったらこの二冊、ヴァージニア・ウルフの『フラッシュ』と閻連科の『年月日』です。話の内容は対照的な2作品です。いずれも比較的短い作品なので、気になった方から手に取っていただけるとうれしいです。

そして、今日は灯台の日でもあるそうです。猫に比べて影が薄いと上で書きましたが、それでも犬に関する作品はコミックや小説、エッセイなど、それなりの数が出版されています。動物ものとしてはやはり犬と猫は断トツに多いのではないかと思います。

それに比べると灯台に関する本は写真集など何冊かあると思いますが、小説は極端に少なくなるものです。それでも、あたしの勤務先からはジャネット・ウィンターソンの『灯台守の話』を刊行しています。こちらも読み応えのある一冊です。

と言いつつ、今日11月1日は、業界としてはやはり「本の日」で盛り上げなければいけないのでしょう。111という数字の並びが、本棚に並んでいる本をイメージなのだそうですが、だったら11月11日の方がいいんじゃない、というのは言いっこなしです。