思わぬところで人文会コラボ?

新刊『ホーム・ラン』が予想どおり好調なミルハウザー。訳者はいつもどおり柴田元幸さん。

ミルハウザーの翻訳は、あたしの勤務先からほとんど出ていますが、それらをすらーっと並べてみました。想定を眺めているだけでも楽しいです。この機会に、あたしの勤務先では、ミルハウザーのミニフェアなどを書店に働きかけています。

さて、訳者の柴田さんと言えば、朝日新聞での連載も始まったので、あたしの勤務先ではこの機会に柴田さんの翻訳書フェアなんて如何でしょう、というオススメもしています。前に立てているのは、そのフェア用のポップです。

話は変わって、二枚目の写真。

ちくま新書の『香港と日本』です。中国好きとしては、そして昨今の香港情勢に関心を持つものとしては読まずにはいられません。その中に一箇所だけですが、「チョンキンマンション」が登場します。特にないように大きく関わってくるわけではないですが、「いま話題のチョンキンマンションか」と読みながら思いました。

そしてその『チョンキンマンションのボスは知っている』です。こちらは春秋社の一冊。筑摩書房と春秋社と言えば、人文会仲間です。なんか嬉しくなるコラボ(?)です。

それはさておき、着眼点が異なるからかも知れませんが、『チョンキンマンションのボスは知っている』を読むと、中国人の影は薄いですし香港政府もほぼ出て来ません。ましてや中国共産党など影も形もありません。香港のアフリカ人にとっては、共産党など眼中にないのでしょうか? そのあたりが非常に不思議でした。

東と西

タイトルを見て、東西冷戦やベルリンの壁を予想された方もいらっしゃるでしょうか? 申し訳ありませんが、全然違います。

画像は昨日の朝日新聞の夕刊です。東京ローカルな話題です。

世界一と言ってもよい乗降客数を誇る東京の新宿駅に、東西自由通路ができるというニュースです。

「えっ、今までなかったっけ?」という感想を持たれる方もいらっしゃるでしょうね。新宿を使い慣れている方であれば、記事中にあるように駅北寄りのサブナード、南口のルミネ、更に南のサザンテラスと、新宿の東口と西口を結ぶ通路、なくはなかったわけですから。しかし、真ん中に、一番の最短経路では東と西は結ばれていなかったのも事実です。

多くの人は切符を買って新宿へ来るので、改札口を選びますが、切符さえ持っていれば東口だろうと西口だろうと出ることはできましたし、定期を持っている人であれば改札を抜けて東から西へ、西から東へ抜けることもしていたでしょう。でも、使いづらかったのは確かです。

そんな新宿に東西通路ができるのは嬉しい知らせです。ただ、記事にあるように、東京の他の地区に比べて出遅れているというのは違うと思います。だって、これだけ不便と言われていたって、他の地区よりも新宿は常に人が多い場所でしたから。不便だって来てしまう、来ざるを得ない、そんな場所なのです、新宿って。

でも、東と西が抜けづらいという意見もわかります。かつて書いたかもしれませんが、あたしが大学までは杉並に住んでいまして、新宿へはよく来ていました。京王線で新宿へ出てくるわけですが、京王線の新宿は言うまでもなく西口側にあります。当時ですと、小田急百貨店の上にあった三省堂書店には時々来ていましたけど、東口の紀伊国屋書店には、ほぼ行ったことがない学生時代でした。だって、当時の必要性から考えて、紀伊国屋へは行かなくても問題なかったですから。

ただ、もし紀伊国屋書店が西口側にあったら、あるいは京王線の新宿が東口側にあったらどうだったでしょうね? 新宿へ行ったときには必ず紀伊国屋へ寄っていたかもしれません。本と本屋は昔から好きでしたから。となると、やはり新宿壁の東西の通り抜けの不便さが、西から東へ、東から西へ行く人のモチベーションを削いでいたのかも知れません。