今日の配本(25/01/31)

ドイツ=ロシアの世紀 1900-2022(下)

シュテファン・クロイツベルガー 著/伊豆田俊輔 訳

本書は二十~二十一世紀の世界史を、百年以上にわたる独露(ソ連)の関係を中心に論じた歴史書。一般的に二十世紀は「アメリカの世紀」として評価される。しかし、二十世紀の国際政治は独露(ソ連)の関係からも大きな影響を受けてきた。本書は、二十世紀を規定した革命や戦争やテロル、独裁と民主主義の経験、社会変動や国際協調の進展(ないしその失敗)を、独露(ソ連)を舞台に論じ、二十世紀を「ドイツ=ロシアの世紀」として描き出す。

陽だまりの昭和

川本三郎 著

時代の変遷とともに人々の生活習慣や価値観も移り変わり、昭和の風物詩が消え去りつつある今、「昭和」といえば、戦争や不況、思想弾圧など昭和史の暗い面に焦点をあてて語られがちである。だが、そんな時代にも市井の人々の暮しには穏やかな時間が流れていた。本書では、「失われた昭和」の温もりを、映画や文学、流行歌や絵画などに「描かれた昭和」から多面的に浮かび上がらせる、著者ならではのエッセイ集。

何点か選んでいただきました!

書店店頭で行なわれているフェアのほとんどは出版社が企画したものだと思います。一社のフェアもあれば、複数の出版社合同のフェアもありますが、出版社主導のフェアがほとんどのような思います。

書店が独自に企画したフェアだってあるでしょ、という声も聞こえてきますが、もちろん書店員発のフェアもたくさんあります。そういうフェアを発見するととても愉しくなりますし、こちらも勉強になります。

出版社企画のフェアが多いのは、単純に自主フェアを企画(準備)する時間が書店員に不足しているためだと思います。フェアのアイデアを出すまではできても、本を選んで発注する時間が取れない、という声をよく聞きます。

そんな忙しい書店員さん企画のフェアだからこそ熱量も高くて、こちらにも伝わってくるものがあるのでしょう。そんなフェアの一つが写真のフェアです。海外文学フェアです。あたしの勤務先の刊行物も散見されます。嬉しいです。

海外文学はなかなか売れないと言われるジャンルの一つ(筆頭?)ですが、だからこそ海外文学を頑張っている書店を見つけると嬉しくなります。ちなみに、このフェアは三省堂書店成城店です。

知らないことだらけ!

イスラエルとパレスチナの停戦がようやく実現しましたが、この和平がどれくらい続くのでしょうか。ハマスのテロ行為は非難されるべきでしょうが、その後のイスラエルのガザ侵攻は過剰正当防衛と言われても仕方のないことではないかと思います。

とはいえ、この数年のことだけを見ていたのでは、中東問題と言いますか、イスラエルと中東諸国との紛争の理解は深まらないでしょう。日本人には遠い国の出来事として馴染みが薄いですが、少しでも理解したいと思って、タイミングよく刊行されたこんな本を読み始めました。

本書冒頭にも書いてあるとおり、確かにユダヤ人に対する日本人の理解は非常に単純化されている気がしますし、果たしてその理解は正しいのか、という疑問はあります。そして、古代パレスチナから追われたユダヤ人が第二次大戦でホロコーストに遭うまでどんな歴史をたどってきたのか、非常に興味があります。

それにしても、こういう手頃なユダヤ人に関する本、あったようでなかったような、そんな気がしますし、中東問題が起きてから現在までに各社の新書でもっと刊行されていてもおかしくはないのに、とも思います。中東問題、パレスチナ問題に関する本は出ていると思いますが、ユダヤ人にスポットを当てたものはなかったのではないでしょうか。

卒業写真に写ってる?

