2025年2月のご案内

2025年2月に送信した注文書をご案内いたします。

   

今月も最初は「今月のおすすめ本」です。次はベストセラー「フラ語シリーズ」の新刊が先月刊行されたので、あらためてシリーズ全点のご案内をしました。そしてもう一つ語学書。しばらく品切れていた「比較で読みとくスラヴ語のしくみ」が刊行早々に重版となりましたので、ご案内しました。また「インド外交の流儀」もしばらく品切れでしたが、「インド外交の新たな戦略」という新刊がもうじき刊行されるので、この機会に復活しました。

   

続いては新刊「陽だまりの昭和」が順調でこちらも刊行即重版となりました。月の半ばには、いつもの「今月のおすすめ本[語学書篇]」のご案内です。そして2月の後半にはロングセラー商品の重版が二点続きました。「歌詞のサウンドテクスチャー」と「わからない」です。

今日の配本(25/02/28)

ピンポン

パク・ミンギュ 著/斎藤真理子 訳

世界に「あちゃー」された男子中学生「釘」と「モアイ」は卓球に熱中し、人類存亡を賭けた試合に臨む。『カステラ』の韓国の鬼才が猛打する長篇!

ブリス・モンタージュ

リン・マー 著/藤井光 訳

本書は、中国出身の米国作家リン・マーの長篇『断絶』に続く第一短篇集。前作は、移民の女性が米国のミレニアル世代の一員として根無し草的な生活を送るなか、パンデミックとゾンビという物語形式を借りて、グローバル資本主義の制度に組み込まれた人生の虚無感、今世紀の米国社会の空気を巧みに切り取ってみせた。同様に若い女性を主人公とする本書においても、移民にとっての「ホーム」はどこなのかという問いや、醒めた距離感を保つ一人称の語り口など、マーの作風は前作から連続している。ただし本書では、人間関係における暴力や、存在の孤独という、マーの中核的主題がより前景化され、人と時代に対する鋭い観察眼と、物語を組み立てていく手腕の凄みが際立っている。

宛名のない手紙
チェルヌイシェフスキー哲学的論戦珠玉

ニコライ・チェルヌイシェフスキー 著/多和田栄治 訳

チェルヌイシェフスキーは、専制体制下のロシアにおいて生涯をかけて、社会体制の変革と民衆=人民の解放に向けた言論活動をおこなった。ここに集められた諸論攷の多くは1861年の農奴解放令に関連するものである。自由主義的な貴族や知識人からは「大改革」と称讃されたが、そこにはいくつか問題があった。農奴解放によって「農奴」は人格的自由を得たものの、同時に、分与された土地に対して膨大な額の支払い義務を負わされたことや、農村共同体の位置づけなどである。「土地つき解放」を求める彼の争点はここにあった。この「リベラルな」改革は真の意味での「農奴解放」とはいえず、圧倒的に不十分だったのだ。つまり、彼の闘争の矛先は、専制体制のみならず、不徹底なリベラリズムにも向けられている。

暴走するウクライナ戦争
クレムリン中枢と戦場で何が起きたのか

オーウェン・マシューズ 著/三浦元博 訳

本書は、ロシアとウクライナの権力中枢に近い情報源の証言を基盤に、クレムリンの論理を解くことによってプーチンが戦争を決断した謎に迫るとともに、ウクライナ出身の自らのルーツ、戦場の有様を活写し、主要メディアが「必読書」と絶賛するノンフィクションだ。

ポピュリズムの仕掛人
SNSで選挙はどのように操られているか

ジュリアーノ・ダ・エンポリ 著/林昌宏 訳

ドナルド・トランプ大統領がぶち壊してゆく世界は、極論に満ちている。失言、論争、派手なパフォーマンスが繰り広げられ、祭りのような雰囲気が醸成されてゆく。それは、「ネットフリックスのような」政治だ。

今日の配本(25/02/27)

厨房から見たロシア
包丁と鍋とおたまで帝国を築く方法

ヴィトルト・シャブウォフスキ 著/芝田文乃 訳

皇帝一家と運命を共にした料理人からプーチン大統領の祖父まで。旧ソ連諸国を縦横に旅し、当時の食について考察する。各章にレシピ付き。

ニュースとガイブン

世間でどれだけ話題になっているのかわかりませんが、あたし個人としては、乃木坂46三期生与田祐希の卒業コンサートに、盟友である大園桃子がサプライズ登場し、二人のデビュー曲「逃げ水」をWセンターで披露したことが、本日最大の関心事です。ネットにアップされているコンサート写真を見ますと、やはり桃子はセンターで輝く逸材だったと思います。

