没後80年です

今日、8月17日はイレーヌ・ネミロフスキーの没後80年にあたります。

あたしの勤務先からは『フランス組曲』を出しているだけですが、ネミロフスキーの邦訳は未知谷から数多く刊行されています。

このネミロフスキーって、ロシア革命によってフランスへ移り住んだユダヤ人作家なのですが、ユダヤ人ということから想像がつくようにアウシュヴィッツで亡くなっています。それだけではなく、上に「ロシア」と書きましたが、彼女の出身はキエフ(現在はキーウ)、つまりウクライナ出身の作家なのです。

もしネミロフスキーが生きていて、現在のロシアとウクライナの現状を見たら、何を思い、どういう作品を書いたでしょうか?

今日の配本(22/08/17)

しくみが身につく手話1 入門編

前川和美、下谷奈津子、平英司 著

日本のろう者にとっての母語(第一言語)である日本手話に、やさしく入門。手話はズバリ目で見る言葉です。手・顔・頭・上半身を使って言語を生み出す、手話ならではのしくみ=文法を、やさしく解説します。はじめは手話を見ることや、手や顔を動かすことに慣れないかもしれませんが、動画を見て真似することから始めてみてください。全10課で、自分や身近なことを表現することを目標にします。各課は会話、解説、単語、練習問題パートのスタンダードな語学書の構成です。

声に出すフランス語 即答練習ドリル 初級編

高岡優希、ジャン=ノエル・ポレ、富本ジャニナ 著

「とっさにフランス語が出てこない」「発音がうまくできない、通じない」…そんな苦手意識は必ず克服できます。音声を聞き、即座に声に出して答える練習問題を約1200題用意しました。簡単そうに見えますが、考えて込んでいるとできません。頭で覚えるのではなく、耳と口の反射神経を鍛えていきましょう。250分の圧倒的な音源量、本を見なくてもすらすらと答えが言えるようになれば、驚くほどフランス語力がついているはずです。

本日も朝日新聞の片隅に

今朝の朝日新聞です。終戦記念日ということで、それっぽい記事が載っています。

今年は特に、ロシアのウクライナ侵攻が現在進行形ですので、より戦争というものを切実に考える記事が新聞だけ出なくテレビ番組でも目立つような気がします。

右の写真もそんな記事の一つですが、この記事の中に文庫クセジュの一冊、『ケアの倫理』が引かれていました。この本自体は、エミリー・ブロンテを特に取り上げた本ではなかったはずですが、筆者の小川公代さんがうまく関連付けて書いてくれました。

ところで、この『ケアの倫理』だけでなく、文庫クセジュでは、ケアとか心を扱ったものが、この数年数多く刊行されていまして、それらが思いのほかよく売れているのです。時代に合っているということでしょうか?

そんな動きを取り入れ、この秋の企画として右のようなフェアを準備しています。「ととのえる」というのも最近の流行後の一つですよね。いろいろと流行に乗ってみました(笑)。

今回の朝日新聞の記事は戦争とケアということがメインのようですが、これらの文庫クセジュがよく売れている背景には東日本大震災があります。10年が過ぎ、ようやく立ち直りかけていたところへ、ウクライナ侵攻という悲劇がまた起こったわけで、まだまだこういった書籍への需要は衰えないのではないでしょうか。

紙面で紹介?

本日の朝日新聞紙面です。

浅井晶子さんが本を紹介しているのですが、その浅井さんの紹介欄に、あたしの勤務先の刊行物が載っていました。

それが『行く、行った、行ってしまった』です。同書は、ドイツに大量に押し寄せた移民、難民とかかわることで少しずつ気持ちが変化していくドイツの大学教員の物語です。

日本でもコロナ前には移民に関する議論が盛り上がっていましたが、ヨーロッパではもっと切実な、身近な問題として移民問題が存在することがわかります。そして、移民や難民を大量に受けているドイツという国は非常に寛大な国だと思いがちですが、やはりドイツ国民の間にも感情の濃淡があることがわかります。

移民を受け入れよう、難民に手を差し伸べようというのも決して綺麗事では済まされないのだと言うことがよくわかる作品でした。

若干の関連がある記事です

今朝の朝日新聞読書欄で『カタルーニャ語小さなことば僕の人生』の田澤耕さんが紹介されていました。

カタルーニャ語ってどこで話されている言葉かわかりますか? 一昔前だと「わからない」という答えも多かったと思いますが、ここ数年、田澤さんが精力的にカタルーニャ語の本を刊行されているので、日本人にもかなり浸透しているのではないでしょうか?

ところで、この田澤さんは、あたしの勤務先からもカタルーニャ語の本を出していただいております。『ニューエクスプレスプラス カタルーニャ語』『詳しく学ぶカタルーニャ語文法』です。

語学が柱の出版社なので、カタルーニャの文化とか歴史、暮らしなどに関する本ではなく、純粋に語学の本ばかりですが、異国を知るにはまずは言葉だと思います。わが社はこれでよいのだと思いますし、こういった本の刊行も大事なことだと思っています。

さて、同じ朝日新聞で、今年秋に行なわれるサッカーW杯に関する記事がありました。10番という背番号にスポットが当たっています。

これで思い出すのが『背番号10 サッカーに魔法をかけた名選手たち』です。

王様か神様か? 悪童か怪物か? 伝説の名手から21世紀の新星まで、「背番号10」を背負ってピッチを支配する55人の偉大な選手たちの素顔と、彼らが魅せる「魔術」の秘密に迫る!

