それほどあることではありませんが、同じタイトルの本が出版されることがあります。同じ出版社の場合は以前のものの改訂版だったり、新版だったり、増訂版だったりすることが多いので、タイトルの前か後にそう書いてあることがほとんどです。ただ異なる出版社の場合ですと、全く同タイトルの本が刊行されてしまうということも時にあるものです。
さて今回落手した朝日新聞の『松田聖子と中森明菜』はかつて幻冬舎新書で刊行されたものと同タイトルで、著者も同じです。出版社が異なるので、改めて出し直したのだろうなあ、ということは予想がつきますが、本書を開いてみましたら、判明しました。
もともとは幻冬舎新書で刊行され、その後、朝日文庫で増訂版が刊行され、今回はその朝日文庫版をベースに加筆修正を加えて朝日新書になったそうです。
こういう出版の経緯がありますので、両者を比べてみますと、ご覧のように厚みに差があります。幻冬舎版が318頁、朝日新書版が448頁あるようですから、これくらいの差は当然でしょう。それに両者で同じ厚みの紙を使っているとも思えませんし。
さて、松田聖子と中森明菜は、あたしが学生のころの二大女性アイドルでした。先にデビューした聖子を後から明菜が追いかけるという構図でしたが、ぶりっこの聖子とツッパリの明菜という具合にキャラクターも好対照なので、クラスメートも聖子派、明菜派に分かれがちでした。あたしはどちらも好きでしたが、特にツッパリ路線に行く前、まだあどけなさが残る、ちょっとぽっちゃり気味の中森明菜を初めてテレビで見た時に一目で「カワイイ」と思いました。
ただ中学、高校時代に一番聞いていたのは、松田聖子でも中森明菜でもなく、沢田聖子でした。沢田聖子の知名度は松田聖子や中森明菜とは比べものになりませんが、当時はそこそこ知られたシンガーソングライターでした。いまも現役で活動しています。そして名前は「せいこ」ではなく「しょうこ」と読みますので、お間違いないように。