この場所の「秘密」とは?

本日配本の『大仏ホテルの幽霊』を読みおわりましたが、その中にまるであたしのことを言っているのではないかと思われる一節があったので下記に引用します。

あなたたちはみな、笑いたがっています。幸せを求めているんです。でも、お互いが信じられません。信じるつもりがありません。信じれば、裏切られると思っているからです。だから自分自身さえ、信じられないのです。あなたたちの人生がそうだったからでしょう。ああ、それは私の人生でもあります。ええ、そうです。なぜこんなに難しいのでしょうね。不安でいっぱいになるんでしょう。他の人にはたやすいことが、私たちにはなぜ、これほどまでに苦痛なのでしょう。私たちにとって、愛はあてにならない記憶、不幸は長く残り続ける物語なのです。(P.187)

なんか人間関係の本質だなあ、と思った次第です。少なくともあたしにとっては。

今日の配本(23/11/24)

大仏ホテルの幽霊

カン・ファギル 著/小山内園子 訳

1950年代、朝鮮戦争の傷痕が残る西洋式「大仏ホテル」で幽霊に導かれるように4人の男女の人生が交錯する。韓国社会の“恨”を描くゴシックスリラー。