北京欢迎你

本日の朝日新聞夕刊です。藤田貴大さんが登場です。

藤田さんと言えば、『かえりの合図、まってた食卓、そこ、きっと、しおふる世界。』です。2012年の4月に刊行された第56回岸田國士戯曲賞受賞作品です。

ちょうど10年前のことなのですね。朝日新聞の演劇記事には、本当に大勢の岸田賞を受賞した方が登場します。やはり若手劇作家の登竜門なのでしょう。

ところで、テレビや新聞を見ると、北京冬季五輪のムードが高まってきています。夏冬の二大会を開催した唯一の都市が北京なんですね。

ただ、前回の時にも反対の声が世界中で沸き起こり、聖火リレーも大問題になっていましたね。

とはいえ、それでも今回ほどには反対の声は大きくなかったと思います。結局、前回の大会から中国という国は何も変わっていない、否、むしろ悪くなっているのではないかとさえ思えてきます。いったいどうしたらよいのでしょう?

ちなみに、上の写真は2008年の北京五輪の前に北京へ行ったときに買った、当時のマスコットです。公式ショップで買ったはずです。どれがどれだか忘れましたが、この5体(5人?)はそれぞれ、ベイベイ、ジンジン、ホワンホワン、インイン、ニイニイという名前で、中国語で書くと「北京欢迎你」となるのです。

観てから読むか、読んでから観るか?

BSプレミアムで本日午後、映画「トロイ」が放送されます。ブラッド・ピット主演の歴史超大作です。

昼下がりの映画ですが、たぶん先月、シュリーマンの生誕200年だったということが放映の理由としてあるのではないでしょうか? なにせトロイと言えばシュリーマンですから。

本来なら、生誕200年の当日に放送したかったのかも知れませんが、なにせシュリーマンの誕生日は1月6日、正月の特番などが目白押しの時期でしょうから、この映画を差し込むことが難しかったのではないかと勝手に想像しています(笑)。

そのシュリーマンの評伝、この機会にあたしの勤務先から復刊されました。それが、そのものズバリ『シュリーマン トロイア発掘者の生涯』です。既に書店店頭に並んでいますので、ご興味のある方はお近くの本屋さんで手に取ってご覧ください。

そしてトロイア戦争に知りたいのであれば、『トロイア戦争 歴史・文学・考古学』です。考古学、歴史学の最新成果を取り込んだ一冊になっています。

映画を観て、トロイア戦争の時代に興味を持たれた方は、是非こちらの書籍も手に取っていただけると嬉しいです。できれば買っていただけるともっと嬉しいですが、図書館で借りるのでも構いません。図書館になければ購入リクエストを出してくだされば、と思います。

テレビ放送を観てから本を読むか、本を読んでから映画を観るか、どちらでもお好きな方をお楽しみください。

必要とされているのかしら?

朝日新聞の夕刊にこんな記事が載っていました。

「紙の書籍 販売額15年ぶり増」だそうです。

嬉しいニュースです。

コロナ禍で本を買う人が増えているという話は2020年にも聞かれましたが、ここへ来て本の値段が上がっていることも販売額を押し上げた一因のようです。とすると、本の晩売冊数は減っているのでしょうか?

それはともかく、このコロナ禍で出版社の営業も書店訪問を自粛している期間がありました。2020年などは数ヶ月にわたって書店を訪問できないこともありましたので、あたしたちは開店休業状態でした。同業他社の営業マンと話をしても「とっか書店へ行ってみた?」というのがあいさつ言葉になっていたくらいです。

その一方、実は書籍の売り上げ、特に専門書に関してはほとんど落ちていない、という話もしばしば聞かれたものです。もともとが小さな数字なので、上がりも下がりもしないし、少しくらい上がったり下がったりしても目立たないのかもしれません。

しかし、そういう数字が明るみに出したのは「では、出版社の営業っていままで何をしていたのか?」ということです。書店に営業に行かなくても売り上げが落ちないのであれば、交通費を使って書店に出向く必要はありません。

しかし、本当にそれでよいのでしょうか? 行かないでもできる営業が今後の主流になるのでしょうか?

