今日の配本(22/03/24)

表現力を鍛える
中級ドイツ語音読トレーニング

鷲巣由美子 著

文を意味のまとまりで分けて音読することで、ドイツ語のストックが記憶に定着します。扱う素材は、第一部では家族の紹介、誘いやお断り、相談やアドバイスなど、日常的な場面のテキストで、すぐに役立つドイツ語の言い回しが身につきます。第二部では、ドイツ語圏の文化や社会をテーマとした短いエッセイを通して、ドイツ語の表現を学習していきます。全25課。ニュアンスや用法が異なる使い分けなども詳しく解説。表現練習や作文完備。音声無料ダウンロード。各ポーズ付き音源あり。

今日の配本(22/03/18)

流木記
ある美術館主の80年

窪島誠一郎 著

2022年5月、「無言館」は開館25周年を迎える。戦没画学生の作品を展示するこの私設美術館には毎年多くの見学者が訪れ、館長として活躍する著者の評価も高い。しかしながらここ数年、著者は二つの大きな喪失を体現した。一つは「無言館」の本家ともいえる「信濃デッサン館」を閉館したことである。このデッサン館は、著者が畏怖する村山槐多など、夭折した画家たちの作品や関係資料などを収蔵・展示してきたが、運営が困難となり、長野県立美術館に多くを売却・譲渡することとなった。もう一つは10万人に1人以下という陰茎癌と診断され、手術によってペニスを失ったことである。長年疥癬に苦しんだり、講演中に脳出血で倒れたりと、病気につきまとわれる著者にとって、これは人生を見つめ直すほどの大きな衝撃だった。この二つの大きな喪失によって、出生から現在まで、改めて半生を振り返り、自らの存在を確かめようとしたのが本書である。あえて負の部分を晒すことで、逆に傘寿を超えた著者の新たな野望すら見て取れ、不思議な共感を呼び起こす自伝的作品ともいえる。

今日の配本(22/03/15)

今日の不安
さまざまな概念と臨床

ヴァシリス・カプサンベリス 著/阿部又一郎、大島一成 監訳

うまく眠れない、喉が詰まったような感じがする、胃が締め付けられる気がする、息切れする、呼吸が苦しい。不安になるとこうしたさまざまな症状を経験する。著者によれば、不安は「精神生活における交差路であるとともに見張りの役割を担う」。つまり不安は、こころの不快や不調、ときに苦痛を伴う感情の最初の表れであると同時に、それらが解決されていない状態にあると教えてくれているのだ。本書は、フロイトをはじめピエール・ジャネ、ウィニコット、メラニー・クライン、ラカンなどの業績を参照しながら、臨床における不安の症候学、不安のモデル、生物学、精神分析、認知行動科学、いろいろな治療法といった今日の不安の諸相を概説する。臨床経験豊かな著者が、正常から病理まで遍在する不安を震央に位置づけて考察した、病める社会と人間たちに向けたフランス精神分析的思考の処方箋。

今日の配本(22/03/11)

ケンジントン公園

ロドリゴ・フレサン 著/内田兆史 訳

児童文学の歴史に燦然と輝く永遠の古典『ピーター・パン』。その生みの親J・M・バリーに着想を与え、ピーター・パンのモデルとなったルウェリン=デイヴィス家の五人兄弟のひとりで、のちに出版社社主となったピーターの自殺で物語は幕を開ける。続いて、バリーの幼少期のエピソードに重ね合わせるようにして語り手自身の物語が始まる。章が進むうち、この謎の語り手が、今や知らぬ者はいない子供たちのヒーロー、時を駆ける永遠の少年ジム・ヤングの冒険を描く大人気シリーズの作者ピーター・フックであることが次第に明らかになる。

今日の配本(22/02/25)

李先生の中国語ライブ授業
1入門クラス

李軼倫 著

先生と生徒の会話で進む、すいすい読める入門書。発音も文法も、よくある質問に答えながら、わかりづらいところを丁寧に解説します。

アラビア語文法ハンドブック[増補新版]

新妻仁一 著

文字と発音から、格変化、動詞の派生形、数詞、例外的な表記など、現代アラビア語の理解に必要な基礎的な文法から、さらに上のレベルを目指す中級者も活用できるアラビア語学習の基本図書。アラビア語に本格的に取り組むためには欠かせない一冊です。つねに参照しながら、魅力的なアラビア語の世界をともに歩んでいきませんか。この増補版では、アラビア語の文法用語や索引を新たに加えるとともに、最新の知見をもとにしたコラムも多数掲載。

