パリ入城!

8月26日はドゴールのパリ入城の日なのだそうです。

第二次世界大戦で、フランスって意外とあっさりとドイツに降伏してしまったんですよね。だからこそレジスタンス側も必死になったのかもしれません。

そんなフランス側が、自国からドイツを駆逐するために奮闘し、史上最大の作戦を経てようやくパリを取り戻し、この8月26日にパリでドゴールによるパレードが行なわれたわけです。

パリ解放を主導した救国の英雄ドゴールについて知りたい方には、『シャルル・ドゴール伝(上)』『シャルル・ドゴール伝(下)』をお薦めいたします。A5判の巨冊ですが、ドゴールについて知るには、外せない一冊、いや上下本なので二冊です。

上で「救国の英雄」と書きましたが、ドゴールのフランスにおける評価ってどんなものなのか、個人的には非常に興味があります。毀誉褒貶、かなり振れ幅が大きな人物ですよね。だからこそ本書は、膨大なの資料に基づいて執筆された、中立で客観的なドゴール伝になっているようです。

ところで、パリ解放は1944年の8月19日から25日にかけて行なわれた戦闘ですが、そんなパリ解放をメインに扱っているのが『パリ解放1944-49』です。

タイトルからもわかるとおり、解放戦争だけでなく、その後のパリの復興、戦後の歩みも網羅した一冊です。

その解放に沸くパリで重要な舞台となったのがノートルダムです。2019年に焼け落ちてしまいましたが、パリの歴史を見つめてきた大事な建築であり、場所です。

そのノートルダムについて詳しく知りたい方には、『ノートルダム フランスの魂』が最適でしょう。なぜ「フランスの魂」と呼ばれるのか、きっとわかると思います。

11月1日ではなくて?

Googleのトップページ知ったのですが、本日8月26日は犬の日なんですね。正確に言うと「世界犬の日 National Dog Day」と言って、アメリカで制定されたようです。

日本ですと「ワン、ワン、ワン」の語呂合わせで11月1日が犬の日ですけど、世界に目を向けるといろいろと違うものが見えてきます。ということで、あたしの勤務先の刊行物から犬に関するものをいくつかご紹介します。

まずは中国の作家、閻連科の『年月日』です。飢饉に苦しむ農村を舞台に、村人も去ってしまった村でおじいさんと目の見えない痩せ犬が必死のサバイバルを繰り広げる物語、犬好きなら涙がちょちょ切れること必死の作品です。

続いてはガラッと変わって『フラッシュ 或る伝記』、ヴァージニア・ウルフの作品です。こちらは犬種がわかっていまして、コッカー・スパニエルです。このコッカー・スパニエルのラッシュの目を通して見た世界が描かれます。

公式サイトの紹介文にもあるように、「犬好きによって書かれた本というより、むしろ犬になりたいと思う人によって書かれた本」というのがまさしくピッタリな小品です。

以上の二点は新書サイズの白水Uブックスの海外文学でしたが、次に紹介する『神は死んだ』は単行本、《エクス・リブリス》の一冊です。短篇集なので、すべてが犬にかかわる作品ではありませんが、犬にかかわる作品はかなり異色です。

神(砂漠で野垂れ死んだキリスト)の肉を食べたために知能が発達した犬が登場します。そんな犬への取材を試みたのが「神を食べた犬へのインタビュー」という一篇です。キリスト教世界では「神が死んだ」というインパクト、そしてその肉を犬に食われてしまったという衝撃がかなり話題になったのではないでしょうか? この邦訳もよく売れました。

最後に、ノンフィクションを二点ご紹介します。

まずは『愛犬たちが見たリヒャルト・ワーグナー』です。あのワーグナーが犬好きだったというのは、ワーグナーのファンであれば周知のことなのでしょうか? あたしは不勉強で知りませんでした。

本書はワーグナーの評伝ではありますが、そのワーグナーの愛犬の目を通して見たという設定が秀逸です。上掲の『フラッシュ』と読み比べてみるのも面白かもしれません。

最後は、現在品切れではありますが、『戦禍のアフガニスタンを犬と歩く』です。タリバン政権崩壊直後の冬のアフガニスタンを犬と共に踏破したノンフィクションです。アフガニスタンの現状、人々の暮らし、戦火の爪痕など、アフガンの混乱状態が見て取れます。

こうしてみますと、犬というのは楽しいときも辛いときも、人間のそばに寄り添ってくれているのだなあと実感します。それが犬の宿命なのでしょうか?

なお「犬」ではありませんが、あたしの勤務先からは「オオカミ」に関する本も数多く出しております。ご興味のある方はそちらも是非手に取ってみてください。

今日の配本(22/08/26)

未来救済宣言
グローバル危機を越えて

イアン・ゴールディン 著/矢野修一 訳

マイケル・サンデルら激賞。新自由主義の40年から訣別し、不平等から気候変動まで〈新しい社会〉に赴くための世界的権威の処方箋。

今日の配本(22/08/25)

つながるベトナム語会話

田原洋樹 著

相手によって「私」の言い方も変化する。使い分けることで自然なベトナム語が身につく初めての会話集。ベトナム各地域の表現も収録。

フォレスト・ダーク

ニコール・クラウス 著/広瀬恭子 訳

現役時代は実利主義だった弁護士。カフカの遺稿と秘密の人生に遭遇する女性作家。砂漠で変容を遂げる大人の自分探し。柴田元幸氏推薦。

本を刊行するのも報道の一種なのかもしれない

数ヶ月前に、テレビでミャンマー情勢について伝えていました。世間では、ロシアによるウクライナ侵攻がトップニュースで連日取り上げられ、世界的にもこの武力侵攻に対する介入、制裁が発動されています。

その一方で、もう一年になる軍事クーデター以降のミャンマー情勢については、最近ではほとんど報道されません。最近になり日本人ジャーナリストが拘束されたというニュースが飛び込んできて、「ああ、そうだ、ミャンマーも情勢不安なんだ」と思い出した方も多いのではないでしょうか?

あたしが見たテレビ番組も「ウクライナにばかり世界の関心が注がれて、ミャンマーは忘れられている」という、現地で抵抗運動を行なっている人々の声を紹介していました。どうしても自分の身近の出来事でないと忘れがちになってしまうものです。昨今の旧統一教会と政治家の問題にしても、「最近は報道もされていなかったから」という政治家の「言い訳」がずいぶんと聞かれましたね。

そんな中、岩波新書から『ミャンマー現代史』が刊行されました。そういうテーマの本を刊行するというのは、テレビや新聞が報道するのと同じように大切なことだと思います。現在の書店店頭はウクライナやプーチン、ロシアに関する本が、それこそ雨後の筍のように並んでいます。よくもこの短期間にこれだけ出したものだと、つくづく感心します。

しかしその反面、ミャンマー情勢に関する本がこの間どれだけ刊行されていたでしょう? そんな中での岩波新書、さすがは岩波書店だと思います。

今日の配本(22/08/18)

ワン、ツー、スリー、フォー
ビートルズの時代

クレイグ・ブラウン 著/木下哲夫 訳

時系列を大胆に再構成し、多種多様なエピソードをモザイク状に配置しながら、4人の生きた時代、ビートルズと関わった人々の人生を万華鏡のように映し出す。英国の著名なジャーナリスト、諷刺作家による悲喜こもごものポートレート。