もう少し在庫を充実させて欲しいと思うのですが

少し前に、ネットの買い物はヨドバシカメラを使うことが多いと書きました。十数年前(?)から書籍も販売するようになり、あたしとしてはますます便利に使っております。

なにせ定価販売が基本の書籍は値引き販売ができませんので、あとはポイント還元というサービスを競うしかありません。もちろん配送料も肝心です。その点、ヨドバシカメラの通販は、ポイントカード会員であれば10%のポイントが還元されますし送料も無料なので、他の通販サイトよりはるかにお得なのです。

しかし、惜しむらくは在庫がやや貧弱なのです。アマゾンや楽天ブックスに比べると、新刊の発注数がそもそも少ないのか、なかなか販売可能状態にならないものが多いです。コミックやラノベのようなものは他と比べてどうなのかわかりませんが、あたしが読みたい、買いたいと思っている海外文学とか教養系新書についてはもう少し頑張ってほしいものです。

専門書に関しては、アマゾンもろくに在庫していないので、これに関しては痛み分けだと思いますが、一般書に関してはもうひと頑張り、奮起を期待します。

というわけで、掲げた図版はヨドバシの通販サイトで作品社の《台湾文学ブックカフェ》を検索したところです。全三巻のシリーズで、昨年刊行された第一巻は在庫がありますが、既に刊行されている第二巻はいまだに取り扱いができていません。ひと月後に刊行予定という第三巻も予約が取れる状態になっていません。これでは顧客は逃げてしまいますよね……

2022年1月のご案内

2022年1月に送信した注文書をご案内いたします。

  

まずは毎月恒例「今月のおすすめ本」です。続いては新聞の国際面でもしばしば取り上げられているカザフスタン情勢に関する必読図書とも言える『〈賄賂〉のある暮らし :市場経済化後のカザフスタン』です。日本では他に類書はないでしょう。次にご案内するのはロングセラーとなっている『福祉国家 救貧法の時代からポスト工業社会へ』です。このところ民主主義の危機が叫ばれていますが、そういった本を読んでいるとしばしばこの「福祉国家」という言葉が出て来ます。現代社会を読み解くキーワードの一つです。

  

続いては、世界史の書籍二点がどちらも版を重ねたのでご案内しました。『ナチ・ドイツの終焉 1944-45』と『ヒュパティア 後期ローマ帝国の女性知識人』です。次は年末に刊行した新刊『ノブレス・オブリージュ イギリスの上流階級』が早々に重版となりましたのでご案内です。そしてこちらもロングセラー、『スターリン 独裁者の新たなる伝記』も改めて店頭の在庫を確認していただきたい一冊です。

最後は『中国ファクターの政治社会学 台湾への影響力の浸透』です。「中国ファクター」という言葉が朝日新聞にデカデカと載りましたので、中国問題を考える上で外せない一冊としてご案内しました。

先生と呼ばれる人たち

出版社のミネルヴァ書房から、こんなDMが届きました。

中味は、同社が刊行している中国思想、中国文学、中国史に関する書籍の案内です。学会名簿を見て送ってきたものと思われ、過去にも何回か届いたことがあります。

こういうDM、あたしの勤務先でもそうですが、教員に対しては敬称を「様」ではなく「先生」にしています。このDMも、あたし如きに一介のサラリーマンに対して「先生」と書かれていますので、ちょっとこそばゆいです(笑)。

こういう習慣、あたしは実は社会人になってから知ったのですが、これって当たり前のことなのでしょうか? 自分が教えを受けた人に対して「先生」と呼ぶことに関しては当たり前だと思いますが、こういう場合に十把一絡げに「先生」という敬称を使うことには、実はいまだに抵抗があります。

そう言えば、政治家に対して「先生」と呼びかけるのも虫唾が走るようで気持ちが悪いと感じます。

ここまでやるのか? ここまでやるのね!

昨日のダイアリーで書店のディスプレイについて書きました。

和菓子のアン』のカバーに載っているような和菓子を再現したオブジェが飾られていました。書店の方の手作りだそうです。作品に対するヒシヒシとした愛情を感じました。

こういう書店のディスプレイは、出版社の営業としては非常に興味深いもので、最近では新宿の紀伊國屋書店で開催された《白水Uブックス》フェアの展開も印象深かったです。

そんな中でも、あたしの記憶に一番残っているのが写真の展開風景です。

先年閉店してしまった宮脇書店ヨークタウン野田店のものです。あたしが東北地方を担当していたころには年に一度か二度訪れていました。

ただ、この写真を撮ったのはYA出版会で福島地区へ研修旅行へ行ったときに撮影したものだったと思いますから、十年近く前の話です。

乃木坂46ではなく、まだまだAKB48が人気絶頂で、夏の文庫キャンペーンもAKB48が担当していた時代です。

この大きな樹が真ん中にドーンと聳え、そこにツリーハウスが作られています。樹を作るだけなら他のお店でもやっていそうですが、このツリーハウスの中が凝っています。「これはシルヴァニアファミリー?」と思ってしまいそうなクオリティーでした。

