夢なのか、踏み台なのか?

昨日の朝日新聞夕刊です。乃木坂46の三期生、久保ちゃんが載っていました。

一期生の生ちゃんが年内で卒業ということで、歌唱面での乃木坂46の柱になるのは久保ちゃんで決まりでしょう。ただ四期生も番組の効果でしょうね、このところメキメキと歌唱力が上がっている気がします。アイドルだけで口パクばかりではない、歌う時は歌えるという面をもっと見せられたらよいと思います。

久保ちゃんは歌もそうですが、このところ演技面でも評価が高まっていますね。いずれはそちらの方面に進むようになるのかも知れません。

それにしてもアイドルの卒業とはどう捉えるべきなのでしょう? ソロ歌手として成功する人はほとんどいないですし、女優として活躍しているのも数えるほどです。

ただ、この「活躍」とか「成功」というものが何を意味するのかが不明確なような気もします。アイドルとしてテレビに引っ張りだこだった時代からすると、ちょっとテレビで見なくなっただけで「落ちぶれた」と言われがちです。ドラマに出ても主役でないとなんだかんだ言われてしまいします。

でも、テレビに出る仕事だけが仕事じゃないです。ファッションに興味あるなら、卒業したグループの衣装デザインを仕事にする、という人生だってあると思います。イラストや写真が好きならCDジャケットの制作に携わってもよいと思います。もちろんそう言う仕事をするのであればしっかり専門の学校へ行った方がいいと思いますし、持って生まれたセンスも大事でしょう。でも実際にアイドルをやっていたからコソの経験値も活かせると思うので、卒業後にそういう道へ進むアイドルがいたっていいと思います。

そういう人材が次々に輩出されるアイドルグループがあってもいいんじゃないかなあ、と思うのです。アイドルグループに入ることを夢にするのではなく、そこから先も考えてもらいたいなあと思います。

あれから30年

ソビエト連邦崩壊から30年。もう30年たつわけですから、いまの若い方の記憶にないのは当然ですね。あたしの世代ですと「ロシア」という響きは帝国の彭を思い出させ、やはりあの国のことは「ソ連」と呼んでしまいがちです。

ソビエト連邦という国の歴史を振り返るもよいですが、かなりたくさんの本が集まりそうなので、今回はソ連崩壊の時期に絞ってご案内しますと、まずは『ゴルバチョフ(上)』『ゴルバチョフ(下)』です。ソ連を崩壊に導いたという表現を使うとマイナスイメージになってしまいますが、やはりあたしの世代にとってゴルバチョフは冷戦を終わらせ、さまざまな改革を行なった清新な政治家というイメージが先行します。まだ存命ですので、本書は評伝ではありますが、半生記的なものです。

そしてゴルバチョフの引き起こした改革が東欧全体に影響を及ぼし、一気に「東側」が崩壊していった様を描く『東欧革命1989 ソ連帝国の崩壊』です。リアルタイムで知っていますが、まさかこんなにあれよあれよという間に共産圏が崩れていくとは思いもしませんでした。

考えてみますと、1989年という年は、年明け早々に昭和が終わり、中国で天安門事件が起こり、そして東欧の崩壊、ベルリンの壁崩壊という、たぶん近年稀に見る激動の都市であったと思います。そんな東欧の状況を活写したのが本書です。

そして西側に住むあたしたちは、これで共産圏に暮らす人たちも幸せになれると脳天気に思い込みがちですが、実際にはそうではなく、あまりの価値観の変化についていけない人たちも大勢いたようで、そんな実情を描いたのが『踊る熊たち 冷戦後の体制転換にもがく人々』です。正題だけを見ると、動物の話かなと思って、本屋で「自然-生物」のコーナーに置かれてしまいそうですが、副題を見ていただければ、どんな内容を扱った本なのか理解していただけると思います。

そう言えば、東欧のように共産社会が崩壊したわけではありませんが、事実上の資本主義に邁進してきた中国でも、「共産主義は素晴らしい、仕事をしなくたって給料がもらえるから」という皮肉めいた発言を中国人から聞いたことがあります。

東欧の崩壊が1989年に始まって、本家本元のソ連が解体になったのが、いまから30年前1991年の12月25日なわけです。ソ連からロシアに変わり、現状を見ると再び「帝国」に戻ってしまったかのような印象がありますね。

そんな25日クリスマスには『クリスマスの文化史』を繙くのは如何でしょうか? 毎年この時季になると(もう少し前からですが……)書店からの注文が伸びる季節商品的な一冊です。