ミステリーとか謎解きというジャンル、あたしは特に好き好んで読んでいるということはないので偉そうなことは言えませんが、「謎解き」と言うくらいですが、読み進めていけば、つまり読み終われば事件は解決して、犯人がはっきりするのだと思います。
それに対して、そうでない作品の場合、作品中に散りばめられた謎や伏線がすべて回収されるとは限りません。回収されていない伏線があるのは小説として失敗なのか駄作なのか、そういう判断はできませんが、もやもやとした気持ちを抱えたまま読み終わることは時々あるものです。
「えっ、これで終わっちゃうの?」「続きがあるんでしょ?」「どう見ても終わってないよ!」と言いたくなる作品、あたしにとっては《エクス・リブリス・クラシックス》の新刊『一握の塵』がそういう作品でした。前半は主人公の男性が妻に浮気をされ、息子を事故で失うという悲劇です。とはいえ、そこまで深刻な、悲劇を前面に出した展開ではないのですが、さて妻の浮気はどういう結末に行き着くのか、夫は妻に仕返しができるのか、そんな期待をもって読み進みます。
ところが後半、夫は浮気からの気分転換なのでしょう、旅に出ます。ちょっとした冒険旅行のつもりだったのが家に帰れなくなってしまいます。どうして帰れなくなったのかは本書を読んでいただくとして、はい、この状態で作品が終わってよいものでしょうか。
帰れないなら帰れないなりに主人公が旅先で新しい生き方を見つけるなりすると思うのですが、そういうものがなく突然と幕でした。主人公の気持ちを想像するとちょっと絶望的なものがありますが、ここから先は読者それぞれの感覚にお任せということなのでしょうか。