これもやはりお店のスタッフの方が手作りしているそうで、毎年のように作っていると聞きました。なんでも年が明けると、今年の夏はどんなディスプレイにしようか考え始めるのだそうです。

こんなディスプレイを作っていたスタッフの方、お店が閉店した後も他の書店で作っているのでしょうか? このツリー以外にも店内はいろいろなディスプレイであふれているお店でした。

ちょっと寄ってみたいかも

昨日の朝日新聞の夕刊です。「とこといこ散歩旅」で新宿区立大久保図書館が紹介されていました。

今まで知りませんでしたし、行ったこともないのですが、語学の出版社に勤める身としては、この図書館の蔵書状況は非常に気になります。

大学図書館なら海外の書籍はいくらでもあるでしょうけど、こういった公立の図書館で海外の書籍を充実させているところって寡聞にして知りません。

とはいえ新宿区大久保という土地を考えると、少なくとも中韓の書籍を多く蔵書しているのは理解できます。その他にも東南アジア系の方が多く暮らしているイメージがあります。

そこに暮らす人々が暮らしやすいと感じてもらえるのが地域サービスだと思いますので、こういう試みは全国的に広がるといいですね。出稼ぎだと思いますが、ブラジルの方が多い地区というのもあったはずですし、たぶんアフリカ系の人が多く住む地域もあったと思います。そういうところの図書館はどうなのでしょう?

そう言えば、埼玉のどこかの団地は住民の半数以上が日本人ではなく、団地のお祭りも国際色豊かなものになっているとニュースで見たことがあります。あそこの図書館ってどんな感じなのでしょう?

美味いものには目がない?

この写真でわかっていただけるでしょうか? デカデカと「和菓子のアン」という看板が目に入りますね。先日営業に行った、ブックポート203栗平店です。

ちなみに、栗平は小田急線の駅です。新百合ヶ丘から多摩センターへ向かう支線にあります。

坂木司さんの『和菓子のアン』『アンと青春』を強烈にプッシュしていました。このシリーズはもう一冊『アンと愛情』が出ていますが、こちらはまだ文庫化されていませんね。あたしもこのシリーズ大好きで文庫で揃えているので、文庫化されるのを待っているところです。

そして、このディスプレイで注目して欲しいのは真ん中当たり、看板の「アン」の字のすぐ下です。和菓子が置いてあるのに気づきましたか? もちろんこれは本物の和菓子ではありません。紙粘土のようなもので作ったものだと思われます。お店の方に伺うとスタッフの方が手作りしたものだそうです。すごいですね。ここまでの愛情。頭が下がります。

美味しいお菓子の話題が出たので、グルメつながりで昨晩の夕食をご紹介、オムライスです。

材料を炒めて作ったわけではなく、中味は冷凍のチキンライスを使いました。それをフライパンで炒め、オムライスの型に詰めて皿に載せました。そこに薄く焼いた卵焼きをやや半熟状態でかぶせたものです。

この後、卵の上にケチャップをかけました。さすがにこの歳になるとケチャップでメッセージを書いたりはしませんが……(汗)。

話は戻りますが、レーベルは異なりますが、坂木司さん、『おやつが好き』という文庫が刊行されましたね!

読書の輪が広がる?

《エクス・リブリス》の新刊『スモモの木の啓示』は、もうご覧になりましたでしょうか?

イラン・イスラム革命に翻弄される一家の姿を、13歳の少女バハールの語りで描く。亡命イラン人作家による魔術的リアリズムの傑作長篇。

という公式サイトの内容紹介にありますように、本作品の舞台はイランです。イスラム革命やホメイニ師といった言葉、単語は、あたしくらいの世代ですと辛うじてニュースで聞いて知っているものですが、若い方ですと興味を持っていない限りよくわからない世界の話かも知れません。

いや、単語を聞いたことがある程度のあたしだって知っているとはとても言えたものではありませんが、それでも海外小説を読むことの愉しみは、そういう知らない世界や国のことを知ることができる点です。醍醐味と言ってもよいでしょう。

ただ、海外小説が苦手という方の多くは、そういった未知の国、よくわからない地域のことをイメージできない、気候や風土、文化や歴史的な背景を知らないので、小説の内容が理解できない、といったことから海外小説を敬遠しがちだと思います。

もっともだと思います。ただし、そんな予備知識がなくたって、読み慣れてくると自然と愉しめるようになるものです。そして、むしろ知らないことが出てくると、そこに興味を覚えるものです。たとえば今回の『スモモの木の啓示』であれば、手近なところでは平凡社新書の『イラン』などがよい参考資料になるのではないでしょうか?

こんな風に、一冊の本から次への本へとリレーしていくのも読書の楽しみだと思うのですが、如何でしょう?