日向坂46のニューシングル「卒業写真だけが知ってる」が発売になりました。例によって公式発売日の前日に届きました。ブルーレイが付属するType-AからType-DとCDのみの通常盤、全五種類を一枚ずつ購入しました。

Type-AからType-Dの四つには生写真が同封されていまして、今回も四枚を落手しました。そのうちの二枚がこちらです。

あたしのイチ推し、みーぱん(佐々木美玲)と今回のセンター、こさかな(小坂菜緒)です。みーぱんは今回のシングルをもって卒業を発表していますので、これが最後の生写真ですね。落手できてよかったです。非常に嬉しいです。

なお残りの二枚は四期生の石塚瑶季と藤嶌果歩の二人でした。今回はなかなかよい「引き」だと思います。もっと熱心なファンはCDも何枚も購入するのでしょうね。そうすると生写真もいろいろな種類が手に入ると思いますが、同じ写真が出てくることもあるでしょう。

ところで「卒業写真だけが知ってる」って何を知っているのでしょうか。あたしなんかは、高校の卒業写真には一人一人の写真以外は確か一枚も写っていなかったはずです。修学旅行か何かの集合写真に写っていたかどうか、いずれにしてもその程度しか写っていないので、卒業写真そして卒業アルバムには何の思い入れもありませんが……

他の土地にもあるのかしら?

サブレというお菓子、ウィキペディアを見ると「サブレー」とありますので、フランス語では「サブレ」よりも「サブレー」と言う発音になるのでしょう。でもお菓子の名前では伸ばさない「サブレ」が一般的だと思います。伸ばすとちょっと美味しくなさそうに感じるからでしょうか。

「サブレ」でも「サブレー」でも構いませんが、日本でも既に市民権を得ていると思います。そして関東在住の人であれば「サブレ」と聞けば「鳩サブレー」を思い出すのではないでしょうか。ちなみに、鳩サブレーはサブレではなく、サブレーですね。

神奈川県下に売店もたくさんある豊島屋の鳩サブレーは、鶴岡八幡宮の「八」がハトが向き合った図案であることからも知られるように鎌倉の代表的なお土産です。

そして鎌倉が鳩なら、奈良は鹿だろうということなのでしょう、見つけたのが「鹿サブレ」です。こちらは伸ばさない「サブレ」です。職場へのお土産にちょうどよいと思って買ってみました。

パッケージを開けると、個包装のサブレが十数個並んでいます。サブレですから、どんなお菓子なのかは予想がつきます。形状も鳩の形なのでしょう。

そして包装を明けると三枚目の写真のようなサブレが出て来ました。あたしが予想していた鹿の姿形とはちょっと異なりましたが、包装の鹿の形にはとても似ています。よく出来ていると思います。

ところで、鳩と鹿のサブレを見つけ、買って食べてみましたが、日本全国には他にも動物サブレーがあるのでしょうか。どれくらいあるのかわかりませんが、できるだけ探し出して、買って食べてみたいと思います。

動物の形をモチーフにしたクッキーやビスケットは数を多くあると思いますが、品名が「○○サブレ」「○○サブレー」となっているもの限定で、これから探してみたいと思います。

今日の配本(25/01/27)

未来学
人類三千年の〈夢〉の歴史

ジェニファー・M・ギドリー 著/南龍太 訳

未来論が流行している。背景には、危機と不確実性がある。一九七〇年代に流行した折には、資源危機と南北対立を受けていた。本書は、著者が二十五年にわたって「未来学」で発見した、さまざまな側面に光を当てる。とりわけ、科学的な予測と根拠のない憶測の間に横たわる、未来をめぐって生じる葛藤に、フランクフルト学派の批判理論の観点から光を当てる。

奈良漬けではなく奈良酒

旅行記はひととおり書き終わりましたので、自宅用に買ってきた、奈良のグルメをご紹介します。とはいえ、しばしばよく聞きますが、奈良のグルメって何でしょう。柿の葉すし以外にパッと挙がる奈良のグルメってありますかね。

確かに、京料理といった具合に奈良料理と呼ばれるものって思い出せません。奈良漬けがあるくらいでしょうか。京都より古い古都なのに、たとえば和菓子で有名というわけでもありません。平城京時代が短すぎたのでしょうか。

とはいえ、柿の葉すしはそれほど日持ちするものではありませんが、買って帰ろうと思いました。木曜日の昼食に食べた柿の葉すしは「柿の葉ずし総本家平宗」でしたが、近鉄奈良駅の近くにある「柿の葉すし本舗たなか」というお店で購入しました。昭和天皇へ献上した柿の葉すしで知られたお店のようです。

今回買ってみたのは、レギュラーメニュー(?)のさば、さけ、たいが二個ずつと、季節の具材を使った寿司が一つ入った七個入りタイプです。他の季節だと何が入るのかわかりませんが、今回春のネタは鰆でした。

