今日の配本(22/02/18)

「その他の外国文学」の翻訳者

白水社編集部 編

翻訳大国日本。多くの外国文学が翻訳され、読まれている。その中には日本では学習者が少なく、「その他」とくくられる言語によるものも含まれる。しかし、「その他」だといって存在感が小さいわけではない。インディペンデントな文学賞として知られる「日本翻訳大賞」の第1回大賞の2作品は、韓国語とチェコ語による作品だった。いずれも「その他」に分類される作品が、読者からも、翻訳者からも多くの評価を得たこと自体が、このカテゴリーの奥深さのあらわれではないだろうか。では、「その他」を生み出しているのはどのような翻訳者たちなのか? 日本では馴染みの薄い言語による文学を、熱意をもって紹介してきた9人の翻訳者が、その言語との出会いや学習方法、翻訳の工夫、そして文学観を語るインタビュー集。序文・斎藤真理子。

つばさ君はどうしてる?

テレビを見ていると、ニュースや情報番組は北京五輪の話題ばかりですが、ウイグルをはじめとした中国の人権問題も忘れてはいけない事案です。しかし、どうしてもオリンピックの影に隠れ、そういった問題は報道される機会が少ないですね。そもそも国内を自由に取材させてくれないでしょうから、何かと制約も多いのでしょう。

そして、もう一つ気にかけていると目に付く国際ニュースがウクライナ問題です。

 

ロシアが本当に侵攻するのか予断を許しませんが、国際問題解決の第一歩は相互理解だと思っています。日本人のどれくらいの人が、ウクライナの場所を地図の上で示すことができるでしょう。クリミア半島の場所ってわかっているでしょうか? 日本人にとってはロシア以上にウクライナは遠い国なのだと思います。

そこでまずは言葉です。お薦めするのは『つばさ君のウクライナ語』と『ニューエクスプレスプラス ウクライナ語』です。前者は音声ダウンロード、後者は付属のCDと音声アプリでウクライナ語の響きを聞くことができます。これでまずはウクライナという国に対する親しみを持っていただければと思います。

 

そして、クリミア問題について考えるのであれば外せないのはこちら、『クリミア戦争(上)』『クリミア戦争(下)』です。

「その他」の気概?

「その他の外国文学」の翻訳者』の見本が出来てきました。

このタイトルをご覧になって、どういう内容の本なのか、おわかりいただけるでしょうか? そして「その他の外国文学」にあえてカッコが付いている意味に気づいた方はいらっしゃるでしょうか?

そのヒントは右の画像です。ネット書店「アマゾン」のジャンル分けで「文学・評論」部門を辿っていったものです。「日本文学」の下がいわゆる海外文学になるわけですが、「中国文学」から「ギリシャ・ラテン文学」まで具体的な国名・地域名が上がっているのは九つで、これら以外の国・地域はすべて「その他の外国文学」にまとめられてしまっています。

日本で翻訳が出版されている点数から考えて、このジャンル分けはやむを得ないと思いますが、それでも「その他」にまとめられた国・地域の言葉や文学、歴史、文化を学んでいる人にすればモヤモヤとしたものを感じるのではないでしょうか?

左の画像は、同じくネット書店「楽天ブックス」のジャンル分けです。なんと「外国の小説」でひとまとまりにされています。いくらなんでもこれは大雑把に過ぎるのではないか、という気もします。

ただネット書店の場合、リアル書店とは異なり、棚をつらつら眺めて装丁を楽しんだり、帯の惹句を熟読したり、といった行為はほとんどなく、書名や著者名で検索し、ダイレクトに目的の本に辿り着いたらカートに放り込む、というのが定番でしょうから、あまりジャンル分けにこだわっていないのかも知れません。

とはいえ、楽天ブックスのこのジャンル分けは潔いと言いますが、ネット書店としてのスタンスが垣間見えるものがありますね。

そういうネット書店に比べると、リアル書店が母体である紀伊國屋書店のオンラインストアはジャンル分けも充実しているように感じられます。アマゾンと似ているようでちょっと異なりますね。

「その他ヨーロッパ文学」とか「その他アジア文学」というのがありつつ、更にそれらからもこぼれるものが最後の「その他海外文学」なのでしょう。ここに分類されるのは一体どういった作品立ちなのでしょう。逆に興味が沸いてきます。

そして最後、一つだけ横長な画像は丸善&ジュンク堂書店のネット書店「honto」のジャンル分けです。

日本の他には「アジア」と「欧米」があるだけで、あとは「その他海外の小説・文学」になってしまいます。ちなみに、この「その他海外の小説・文学」をクリックすると「ラテンアメリカ」と「アフリカ」という分類が現われます。

「欧米」の下位ジャンルは、「ギリシア・ラテン」「英米」「ドイツ」「フランス」「スペイン」「イタリア」「ロシア」「その他ヨーロッパ」となり、「アジア」の下位ジャンルは「中国」「韓国・朝鮮」「その他アジア」です。

話は戻って『「その他の外国文学」の翻訳者』ですが、本書はウェブ連載がベースになっています。それを一冊にまとめ、斎藤真理子さんの序文を付したものです。本書をお手に取られた方、まずは斎藤さんの序文を一読してみてください。

最近の勤務形態

コロナの第六波はピークアウトしたのか、それともまだまだ上がるのか、素人にはわかりませんが、あたしの勤務先も先日来、少し対策を強化しました。

営業部の書店回りについては、先方の意向を最優先に、ということになっていて、いくつかの書店からは本部を通じて訪問営業を控えるようにと言われています。ただ、やはりオミクロン株は比較的軽症という認識が強いからなのか、来ないでくださいという書店はほとんどなく、書店が入っているショッピングモールやテナントビルもうるさく言うところはありません。

