本日、見本出しです。(7月17日配本予定)
今日の配本(24/07/09)
イーサン・フロム
イーディス・ウォートン 著/宮澤優樹 訳
マサチューセッツ州スタークフィールドで冬を過ごすことになった語り手の「私」は、足をひきずった寡黙な男をたびたび見かけていた。聞くに、イーサン・フロムなるこの土地の男で、かつてひどい「激突」を起こして以来、足が不自由になったのだという。思いがけず「私」はフロムに馬橇で駅まで毎日送迎してもらうことになるが、ある晩、ふたりは帰り道に吹雪に巻き込まれ、フロムは途上にある自宅に「私」を招き入れる。そこで「私」が目にしたものとは――。寒村の孤独、親の介護、挫かれた学業、妻の病……厳冬に生を閉ざされた主人公フロムを襲う苦難、そんな日々に射し込んだささやかな幸福、その果てに待ち受ける悲劇を精緻な技巧で描くアメリカ文学の古典。
新百合の発音
またまた岸本佐知子さんの『わからない』からです。
日記の中に「新百合」という言葉が頻出します。東京の小田急沿線にお住まいの方であれば、「ああ、新百合ヶ丘ね」とすぐに了解していただけると思いますが、そうでない方にとっては「新百合」って何、という感じだと思います。
もう一度書きますと、小田急線の駅で新百合ヶ丘という駅があり、快速急行も停まりますし、小田急の本線と多摩センター、唐木田へ向かう支線とが分岐する、比較的大きな駅です。そして、この駅名からも推察できるとおり、お隣、一つ新宿寄りには百合ヶ丘という駅があります。
あたしはそこまで詳しくないので、百合ヶ丘駅と新百合ヶ丘駅の歴史や沿革については知りません。ただ、岸本さんが著書で書いているように、小田急沿線に住んでいるほとんどの人は「新百合ヶ丘」なんて長ったらしい名前を呼ぶことはなく、「新百合」と呼んでいるようなのです。あたしは沿線住民ではないので、断定的なことは言えませんが。
ただ「新百合ヶ丘」を「新百合」と略すということは、「シンユリ」と「ガオカ」に分解しているわけですよね。でも、上に書いたように「百合ヶ丘」があっての「新百合ヶ丘」だと思うので、分けるとしたら「シン」「ユリガオカ」のはずです。
あたしは小田急沿線の営業担当になってから、このことに違和感と言いますか、ちょっと腑に落ちない物を感じていたのです。そして小田急線の車内や駅構内で放送に耳を澄ますと、「シン・ユリガオカ」というイントネーションで発音されていることがほとんどなのです。小田急線としてオフィシャルには「シンユリ・ガオカ」ではなく、あくまで「シン・ユリガオカ」というスタンスなのでしょう。
この車内放送を聞いたとき、あたしも納得がいった次第です。
翻訳小説食わず嫌いにとりあえずお勧めしたい何冊か
タイトルは、岸本佐知子さんの『わからない』の一章からいただきました。そこで岸本さんは次のように書いています。
ミステリがいいと言うので家にあったのを何冊か出したら、「ああ、海外ものはだめだめ」と言って顔の前で手を激しくぶんぶん振りました。「だって出てくるのガイジンばっかりでしょ? 名前が覚えられなくて」。え、マジで? たったそれっぽっちの理由で読まないんですか?(P.268)
名前が覚えられないからガイブンは読まない、という意見はよく耳にします。ガイブンを読まない人の理由の大部分はこれに尽きると言ってもよいくらいです。確かに、ロシアとか中東の作品ですと、どうしても馴染みのない名前が多くなりがちで、誰が誰だかわかりにくいところはあります。
でも大部分のガイブンは、岸本さんも書いているように、ありきたりな名前の登場人物が多いと思います。そんなに覚えられないものだろうか、と思います。
そこで一つ、翻訳者の方と出版社にお願いしたいのですが、もし原作者と原出版社の許可が下りるのであれば、作品の登場人物の名前をすべて日本人の名前にしてみるというのは如何でしょう。ただ、そうなると異国が舞台で、生活ぶりも何もかもが外国という設定なのに、出て来る人だけが日本人の名前、という作品が出来上がります。そこに違和感を感じるかもしれないですが、名前がガイジンの名前で覚えられないからガイブンを読まないというのであれば、名前を全部日本人の名前にしてしまえば問題は一気に解決するのではないかと思うのです。