内容紹介は上記のとおりです。往年の名選手から現役の選手まで、55名もの選手が登場する一冊です。あたしはサッカーに疎いのですが、サッカー好きであれば、よーく知っている選手もいれば、あまりよく知らない選手も出て来ると思いますので、十二分に楽しめるのではないでしょうか。

ただ、その一方で、10番を付けていない(いなかった)名選手というのもいますよね? サッカーにおいて10番というのがそれほど重い番号であるならば、「背番号10を背負わなかった名選手たち」といった本があってもよいのではないでしょうか?

2022年7月のご案内

2022年7月に送信した注文書をご案内いたします。

   

まずは夏の定番『キャッチャー・イン・ザ・ライ』と『ライ麦畑でつかまえて』です。二つの役所の読み比べポップもお付けしました。続いては毎月恒例「今月のおすすめ本」です。今月は「語学書篇」も送信しました。そして刊行直後から絶好調の『フランス革命史』です。

   

続いては、ネミロフスキーの没後80年なので『フランス組曲』、そしてロブ=グリエの生誕100年なので『反復』です。そしてこちらも刊行直後からよく売れている文庫クセジュの『北欧神話100の伝説』です。アニメやゲーム好きな方から支持されているようです。なので『ギリシア神話シンボル事典』『キリスト教シンボル事典』も一緒に案内しました。そして再びの『フランス革命史』です。

最後は、河出書房新社からジャネット・ウィンターソンの新刊が刊行されたので『灯台守の話』『オレンジだけが果物じゃない』の併売を狙ってご案内しました。『さくらんぼの性は』が品切れなのが残念ですが……

この二つの作品を併売するのはダメでしょうか?

少し前だったか、だいぶ前だったか、いつごろ知ったのか記憶にありませんが、それでもたぶん、せいぜい知ってから一年くらいだと思うのですが、『ダーウィン事変』というコミックがあります。

「知った」という書き方が表わしているように、あたしはこのコミックを読んでいません。別に毛嫌いしているわけでもなければ、絵のタッチが好みではない、というのでもありません。ただ単に機会がなかったというだけです。

同コミックの公式サイトによると

私の友達は、半分ヒトで、半分チンパンジー。テロ組織「動物解放同盟(ALA)」が生物科学研究所を襲撃した際、妊娠しているメスのチンパンジーが保護された。彼女から生まれたのは、半分ヒトで半分チンパンジーの「ヒューマンジー」チャーリーだった。チャーリーは人間の両親のもとで15年育てられ、高校に入学することに。そこでチャーリーは、頭脳明晰だが「陰キャ」と揶揄されるルーシーと出会う。

と書いてあります。舞台がアメリカと聞くと、「こんな実験、本当にやってそう」という気もしてきますが、それはともかく半分サルで半分ヒトのチャーリーが人間世界で暮らし、ルーシーと交流して、というストーリーなんですね。

単に動物が登場して人間世界で騒動を起こすという小説やコミックであれば過去にいくつもあったと思いますが、半獣半人という存在がこの作品のキーですね。

そんな設定で思い出したのが、あたしの勤務先から出ている『私たちが姉妹だったころ』です。2017年に刊行されたものですので、2020年刊行の『ダーウィン事変』第一巻よりも前になります。この本が『ダーウィン事変』都道関係するのかと言いますと、まずは内容紹介を。

「あたしファーンがこわいの」幼い日の自分のひと言が、家族をばらばらにしたのだろうか――。
ローズマリーはカリフォルニア大学で学ぶ22歳。無口で他人とうまく付き合うことができない。かつては心理学者の父と主婦の母、兄と、双子にあたる姉ファーンのいる、おしゃべりな子だった。だが5歳の時に突然祖父母の家へ預けられ、帰ってみると姉の姿が消えていた。母親は部屋へ閉じこもり、父は酒に溺れる。大好きだった兄も問題児になり、高校生の時に失踪してしまう。ローズマリーがこの大学を選んだのは兄の手がかりを捜すためだった。

これだけですとわけがわからないと思いますので補足します。まず主人公であるローズマリーが無口で人付き合いが苦手という性格です。ちょっと違うかもしれませんが、「陰キャ」という『ダーウィン事変』のルーシーに似ているところがありませんか?

そして、これがネタばらしなんですが、いなくなってしまったというローズマリーの双子の姉ファーンが実はチンパンジーなのです。幼いローズマリーは姉がチンパンジーだなんて思いもせず、に暮らしていたわけなのです。そう聞くと、『ダーウィン事変』を読んでいる方であれば興味を持たれるのではないでしょうか?

逆に『私たちが姉妹だったころ』を読んでいた方が、数年後にコミックの『ダーウィン事変』に出会った、なんてことも起きているのではないでしょうか? どちらも未読のあたしには偉そうなことは言えませんが、ぜひ両方読まれた方の感想が聞きたいものです。

今日の配本(22/08/02)

レーマン演劇論集
ポストドラマ演劇はいかに政治的か?

ハンス=ティース・レーマン 著・イラスト/林立騎 訳

ブレヒト、ハントケ、イェリネク……ポストドラマ演劇から「政治的な正しさ」について考える。演劇理論の泰斗を代表する10編を収録。

ペスト
埋葬地から第二のパンデミックを再検討する

キャロリーヌ・コステドア、ミシェル・シニョリ 著/井上雅俊 訳

本書は、十四世紀に中央アジアに始まり、ヨーロッパ全域を襲って十七世紀まで繰り返された第二のパンデミックを中心に、ペストの歴史から最新の研究までを概説する。