コッカー・スパニエルというのがどういう犬なのか、あたしはよくわかっていません

新刊『フラッシュ 或る伝記』が好調です。もうじき重版が出来上がってくる予定です。

本書の著者はヴァージニア・ウルフですから、一定数の読者、ファンはいるでしょう。ですから、そういう方々がまずは購入してくれているのだと思います。

でも、本書の場合、主人公は犬です。ヴァージニア・ウルフより少し前の時代に実際に存在した詩人とその飼い犬の物語で、それをウルフは飼い犬の視点で描いている作品なのです。ですから、ヴァージニア・ウルフの作品と言うよりも、犬好きのための小説として知られた方がより広範囲な読者を獲得できるのではないかと思います。

ということで、重版に当たって用意したポップは、犬のイラストを大きく扱って、イヌ派の読書人にアピールしています。作品に登場する犬がコッカー・スパニエルなので、そのイラストになっていますが、あたしはこの犬種についてはよく知りません。もちろん犬種自体は知っていましたが、その言葉を知っているというだけで、どんな特長があるのか、原産国はどこなのか、そういったことはまるで知りません。

でも、それくらいの知識の人間でも、この作品は大いに楽しめましたし、多くの犬好きの人に読んでもらいたい一冊です。