比類なき侵略

まもなく映画「マーティン・エデン」が公開になるジャック・ロンドンの『赤死病』が刊行になりました。都内の書店ですと、今日あたりから並び始めているのではないでしょうか?

本書は、その名のとおり、人類を襲った謎の感染症「赤死病」によって文明もろとも多くの人類が死に絶えた世界を描いた作品です。コロナ禍で苦しむ現在を予言したかのような小説です。いま、改めてUブックスとして刊行する意味もそこにあります。

が、本書には更に「比類なき侵略」という短篇も併録されています。こちらは中国の人口爆発に困惑した世界が細菌兵器を使って中国に戦争を仕掛けるという作品です。これまた中国政府が主張する「コロナ菌は外国勢力によって中国に持ち込まれた」という説を予言しているかのよう作品です。

どちらも非常に読み応えといいますか、いま読み返す意味があると思いますが、中国好きのあたしとしてはタイトルにもなっている「赤死病」以上に「比類なき侵略」に興味を覚えてしまいました。