函を開けると見慣れた柿の葉すしが現われます。もちろんこのまま食べてればよいのですが、ちょっと炙って食べても美味しいとのことです。でも、そんなことは忘れていて、そのままパクついてしまいました。いつかリベンジしたいものです。

柿の葉すしはお土産で買った「たなか」は柿の葉すしという屋号ですが、「平宗」は柿の葉ずしという屋号です。「すし」なのか「ずし」なのか、拘っているように感じられます。

柿の葉すしはこれくらいにして、JR奈良駅ビル内にあったお土産屋で奈良の地酒を買いました。たくさん並んでいたので迷いに迷いましたが、逡巡の挙げ句選んだのは写真の二本です。

一本目は「長龍 純米酒」です。その名のとおり、長龍酒造のお酒です。吟醸などいくつか種類を出しているようですが、ラベルがきれいなこれを選びました。

そしてもう一本は河合酒造の「出世男 上品寺屋」です。出世男というのがここの主たる日本酒銘柄のようで、こちらもいろいろ種類がありますが、これもラベルの印象でこちらを選びました。

「上品寺屋」は「じょうぼんじや」と読むようです。この酒蔵の屋号が上品寺屋と言うそうです。こちらは純米吟醸です。これもラベルがちょっと面白いなあという直感、一目惚れ的な選択です。

この二本でしばらくは自宅晩酌が楽しめそうです。あたしが日本酒を選ぶときは冷酒専門で、辛口のものを選ぶ傾向があります。今回の二本は醸造元も異なるので、違った味わいを楽しめそうです。それにしても、酒の種類は豊富にありそうなので、もっと料理が有名になれば、奈良への観光客も増えるのではないかと思います。

奈良グルメ?

名勝旧跡を訪ねたり、日常では得られない体験をしたり、愉しみはいろいろとありますが、旅の醍醐味はやはり食事ではないでしょうか。そんなわけで、木金で行ってきた奈良のグルメを少々ご紹介します。

木曜日は朝早くに自宅を出て、新幹線で京都へ行き、すぐに奈良線で奈良へ向かいました。ホテルに荷物を預けた時点でまだ11時ごろでしたので、そろそろお昼を考えないといけない時刻でした。

しかし、その日はそのまま法隆寺へ向かい、法隆寺門前の「平宗法隆寺店」で柿の葉寿司をいただきました。先のダイアリーにも書きましたが、世界遺産の法隆寺ですからお昼の時間に混んでいて入店できないのだけは避けたいと思って席だけ予約しておきました。

しかし、ダイアリーに書いたように法隆寺は閑散としていたので、こちらのお店もあたしたちが到着したときに先客はいませんでした。食事をしている間にもお持ち帰りのお客さんが一組来たくらいでしたが、席の用意をしていましたので、その後何組かの予約が入っていたのでしょう。

木曜日の晩は、あまりホテルから遠いところは行くのも面倒なので近場でよさそうなお店を探しました。ほとんど土地勘がないのでネットの情報が頼りですが、こんなお店に食べに行きました。

駅前のダイワロイネットホテル奈良の一階に入っている「あす香」です。あらかじめコースを予約しておいて、席に着いたら飲み物だけを選びました。

それが三つのおちょこが並んでいる写真です。日本酒飲み比べ三種セットというのがあったので、それを頼んでみました。どれも飲みやすくおいしい日本酒でした。

そしてコース料理の前菜が次の写真です。焼き魚や佃煮、など、小腹を軽く満たすにはちょうどよい量で、お味もよかったです。

その次に出て来たのがお造りです。美味しいお刺身でした。こういうコース料理では物足りないくらいの量しか出て来ませんが、コースはまだまだ続くので、このくらいがよいのでしょう。ただ、これだけ美味しい刺身ですと、白いご飯とお味噌汁が欲しくなりました。

続いてはメインの鍋料理。母には飛鳥鶏の鍋、あたしは大和牛のしゃぶしゃぶ鍋を選んで予約をしていました。写真は牛肉を投入する前、火をつけた直後の鍋の状態です。

これも単品と考えたら量は少なめですが、既に前菜やお造りを食べた後ですので、ちょうどよい量でした。

そして大和牛の投入です。大和牛という和牛、あたしは不勉強で知らなかったのですが、とても美味しかったです。久々に口に入れた瞬間に「美味しい!」と思いました。東京では大和牛など見たことがないので、また食べるには奈良へ来ないとならないのでしょうか。