だからといって気を緩めるわけではなく、こちらもマスク着用、手指の消毒は欠かさず、書店の方とのおしゃべりも短時間で手際よく、を心がけています。もしかしたら、無症状で既に感染しているのかも知れませんしね。

外回りはそんな感じなのですが、あたしの勤務先、社内密がなかなか解消されません。そんなに狭い事務所に大勢が押し込められているわけではないですし、空気清浄機も置いてあるので、あまり神経質になる必要はないと思いますが、やはり何かあったときのために社内の出社人数をもう少し減らしたいと個人的には思っています。

なので、あたしは先週から、週に一日の在宅勤務の他に、もう一日在宅勤務を増やしまして、ただ増やした在宅勤務日もずーっと在宅しているわけではなく、朝のうちにメールのチェックなどを済ませたら、昼前から外回りに出るようにしました。いわゆる直行直帰というやつです。これなら社内の出社人数を減らすことができます。

先週もそうでしたが、今週も明日は直行直帰を絡めた在宅勤務日の予定です。本というモノを扱う以上、誰も出社しないという訳にはいきませんが、どうして皆さん、会社に来たがるのでしょうね。もっと在宅を増やすべきだと思いますけど。

上流階級も大変だ?

ネットニュースで知ったのですが、本日2月6日は英国のエリザベス女王即位の日だそうです。今日で即位70年になるそうです。

そんな今日という日にお薦めの一冊は『やんごとなき読者』です。もちろんフィクションではありますが、主人公はそのエリザベス女王ご本人です。

ある日、愛犬を追って城の裏庭にやってきた女王陛下は、移動図書館の車と、本を借りにきていた厨房の下働きの少年に出くわす。あくまでも礼儀上、一冊借りたことが、人生を変える、本の世界への入り口となった。以来、すっかり読書の面白さにはまってしまい、カンニングする学生のように公務中に本を読みふけるわ、誰彼かまわず「最近どんな本を読んでいますか」と聞いてはお薦め本を押しつけるわで、側近も閣僚も大慌て。読書によって想像力が豊かになった女王は、他人の気持ちや立場を思いやるようになるものの、周囲には理解されず、逆に読書に対してさまざまな妨害工作をされてしまう……。

公式サイトにある内容紹介は上記のとおり。本を読むことに目覚めたエリザベス女王が周囲を引きずり込んだドタバタ劇であり、とても笑える内容です。その一方で、本を読むことの楽しさを教えてくれる一冊でもあります。

さて、エリザベス女王は英国における究極の上流ですが、英国の上流階級に興味をお持ちの方には、現在売行き絶好調のこちら、『ノブレス・オブリージュ イギリスの上流階級』がお薦めです。

ドラマ「ダウントン・アビー」やジェイン・オースティンの小説が好きな方であれば、こちらも大いに楽しめるはずです。是非手に取ってみてください。

観てから読むか、読んでから観るか?

BSプレミアムで本日午後、映画「トロイ」が放送されます。ブラッド・ピット主演の歴史超大作です。

昼下がりの映画ですが、たぶん先月、シュリーマンの生誕200年だったということが放映の理由としてあるのではないでしょうか? なにせトロイと言えばシュリーマンですから。

本来なら、生誕200年の当日に放送したかったのかも知れませんが、なにせシュリーマンの誕生日は1月6日、正月の特番などが目白押しの時期でしょうから、この映画を差し込むことが難しかったのではないかと勝手に想像しています(笑)。

そのシュリーマンの評伝、この機会にあたしの勤務先から復刊されました。それが、そのものズバリ『シュリーマン トロイア発掘者の生涯』です。既に書店店頭に並んでいますので、ご興味のある方はお近くの本屋さんで手に取ってご覧ください。

そしてトロイア戦争に知りたいのであれば、『トロイア戦争 歴史・文学・考古学』です。考古学、歴史学の最新成果を取り込んだ一冊になっています。

映画を観て、トロイア戦争の時代に興味を持たれた方は、是非こちらの書籍も手に取っていただけると嬉しいです。できれば買っていただけるともっと嬉しいですが、図書館で借りるのでも構いません。図書館になければ購入リクエストを出してくだされば、と思います。

テレビ放送を観てから本を読むか、本を読んでから映画を観るか、どちらでもお好きな方をお楽しみください。

必要とされているのかしら?

朝日新聞の夕刊にこんな記事が載っていました。

「紙の書籍 販売額15年ぶり増」だそうです。

嬉しいニュースです。

コロナ禍で本を買う人が増えているという話は2020年にも聞かれましたが、ここへ来て本の値段が上がっていることも販売額を押し上げた一因のようです。とすると、本の晩売冊数は減っているのでしょうか?

それはともかく、このコロナ禍で出版社の営業も書店訪問を自粛している期間がありました。2020年などは数ヶ月にわたって書店を訪問できないこともありましたので、あたしたちは開店休業状態でした。同業他社の営業マンと話をしても「とっか書店へ行ってみた?」というのがあいさつ言葉になっていたくらいです。

その一方、実は書籍の売り上げ、特に専門書に関してはほとんど落ちていない、という話もしばしば聞かれたものです。もともとが小さな数字なので、上がりも下がりもしないし、少しくらい上がったり下がったりしても目立たないのかもしれません。

しかし、そういう数字が明るみに出したのは「では、出版社の営業っていままで何をしていたのか?」ということです。書店に営業に行かなくても売り上げが落ちないのであれば、交通費を使って書店に出向く必要はありません。

しかし、本当にそれでよいのでしょうか? 行かないでもできる営業が今後の主流になるのでしょうか?