それはともかく、ドイツの総選挙の結果がほぼ判明しましたが、移民反対派の極右が大躍進ですね。ある程度予想はついていたこととはいえ、今後のドイツはどういう方向に進むのでしょう。

幸いなことに、まだまだ多くの移民受け入れ派、人種差別的な政策に反対する勢力が多数いることがドイツの良心を感じさせてくれます。それにしてもドイツはここ数年景気が悪いそうですから、人々の気持ちにも寛容さが失われているのでしょうか。衣食足りて礼節を知るとはよく言ったものです。

さて、そんなドイツの移民問題、政治経済の話ではなく、もっと庶民目線で理解できないものかという方にお薦めなのが『行く、行った、行ってしまった』です。引退した大学教授がドイツに辿り着いた難民との交流を深めていく物語です。この機会に是非一読していただきたい一冊です。

そして話は元へ戻って乃木坂46です。38枚目シングルが3月26日発売されるとのこと。そしてそのタイトルが早々と発表になりまして、「ネーブルオレンジ」だそうです。

このタイトルを聞いて真っ先に思い出したのが、《エクス・リブリス》の最新刊、『ブリス・モンタージュ』のカバー画像です。これがネーブルオレンジなのか否か、詳しくないあたしにはなんとも言えませんが、そうだと言ってもあながちハズレではないでしょう。

同書には、短篇が八つ収録されていまして、その中の一つに「オレンジ」という作品もあります。どんな作品かは、是非本書でご確認ください。

最後のおまけ。日向坂46の楽曲「君を覚えてない」が、冠番組「日向坂で会いましょう」で取り上げられていましたが、上掲の《エクス・リブリス》には『ぼくは覚えている』という一冊があります。こちらもなかなかに個性的な作品ですので、是非どうぞ!

なかなかの占有率?

本日の朝日新聞読書欄には、予告どおり、あたしの勤務先の書籍が掲載されていました。ありがたいことです。

そんなわけで楽しみに、ちょっとわくわくで紙面を開いたのですが、ちょっと驚いてしまいました。

ご覧のように、みすず書房、春秋社と並んで、人文会仲間である両社の書籍も載っていたからです。なおかつ、あたしの勤務先の書籍が載っている位置のシンメには吉川弘文館という、これまた人文会仲間の書籍が掲載されています。この掲載率、紙面の占有率、なかなかのものではないでしょうか?

さて、あたしの勤務先の書籍はこちら、『メアリ・シェリー』です。お陰様で、既によく売れている商品ですが、これで更に売り上げが伸びるのではないかと期待しております。

ところで、メアリ・シェリーってご存じですか。朝日新聞の読書欄を読んでいる方であれば知っている人も多いとは思いますが、一般の方ではどのくらいの認知率になるのでしょう。たぶん街でインタビューをしたら、『フランケンシュタイン』はほぼ100パーセントの人が知っていると思います、読んだことがあるかは別として。でも、その作者名を言える人がどのくらいいるか、あたしはかなり低いのではないかと思っています。

実はあたしも、知りませんでした。いえ、女性が原作者だということは知っていたのですが、その時に名前まで覚えるほどには関心を持っていませんでした。情けないことです。たぶん多くの人にとって「フランケンシュタイン」って小説ではなく、映画が思い浮かぶのではないでしょうか。海外ではどうなのでしょうね。

あと、フランケンシュタインというと、あの怪物を思い出す人も多いと思いますが、フランケンシュタインというのはあの怪物を作り出した博士の名前ですよね。そんな思い違いもフランケンシュタインのあるあるだと思います。

今日の配本(25/02/20)

ジャーナリズムの100語

フランソワ・デュフール 著/村松恭平 訳

本書は、著者自らの経験をもとに、ジャーナリズムが遵守すべき規則を一〇〇のテーマで語る。ジャーナリストの定義や労働協約、ジャーナリズム学校など職業にかかわるテーマ、客観性や中立、プライバシー、剽窃など職業倫理にかかわるテーマのほか、フランスで毎年実施されているメディアに対する信用度調査、どのメディアよりも早くニュースを発信するために用いられる「~らしい」という表現、切り取りフレーズ、脱落のある引用、宣伝か情報か、事実か意見か、世論調査など、ジャーナリズムにまつわる幅広い問題を具体的に掘り下げる。