そんな風に食事が進んで行きましたが、最初に頼んだ飲み比べ三種は、あれっぽっちの量ですから既に飲みきっていました。そこで飲み比べ三種以外の日本酒を単品で注文しました。

頼んだのは貴仙寿というお酒です。さっぱりとして飲みやすいお酒でした。食事をした「あす香」は奈良の地酒がいろいろと取り揃えられていました。一緒にいたのが母でなければもっと何種類も飲んだのではないかと思いますが、この日はここまでにしておきました。

メインの料理が終わり、ご飯と味噌汁、お漬物に天麩羅が出て、〆となります。このご飯も古代米のような感じで面白かったです。天麩羅も揚げ立ててとても美味しく、あえて不満を言うなら、お味噌汁の量が少なかったくらいでしょうか。

そして食事が終わったらデザートです。抹茶かと思いきやメロン味のシャーベット、それにイチゴとオレンジです。アツアツのほうじ茶をじっくりと味わって、ごちそうさまです。

奈良らしい料理なのかどうかは、なんとも言えませんが、飛鳥鶏や大和牛がメインですから、奈良料理と呼んでもよいのでしょう。

金曜日の朝はホテルのバイキングですので割愛。春日大社、東大寺、興福寺を回った後の昼食は近鉄奈良駅に近い商店街の中の喫茶店「珈琲一族」に入りました。前から知っていたわけではなく、たまたま通りかかって「ここでいいか!」と思っただけです。いわゆる喫茶店のランチメニューが豊富で、ボリューミーなランチが多かったです。母はからあげ定食。あたしはチキンカツ定食をいただきました。

とんかつを出すお店は多いですが、チキンカツを出すところは意外と少ないので、あたしは嬉しく、美味しくいただきました。からあげも好きなのですが、からあげは外で食べると生姜が効いているところが多いので、生姜が苦手なあたしは当然パスです。

さて、お昼ご飯を済ませ、近鉄奈良駅まで歩く途中、大勢の人が並んでいる一角がありました。食べ物屋であることはわかりましたが、有名店なのでしょうか、店の前には「巾着きつね」と書いてありました。

帰京後に調べてみると「麺闘庵」というお店のようです。うどんのお店のようですが、そんなに人気店なのでしょうか。あたしはまるで知りませんでした。もちろん知っていたとしても、あんなに並んでいたのでは入る気は起こりませんが……

さて、近鉄奈良駅からちょうどよい時間のバスがないのでホテルまで、つまりJR奈良駅までタクシーで戻り、駅ビルの土産物屋でお土産を購入し、ホテルへ戻って預けておいたスーツケースを受け取り出発です。

京都へ早めに着いて、京都では途中下車ができる切符なので、京漬物を買いに行きました。村上重は東京のデパートでしばしば購入していますが、もう一つの老舗、千本今出川の「金為」へ母を連れて行きました。

漬物好きな母は喜んで漬物を選んでいました。さて、お口に合いますか。金為での買い物が終わっても時間はまだあるので、ここから四条河原町の村上重へバスで向かいました。河原町通を三条から南下してバスから下車すると、ちょっと歩いたところに永楽屋があり、そこの喫茶室でしばし一休み。

母は餅ぜんざい、あたしは抹茶パフェをいただきました。今日は朝からずいぶんと歩いたので、母もだいぶくたびれている様子だったので、少し一服しないとつらかろうという配慮です。もちろん、あたしもちょっと甘いものを欲していたからでもあります。

あああ永楽屋で一服した後は、四条河原町の丸井の裏にある村上重へ向かい、千枚漬けを買いました。そろそろ新幹線の時間も迫ってきましたので、四条河原町からバスで京都駅へ向かいました。

時間的に夕食には早い新幹線ですが、自宅に着いてしまうと今度は遅すぎます、お茶もしたばかりなので、そこまでお腹が空いていたわけではないので、京都駅でサンドイッチを買って新幹線に乗り込みました。

