今日の配本(22/09/05)

信仰の現代中国
心のよりどころを求める人びとの暮らし

イアン・ジョンソン 著/秋元由紀 訳

弾圧から緩和、引き締め、そして包摂へ―毛沢東以来、共産党支配下における政治と宗教の関係は常にある種の緊張状態にある。本書は、この緊張状態の根源にあるものを掘り起こし、信仰と伝統行事のあり方を通して中国社会のもう一つの姿を描いたノンフィクションである。

期待している二冊

Uブックスの新刊『アーモンドの木』は明日が配本日なので、書店に並ぶのは、早いところで土曜日、地方の書店だと週明けになってしまうのではないかと思います。もうすぐですので、ぜひ楽しみにお待ちください。

デ・ラ・メアって児童文学作家として知られているのでしょうけど、この作品は大人向け、なかなかモヤモヤする読後感がたまりません。いわゆる幻想怪奇小説と言うのでしょうか。

別にお化けや悪魔が出て来るとか、人間の醜悪な部分が露悪的に描かれているとか、そういう感じではなく、どこにでもあるような、だけど、嫌悪感まではいかないくらいの違和感というか、そんなものを感じるストーリーたちでした。

ちなみに、アマゾンで検索窓に「アーモンドの木」と入れても全然ヒットしませんね。カテゴリーが「すべて」になっているからでしょう。植物・食物のアーモンドばかりがヒットします。カテゴリーを「本」にすれば最初にヒットするのですけど……(笑)

続いては、週明けが配本日なので、来週半ばには店頭に並ぶと思いますが、『信仰の現代中国』をご紹介します。著者はカナダ生まれのジャーナリストですが、よく中国庶民の中に分け入って文章をまとめているなあと感じました。

手前味噌ですが、あたしの勤務先ってこれまでも『ネオ・チャイナ』『辺境中国』など、欧米のジャーナリストによる中国ノンフィクションを出してきましたが、読み応えのある、よい作品が多いですね。別に日本人の書いたものを悪く言うつもりはありませんが、本当によく調べていると感心します。

これも偏見なのかも知れませんが、日本人が書く中国ノンフィクションって、新書が多かったりして、やはり分量が少なめです、簡単に読み終わってしまうものが多いです。単行本でもその傾向はあります。

それに比べると欧米のノンフィクションは、頁数もあって本も分厚くなり、そのぶん価格も高くなってしまいますが、読み応えや満足度も十二分にあります。日本人の書き手にも、それなりの紙幅を与えれば同じレベルでかける方は大勢いると思うのですけどね……

今日の配本(22/08/29)

キューバ・ミサイル危機(上)
広島・長崎から核戦争の瀬戸際へ1945-62

マーティン・J・シャーウィン 著/三浦元博 訳

1962年10月のキューバ・ミサイル危機は、核戦争(最終戦争)が一触即発で起きかねない13日間だった。本書はその「一触」が、実はほんの偶然の積み重ねで回避されていたことを明らかにした大作だ。米国の国家安全保障会議、国防総省、統合参謀本部の会議録、関係者の個人メモ、回想録、解禁されたソ連共産党幹部会の議事録など、豊富な史料を網羅して、米ソ両政権の内部とカリブ海の現場で何が起きていたかを立体的に描き出し、手に汗握る日々が展開される。

ジャック・デリダ講義録 生死

ジャック・デリダ 著/吉松覚、亀井大輔、小川歩人、松田智裕、佐藤朋子 訳

生死をめぐる「差延」の論理! 性的差異、自伝、二重拘束、補綴、隠喩……デリダ的な圧巻のテーマが語られてゆく、驚くべき講義録。

パリ入城!

8月26日はドゴールのパリ入城の日なのだそうです。

第二次世界大戦で、フランスって意外とあっさりとドイツに降伏してしまったんですよね。だからこそレジスタンス側も必死になったのかもしれません。

そんなフランス側が、自国からドイツを駆逐するために奮闘し、史上最大の作戦を経てようやくパリを取り戻し、この8月26日にパリでドゴールによるパレードが行なわれたわけです。

パリ解放を主導した救国の英雄ドゴールについて知りたい方には、『シャルル・ドゴール伝(上)』『シャルル・ドゴール伝(下)』をお薦めいたします。A5判の巨冊ですが、ドゴールについて知るには、外せない一冊、いや上下本なので二冊です。

上で「救国の英雄」と書きましたが、ドゴールのフランスにおける評価ってどんなものなのか、個人的には非常に興味があります。毀誉褒貶、かなり振れ幅が大きな人物ですよね。だからこそ本書は、膨大なの資料に基づいて執筆された、中立で客観的なドゴール伝になっているようです。

ところで、パリ解放は1944年の8月19日から25日にかけて行なわれた戦闘ですが、そんなパリ解放をメインに扱っているのが『パリ解放1944-49』です。

タイトルからもわかるとおり、解放戦争だけでなく、その後のパリの復興、戦後の歩みも網羅した一冊です。

その解放に沸くパリで重要な舞台となったのがノートルダムです。2019年に焼け落ちてしまいましたが、パリの歴史を見つめてきた大事な建築であり、場所です。

そのノートルダムについて詳しく知りたい方には、『ノートルダム フランスの魂』が最適でしょう。なぜ「フランスの魂」と呼ばれるのか、きっとわかると思います。