チェルノブイリ
「平和の原子力」の闇

アダム・ヒギンボタム 著/松島芳彦 訳

チェルノブイリは「平和の原子力」の象徴として、ソ連で最も安全で進んだ原発と言われていた。しかし、1986年4月の原子炉爆発事故によって、歴史に汚名を残す末路をたどった。事故からすでに36年が経過しようとし、その間にアレクシエービッチ『チェルノブイリの祈り 未来の物語』をはじめ、数多の著作や研究が世に問われてきたが、ソ連やロシア連邦の根深い秘密主義のために、今でも全容が解明されたわけではない。最新刊の本書は、構造的な欠陥をはらんだ原発が誕生した経緯から、北半球を覆った未曾有の放射能汚染、多くの人々の心身に残した傷にいたるまで、気鋭のジャーナリストが綿密な取材と調査を通して、想像を絶する災厄の全体像に迫った、渾身のノンフィクション作品だ。

ヴェルサイユ宮殿に暮らす[新装版]
優雅で悲惨な宮廷生活

ウィリアム・リッチー・ニュートン 著/北浦春香 訳

フランス貴族社会の象徴、ヴェルサイユ宮殿。18世紀、ここには王を頂点に千人以上がひしめきあって暮らしていた。豪華絢爛な外観、贅沢な食事、着飾った女性たち、舞踏会や音楽会……。華やかな宮廷生活が思い浮かぶが、本書のテーマはこうした表の顔ではなく、より人間くさい日々の営みのほうにある。著者は残された書簡や官僚機構の報告書などを精力的に読み込み、宮殿での暮らしの実態をひもといてゆく。

今日の配本(22/02/18)

「その他の外国文学」の翻訳者

白水社編集部 編

翻訳大国日本。多くの外国文学が翻訳され、読まれている。その中には日本では学習者が少なく、「その他」とくくられる言語によるものも含まれる。しかし、「その他」だといって存在感が小さいわけではない。インディペンデントな文学賞として知られる「日本翻訳大賞」の第1回大賞の2作品は、韓国語とチェコ語による作品だった。いずれも「その他」に分類される作品が、読者からも、翻訳者からも多くの評価を得たこと自体が、このカテゴリーの奥深さのあらわれではないだろうか。では、「その他」を生み出しているのはどのような翻訳者たちなのか? 日本では馴染みの薄い言語による文学を、熱意をもって紹介してきた9人の翻訳者が、その言語との出会いや学習方法、翻訳の工夫、そして文学観を語るインタビュー集。序文・斎藤真理子。

今日の配本(22/01/28)

戦争記念碑は物語る
第二次世界大戦の記憶に囚われて

キース・ロウ 著/田中直 訳

「第二次世界大戦の記念碑」といえば、日本では広島の原爆ドームや長崎の平和祈念像、東京の靖国神社、海外では中国の南京大虐殺記念館、ポーランドのアウシュヴィッツ博物館が有名だ。戦争記念碑は犠牲者や戦禍を追悼するもの、英雄やレジスタンス、犯罪を記憶に留めるもの、復興や平和を唱えるものとして、集合的記憶を形成し、継承する目的を有する。しかし近年、韓国の慰安婦像のように、論争を巻き起こしている戦争記念碑も増えている。本書は、英国の歴史家が世界の25の戦争記念碑を訪ね、「英雄」「犠牲者」「モンスター」「破壊」「再生」に分類し、歴史の表象とその変化や議論を考察する。

次なるパンデミックを防ぐ
反科学の時代におけるワクチン外交

ピーター・J・ホッテズ 著/詫摩佳代 訳

世界中がコロナ禍に覆われてすでに2年が経つ。パンデミックは突然発生したかにみえるが、実はそうでない。
本書によれば、2015年に感染症や熱帯病が増加に転じ始めたという。かつて撲滅したはずの病が、「人新世」という新たな時代のなかで復活しつつあった。その状況下、新型コロナウイルスが世界的に蔓延する事態になったのである。人間の活動が環境に未曾有の影響を与えるという人新世。戦争と政情不安、難民危機と都市化、貧困の深刻化、気候変動が感染症や熱帯病の温床になっている。危機を克服する鍵は、意外にも冷戦期に構築された米ソの「ワクチン外交」にある。本書では、対立が激化するなかでもポリオや天然痘を制圧した両国の科学者の姿が活写されている。しかし、冷戦期とは異なり、「反科学」が大きな足枷になっている。途上国だけでなく、いやむしろ先進国においてワクチンの接種をはじめ科学的知見を拒絶する動きが巨大メディア帝国を通じてばらまかれているのだ。人新世に迫りくる多種多様な感染症との闘いにいかに向き合うべきなのか? 世界的権威による処方箋!

