生誕390年です

来月11月24日は哲学者スピノザの生誕390年にあたります。スピノザって、現在の哲学史ではどれくらいの重要人物として扱われているのでしょうか? 高校の倫理社会では必ず取り上げられる名前でしょうか?

そのあたりのことはわかりませんが、新書の世界では写真のとおり、これだけの書籍が刊行されています。最新のは岩波新書『スピノザ』です。講談社現代新書にも同じタイトルの『スピノザ』がありますね。

講談社現代新書は、同書以外にも『はじめてのスピノザ』『スピノザの世界』と三点もスピノザ本を出しています。編集部内によほどスピノザ好きの方がいらっしゃるのではないでしょうか? そして、あたしの勤務先からは文庫クセジュで『スピノザ入門』が刊行されています。

これだけ刊行されているにもかかわらず、中公新書からは出ていないのというのがちょっと不思議です。また、写真以外にも平凡社ライブラリーからも『スピノザ』という一冊が出ています。その他、著作の翻訳も加えたら、十二分にフェアの書目が揃いそうです。

今日の配本(22/10/24)

日本の「第九」
合唱が社会を変える

矢羽々崇 著

ベートーヴェンが1824年に完成させた『交響曲第九番』は世界中で演奏され、日本では毎年5万人以上が歌っている。これまであまり知られてこなかった松本や岡山などの『第九』上演関係者の言葉に触れながら、新しいものをみずから生み出そうという希望と熱気に満ちた若々しい日本の姿を描き出す。

サイノフォン1
華語文学の新しい風

王徳威、高嘉謙、黄英哲、張錦忠、及川茜、濱田麻矢 編

近年注目を集めている華語文学の新たな流れを紹介するシリーズ〈サイノフォン〉。第一巻は、その豊かな広がりを紹介するアンソロジー。香港の高層ビルからチベットの聖なる湖まで、シカゴのバーからマレーシアの原生林まで。小説、旅行記、詩、SFなど、多様な領域から世界を切り取る17篇。

この違いは何なのでしょうか?

少し前にこのダイアリーで、ネットの回線速度について書きました。その時は、自宅と勤務先のPCの回線速度の差があまりにも違いすぎて、勤務先での作業はストレスがたまる、効率が悪いという、ちょっと愚痴っぽいことを書いてしまいました。

また同じこと書くのかと思われるかもしれませんが、今回は自宅の回線速度についてのみです。このような回線速度を計測できるサイトはいくつもありますので、そのいくつかで計測してみたのが下の図版です。

  

左から「インターネット回線スピードテスト」「インターネット回線の速度テスト」「ブロードバンドスピードテスト」というサイトで計測したものです。

数字にずいぶんと開きがあります。ほぼ同じ時刻に、同じブラウザで計測したものですが、どうしてこんなにも違うのでしょう? 単位は三つとも同じだと思うので、単純に計測サイトとあたしのPCとの間の回線の問題なのでしょうか?

こういうところ、まだまだネットには素人のあたしには謎でしかありません。まあ、わが家の環境は比較的速いんだと思っておけばよいのでしょう。

たぶん本人は何も意識していなかったと思うのですが……

先日の「乃木坂工事中」で、乃木坂46の五期生がヒット祈願として富士山登頂に挑みました。五期生は全部で11名なのですが、メンバーの一人、岡本姫奈が、たぶんコロナ陽性になってしまったタイミングだと思うのですが、参加できず10名での登頂チャレンジとなりました。

結論から言いますと、見事に五期生10名全員での登頂に成功、さらには剣が峰にまで行くというおまけ付きでした。過去に一期生、四期生が挑んでいますが、必ず脱落者が出てしまっていましたが、五期生はよく頑張りましたね。「乃木坂工事中」は30分番組で、過去の富士登山は前後編二回で放送されていたと記憶していますが、今回はなんと一回で終わり。そのぶんダレることなく見られたとも言えます。登山って、途中はみんな無口になってしまうので、思ったほど撮れ高がないものだと思います。

ところが、今回の富士登山はYouTube「乃木坂配信中」で完全版として、地上波放送に倍するVTRが公開されました。最初からネット公開のつもりだったのか、本当は二回に分けて放送するはずが、他の企画との関係で一回にされてしまったのか、そのあたりの事情はわかりませんが、ファンとしては嬉しい限りです。

内容についてはともかく、あたしはこの「完全版」の方を見ていて、ふと思ったことがありました。それは井上和の発言です。ちなみに「井上和」は「いのうえ・なぎ」と読みます。現時点では五期生のエース格メンバーです。

気になった発言というのは、一期生和田まあやの卒業を受けて、自分がもし「和田」という姓だったら「和田和」になってしまうと思ったと言うのです。上から読んでも下から読んでも「和田和」になると盛り上がりつつ、「わだなぎ」だったら下から読んだら「ぎなだわ」だよと突っ込むメンバーもいて、井上和が「漢字で書いたらだよ」と返していました。

これだけならたわいもないメンバー内のやりとりなのですが、このやりとりの中で井上和が「もしわたしが和田という姓の人と結婚したら和田和になるんだ」と言ったのです。この発言も五期生メンバー内ではそれほど突っ込まれることもなく「あっ、そうだね」という空気でした。

でもあたしは思ったのです。いまどきの若い子でも、特に女の子が結婚したら自分の姓が変わる、旦那さんの姓に変わるというのをふつうだと思っていることです。冗談っぽくならありますが、男子であれば姓が変わるという発想はほぼ出て来ないものです。女子特有の感覚なのかなと思います。そしてそれは、結婚したら女性は男性の姓に変えるものだという日本社会の暗黙の了解が強く深く根を張っていることを表わしているのではないか、と思ったのです。

今の時代、夫婦別姓が議論されるようなご時世であり、働く女性が結婚して姓が変わるのは何かと不便だと言われている時代に、こんな若い子が特に疑問を持つでもなく、結婚したら姓が変わると思っていることが、ある意味新鮮でした。

いや、たぶん本人はそんなに難しいことを考えていたわけではないと思いますし、こういう社会の傾向を話したらまた別の反応を示すのかもしれませんが、何も意識していない発言だからこそ日本女性に深く浸透してしまっている宿痾のようなものをあたしは感じました。

藩なのか、天領なのか?