これで一泊二日、母を連れたなら旅行は無事に終わりました。母はちょっとくたびれたかと思いますが、十分愉しんでくれたようです。

腰を下ろせば鹿のフン

奈良旅行の二日目です。昨日は郊外を中心に観光したので、今日は市街の名所を回りました。奈良駅前からバスで春日大社まで向かい、参道を本殿に向かいました。

昨年の大河ドラマが藤原氏の全盛期を描いていたので、京都が舞台とはいえ、ここ春日大社も大勢の観光客であふれているかなと思ったのですが、朝イチだったので比較的空いていました。凛とした空気が心地よかったです。

そんな春日大社や奈良公園の朝は、観光客よりも鹿の方が多いくらいでした。気付くとあちこちに鹿がいます。こちらは鹿せんべいを持っていないし、特にカバンの中に食べ物も入っていなかったので、しかもそれを察知したのか、あまり近寄ってくることはありませんでした。
そして林の中だけでなく、参道や石畳、そこらじゅうに鹿のフンが落ちていました。きっと数え切れないほどのフンを踏んでいることでしょう。甥っ子がこれから高校受験なので、フンを踏むのも「運が付く」ということで縁起がよいのではないかと思います。

春日大社の本殿は周囲を見て回っただけですが、藤の花の季節にはもっときれいなんだろうなあと感じました。やはり藤原氏なので藤の花なのですね。

春日大社を出て来る頃には、参拝客も増えてきました。春節の休みだからでしょう、中国からの団体客が多いようです。大型観光バスが駐車場に次々に入ってきました。

そんな駐車場の脇を通って向かったのは二月堂です。若草山の麓というか中腹を、ずいぶんアップダウンしながら歩きました。ところどころで母の休憩タイムを挟みながらです。

時間はかかりましたが、なんとか辿り着いたのが法華堂、つまり三月堂です。そしてその先に二月堂がありました。高校の修学旅行では大仏殿は見ていますが、ここまでは来ていなかったので、あたしも初の訪問です。

ここはやはり大仏殿から離れているからなのか、それほど観光客も多くはありませんでした。お水取りで有名な二月堂も、あたしのイメージはもう少し大きなものを想像していたのですが、意外とこぢんまりとした御堂でした。

その二月堂、三月堂と向かい合うように四月堂がありました。二月と三月は知っていましたが、まさか四月もあるなんて、なんか洒落が効いていますね。まさか当時は十二か月が揃っていたなんてことはないですよね。

そして今回の奈良旅行のメイン、母が一度は見てみたいと言っていた大仏です。このあたりまで来ると、観光客も一気に増えます。京都の有名寺社と遜色ないほどの人数です。中国人が過半を占める感じですが、韓国人も見かけましたし、欧米の方をはじめ世界各国からの観光客で賑わっています。もちろん日本人もたくさんいました。

ようやく賑わっている観光地へ来たという感じを受けながら大仏殿に入りました。母は鎌倉と同じように露天に大仏さんが座っていると思っていたようで、「あの中に大仏さんがいるの?」と驚いていました。

大仏殿の中はもちろん混雑していました。写真を撮っても構わないので、多くの観光客が大仏を背景に記念写真を撮っていました。堂内が広いので、人の多さの割りに混み合っている感じはなかったです。

大仏を中心に大仏殿を一回りして、外へ出ると観光客はますます増えているようです。大仏殿前の中門の外はさらに大勢の観光客です。これぞ世界遺産の観光地という感じです。

大仏殿を出るとそのまま南下、南大門をくぐり抜けて春日大社の参道まで行き西へ向かいました。次に向かったのは興福寺です。

興福寺に近づくと大きなビル工事のような建築現場が目に入りました。興福寺の境内のはずなのに何だろうと思って向かうと、五重塔が修繕中だったのです。ここまできて五重塔を見ることができず、ちょっと残念でした。

五重塔の北にある東金堂を眺めつつ、中金堂を参拝。一巡りしたら北円堂を右手に眺めつつ南円堂へ。そのまま猿沢池の方へ下っていきました。

興福寺は近鉄奈良駅からも近く、東大寺と同じくらいの賑わいでした。ただ五重塔が修繕中で、中金堂は真新しくて興醒めな感じでした。せめて国宝の阿修羅像くらいは見てくればよかったのかも知れませんが、母もだいぶ疲れているようだったので、ちょっと早いですがお昼にしようということにして興福寺を後にしました。