今日の配本(22/01/27)

新訳ベケット戯曲全集3 フィルム
映画・ラジオ・テレビ作品集

サミュエル・ベケット 著/岡室美奈子、長島確、木内久美子、久米宗隆、鈴木哲平 訳

わかりやすくて明快な21世紀のベケットを、すべて新訳でお届けします。表題作をはじめ、本邦初訳の「なつかしい曲」、ドゥルーズが『消尽したもの』で分析したテレビドラマ作品など、13篇を一挙収録! 幽玄夢幻の、絵になる「放送劇」。

スモモの木の啓示

ショクーフェ・アーザル 著/堤幸 訳

13歳の末娘バハールの目を通して、イスラーム革命に翻弄される一家の姿が、時に生々しく、時に幻想的に描かれる。『千一夜物語』的な挿話、死者や幽鬼との交わり、SNSなどの現代世界が融合した、亡命イラン人作家による、魔術的リアリズムの傑作長篇。

今日の配本(22/01/19)

年月日

閻連科 著/谷川毅 訳

千年に一度の大日照りの年。一本のトウモロコシの苗を守るため、村に残った老人と盲目の犬が、命をつなぐために選んだ手段とは……

羊皮紙に眠る文字たち再入門

黒田龍之助 著

ロシア語などで使われるキリル文字。このあまり知られていない不思議な文字の歴史を探りながら、にぎやかで魅力的な世界を味わう。

今日の配本(22/01/12)

フラ語動詞、こんなにわかっていいかしら?[増補新版]

清岡智比古 著

フラ語の動詞活用は超フクザツ……そこで、まずは「フラ語動詞スッキリ解説」でやさし~く解きほぐしてルールを整理。つぎに重要動詞の活用表を、大胆不敵なオール読みがな付きで一挙掲載。重要な活用パターン40の動詞の全活用形の音声も付いて、聞いているうちに(きっと!)ラクラク覚えられます。音声は白水社のHPでストリーミングでき、一括ダウンロードも可! さらに、さらに、今回、「フラ語動詞ドリル100問」もプラス!これで動詞はカンペキ!

フラ語ボキャブラ、単語王とはおこがましい![増補新版]

清岡智比古 著

スラスラ読めちゃう単語集。単語の意味や読みがなは、赤い暗記シートで隠せちゃう。聞いてるだけでも覚えちゃう、あの2枚組のカンペキCDの内容が、今後は白水社のHPでストリーミングでき、一括ダウンロードも可!(太っ腹!) さらに、このたびスペシャルボーナス・レッスン3課がプラス。これまでの基本単語1511(「イゴイイ」関係)に加え、LGBT、SDGs、SNS用語などなど、〈イマ〉と〈セカイ〉を語れる語彙が50以上も増えました。これであなたも「単語王」!

ショアの100語

タル・ブリュットマン、クリストフ・タリコヌ 著/宇京賴三 訳

「絶滅」「ジェノサイド」「ホロコースト」「フルブン」「ショア」「最終解決」「ヨーロッパ・ユダヤ人の絶滅」。いずれも同時期にヨーロッパのユダヤ人に対して行なわれた出来事を表わし、これらの言葉の選択/使用については議論となる。本書は、まずこれら7つの言葉の解説から始まる。それらがいつ、どのような意味で使われていたのか? その使われ方は時代とともにどのように変わっていったのか? 残りの93語は、7語に関連する、施設(「強制収容所」「絶滅収容所」「絶滅センター」「ガス室」「ガス・トラック」)、出来事(水晶の夜、ヴァンゼー会議、ニュルンベルク裁判)、人物(ヒトラー、アイヒマン、ハイドリヒ、ヒムラー)、作品(『シンドラーのリスト』『夜』『ショア』)等を解説する。ショアに関連する記事や作品に触れる際、どの言葉が選択されているのか注意されたい。