2024年5月のご案内

2024年5月に送信した注文書をご案内いたします。

   

まずは刊行以来順調に売上を伸ばしているハン・ガンの『別れを告げない』が3刷に入ったので、そのご案内です。そして先月に引き続き、春の語学辞典のご案内。そして突然飛び込んできたポール・オースターの訃報を受け、『鍵のかかった部屋』のご案内。そして恒例の今月のおすすめ本です。

   

続きまして、朝日新聞「折々のことば」で取り上げられた『シモーヌ・ヴェイユ』、こちらも売行き好調な『パンダに会いに行くための中国語』のご案内。6月から西洋美術館で始まる展覧会に合わせて中世写本のご案内、そして今月のおすすめ本[語学書]のご案内です。

  

『別れを告げない』の4刷が決まったので、そのご案内、新刊『わからない』の重版が刊行早々に決まったので、そのご案内。そして5月の最後は、この夏が第一次世界大戦の開戦110年ということで、『第一次世界大戦』のご案内です。

今日の配本(24/05/31)

シュペーア
ヒトラーの建築家

マーティン・キッチン 著/若林美佐知 訳

戦時中には軍需相を務め、ユダヤ人迫害政策に関与し、強制・奴隷労働の組織化も主導した男の「善良なるナチ」という仮面を剥ぎ取る。

本日の朝日新聞に二件ほど……

今日の朝日新聞の紙面で、日本エッセイスト・クラブ賞が発表されていました。受賞したのは園部哲さん。あたしの勤務先でもお世話になっている方です。

ただ、あたしの勤務先ではエッセイではなく、主として翻訳です。現在上巻と中巻が刊行されて、この夏には下巻が刊行予定の『スターリングラード』が最新刊になります。

エッセイスト・クラブ賞と言えば、2016年に温又柔さんが『台湾生まれ 日本語育ち』で、2009年に平川祐弘さんが『アーサー・ウェイリー』で、2000年には鶴ヶ谷真一さんが『書を読んで羊を失う』で、それぞれ同賞を受賞していますね。

さて本日の朝日新聞にはこんな記事が載っていました。

性教育について、オランダの事例を紹介している記事です。円安ということもあり、なかなかオランダへ出かけて行くのは難しいと思いますが、興味を持たれた方にはこんな本をお薦めします。

『14歳からの生物学』です。これはオランダの教科書の翻訳なのです。

意外なことだが、日本の生物学教科書には「ヒト」がいない。高校生物の学習指導要領には、生命の根源的な活動といえる生殖や病気の予防・治療という観点がそもそもない。 このため、大腸菌やハエの突然変異といった基礎生物学的内容はしっかり押さえているが、ヒトの生殖活動や感染症に関する記述はほとんど皆無である。これに対して、オランダの中学生物教科書である本書には「ヒト」が溢れている。サルモネラ菌による食中毒からメタボリック・シンドローム、アルコール中毒まで、文字通り、ヒトが生きていくための生物学がオールカラーの図版とともに露骨なまでに展開されている。特に重要なのは、生殖に関する部分だ。月経の仕組み、射精から受精までの経過、妊娠のメカニズムや妊娠判定の様子、さらに避妊方法を綺麗な図や写真を使って紹介している。コロナ禍の下、十代の妊娠相談が相次いでいる。背景にあるのは「ヒトの生物学」の不在だ。本書には感染症から薬物依存に至るまで、十代が自分をいかに守るか、その術がシンプルに語られる。コロナ時代を生き抜く武器としての「理科」への誘い!

上掲が公式ページに載っている内容紹介です。「性」のみならず、さまざまなことが取り上げられている教科書です。教科書と思わず、読み物、教養書と見なしてページをめくっていただければ幸いです。

今日の配本(24/05/28)

ワイルドランド(下)
アメリカを分断する「怒り」の源流

エヴァン・オズノス 著/笠井亮平 訳

三都市に暮らす人びとのライフヒストリーと政治の中枢ワシントンでの出来事を交互に織り交ぜ、社会に断絶をもたらした淵源を探る。

つぶやきのフランス語 基本語ドリル

田中善英 著

大事な基礎語彙を繰り返し練習。愉快で日常的な言い回しが記憶に残る。理解を助けるワンポイント解説ほか学習者の悩みをしっかり解決。

今日の配本(24/05/27)

基本が身につく みんなの韓国語 初級

キム・スノク、スン・ヒョンジュ 著

楽しくわかりやすく学ぶ、長年の韓国語教育の経験が随所に生きる初級学習書。会話スキットはゆっくりからノーマルへなど工夫が満載。

独裁が生まれた日
習近平の虚構の時代

大熊雄一郎 著

党・国家の中枢から翻弄される市井の人々まで、一人ひとりの声に耳を澄ませながら、幸福な全体主義国家を描いた渾身の書き下ろし。

実存と人生[新装版]

フランツ・カフカ 著/辻瑆 編

カフカが書き残した多くのアフォリズムと日記を編纂した一冊。そこにはさまざまな謎を秘めた彼の文学が映し出されている。

抜かないでください!

営業回りの途次、書店の店頭でフェアをやっていまして、その棚に置いてあった小冊子です。フェアのタイトルは「書店員の心に刺さって抜けない棘本」です。

あたしの勤務先からは『キャッチャー・イン・ザ・ライ』と『ライ麦畑でつかまえて』がエントリーしていました。まあ、「完全なる問題作」ですから、選ばれるのも当然と言えば当然ですよね。

それにしてもこのフェアのタイトル、是非とも棘は抜かないで、このまま刺さったままにしておいてもらいたいものです。もし抜いてしまったら、後輩書店員の心に差していただけるとありがたいところです(笑)。

棘で思い出したのですが、東京には「とげぬき地蔵」というところがあります。そう言われてもわからずとも、「お婆ちゃんの原宿」と言えば伝わるでしょうか。巣鴨にある高岩寺にあるお地蔵様です。毎月4の付く日に縁日が行なわれ、あちらこちらからお婆ちゃんがやって来るのです。

そのとげぬき地蔵通りに、あたしは小学校に上がる前まで住んでいました。巣鴨駅から高岩寺の前を通り、都電荒川線の庚申塚駅を過ぎ、もう少しで明治通りに出るという路地を入ったところの小さな、小さなアパートでした。お風呂もないので近所の風呂屋へ通った記憶がかすかに残っています。