平日の晩はBS-TBSの水戸黄門の再放送を見ていることが多いです。確かにかつて見た番組ではありますが、いまもって新鮮に見ることができます。

そんな水戸黄門を見ていて思うのは、今日の滞在地は藩なのか、そうではないのか、ということです。時々ご老公が「某々殿はご健勝であろうか」といったセリフをつぶやいたり、悪家老が登場したりするような回ですと、「ああ、今回の場所は藩なのか」とわかります。

そして、自分の日本史の知識を総動員して、ということは何家の領地だろうか、と考えたりするのです。もちろん鹿児島は薩摩藩島津家、金沢は前田家、仙台は伊達家というようにすぐにわかる場所もありますが、なかなか思い出せない藩や領主も多いです。

こういうのを簡単に調べられるコンパクトな辞典(事典)ってないものでしょうか? もちろん江戸時代も時代によって、改易や転封がありますからずーっと同じ領主ではない土地もあるのはわかっています。でも、たとえば水戸光圀の時代なら、という条件付きでもよいので、テレビを見ながらパッと調べられるハンディーな本があると便利だなあと、テレビを見ながら思います。

もちろん、ご老公が滞在するのは藩とは限らず、幕府の直轄地・天領である場合もありますから、どこに天領があるのかわかると、さらに嬉しいのですが。

アニメやコミックと人文書

前のダイアリーでは高知市街にある金高堂本店で開催中の人文書フェアから、お店の方が飾ってくれたポップをご紹介しました。

今回は、市街から少し離れたところに位置する、金高堂朝倉ブックセンターでの人文書フェアの模様をご紹介します。

最初の写真は、今回のフェアの目玉企画の一つです。何をやっているのかと言いますと、コミックやアニメとそれに関連する人文書を一緒に展開しているのです。

アニメやコミック発で専門書が売れるというのは、今に始まったことではなく、もう20年以上の歴史があると思います。ただ、アニメ放映に合わせてとか、コミックの新刊発売に合わせてといった一つの作品に特化したフェアは多くの書店でやっていますが、今回のようにいくつかのアニメ、コミック作品を取り上げてフェアをやるところは、まだそれほど多くはなかったと思います。

そしてこのフェア、しっかりお客様の反応が出ているそうです。手応えが感じられると嬉しいものですし、こちらとしても「こんなコミックが出ているんだ!」と気づかされることが多いです。非常に勉強になります。

そして二枚目の写真は、そんな朝倉ブックセンターで開催されている人文書フェアの別の一角です。人文会会員社の紹介ポップと共に、それぞれの社の主立った作品が並んでいます。

仕事もしていたのです!

先週の中四国研修旅行は、どうも食べ物の話ばかりになってしまい、「本当に仕事だったの?」と言う疑念を持たれた方も多いのではないでしょうか? そこで、ちょっと仕事っぽい話を……

今回訪れた高知の金高堂では、ここ数年恒例となっている人文会のフェアが開催中でした。それを見に行くというのが中四国班の大事なミッションでもありました。

高知市街にある金高堂と、郊外に位置する金高堂の朝倉ブックセンター、この両店でフェアは11月まで開催中です。そこでまずは金高堂のフェアの様子を撮った写真から二枚、ご紹介します。どちらも、あたしの勤務先の書籍のポップです。お店の方の手作りです。ありがたいことです。

最初の一枚は『日本でわたしも考えた』に付けられたものです。カバーの色をポップの文字にも活かした、素敵な出来映えです。

同書は、インド人ジャーナリストによる日本人論、日本論といった作品で、さすがジャーナリスト、文章も非常に読みやすいものになっています。

次の一枚は『ヴェルサイユ宮殿に暮らす』に付けられたポップです。「優雅で悲惨な宮廷生活」というサブタイトルが気になって仕方なかったようですね。

確かに、ヴェルサイユ宮殿と聞けば「ベルばら」の華麗な宮廷生活を思い浮かべる人が多いでしょう。その一方、ベルサイユ宮殿にはトイレがなかった、なんて話も聞いたことがあります。いずれにせよ、権謀術数渦巻く宮廷ですから、気苦労の絶えない場だったのではないでしょうか。

今日の配本(22/10/20)

イマジネール

ジャン=ジャック・ヴュナンビュルジェ 著/川那部和恵 訳

イマジネールとは何か。その全容を、歴史や文化や社会の中に、そして哲学や精神分析などの先行研究の中に、通時的かつ共時的に探る。

まいにちふれるフランス語手帳 2023

トリコロル・パリ 監修/ふらんす編集部 編

まいにちフランスを感じることのできる手帳。月ごとにフランスにまつわるエッセイを掲載。単語集付きなのでフランス語学習にも最適。