この違和感も、少し前に刊行された森見登美彦さんの『シャーロック・ホームズの凱旋』が売れたわけですから、問題とするには足りないと思うのです。同作は京都を舞台にしているものの、登場人物はすべてガイジンです。外国が舞台で登場人物が日本人名という上述のガイブンとは逆ですが、違和感としては同じだと思うので、意外とヒットするのではないかと思うのですが。
なかなか美味しいですね
先日の中四国ツアー。徳島阿波おどり空港でお土産を探していたら、美味しそうな日本酒が並んでいたので、ついつい買ってしまいました。
まずは、こちらの3本。180mlという、あっという間に飲み終わってしまいそうな、可愛らしい瓶に入った飲み比べセットです。「ナルトタイ Onto the table」とあります。
あたし、不勉強で、こんな銘柄の日本酒があることを知りませんでした。180mlというのは、いわゆる一合ですね。一回の飲みきりにちょうどよい分量です。まずは純米吟醸をいただきましたが、フルーティーでとても飲みやすいお酒でした。
こちらはまだ飲んでいませんが、同じく空港の売店で買ったお酒、「眉山の夢」です。確か、以前に映画かドラマで「眉山」という作品があって、それが阿波を舞台にした物語だったので、「眉山」は徳島の銘酒なのだろうと思って購入した次第。
「限定品」という言葉に弱いのは日本人の性なのでしょうか、ついつい買ってしまったのですが、やはりこれから帰京するので、あまり荷物を重たくしたくはないなあ、それほど大きな瓶に入っているのはやめておこう、という計算もありました。
もちろん正直に言えば、徳島のお酒は飲んだことがないので、口に合わなかったら困るから、小さい瓶のものを選んでおこう、という考えもありました。自宅に戻って箱から取り出したら、こんな色のお酒だったのでちょっと驚きました。
2024年6月のご案内
少々遅れてしまいましたが、2024年6月に送信した注文書をご案内いたします。
まずは毎月恒例の「今月のおすすめ本」です。そして春先に放送されて大反響だったNHKの「完全なる問題作」が再放送されて、また売上が伸びた「キャッチャー・イン・ザ・ライ」「ライ麦畑でつかまえて」のご案内です。そして刊行以来売れ続けている「わからない」「別れを告げない」がそれぞれ3刷、5刷となったので、そのご案内です。
後半は「今月のおすすめ本[語学書]」の他、カフカのアニバーサリーで復刊した「実存と人生」が期待どおり重版になりました。そしてこの夏、オリンピックが開かれるパリは「パリ解放」から80年なので、関連書籍のご案内です。
近刊情報(24/07/05)
今日の配本(24/07/05)
中級スペイン語 読みとく文法[新装版]
西村君代 著
疑問がどんどん整理されていく、先生が丁寧に教えてくれるような「読む文法書」。正しいだけでなく自然なスペイン語を目指します。
マヤ文字を書いてみよう読んでみよう[新装版]
八杉佳穂 著
絵のように美しい形をもち、独自の暦や神、王の名を記すのに使われたマヤ文字。いまだ解読途中の神秘的な文字に触れてみませんか。
近刊情報(24/07/04)
原因究明
昨日の朝日新聞夕刊です。新紙幣発行にちなんだ話題です。
最後がとても気になります。「津田梅子の墓に詣でると結婚できない」なんて風説、知りませんでした。昔から言われていることなのでしょうか? そして、これは男女に関わらず有効なのでしょうか?
お墓ではありませんが、津田塾大学に通っている学生(女子大なので女性ですよね?)は大丈夫なのでしょうか? さすがに「津田塾大学の学生は結婚できない」という噂は聞きませんが……(汗)
しかし、あたしも以前は津田塾大学へ営業で何度もお邪魔したことがありますので、あたしが結婚できない(年齢を考えると「結婚できなかった」と言い切ってもよいでしょう)理由は、津田梅子の墓ならぬ、津田梅子が作った大学へ何度も行ったからなのではないか、という気がしなくもないです。






