萬歳樂と御所泉とライブラリー

もう飽きられたかも知れませんが、相変わらず、北陸の話題を少々。

数年前の人文会研修旅行で北陸に来たときにも、金沢百番街のみやげ物屋で購入したのですが、やはり金沢に来たら萬歳楽を買いたくなります。今回はあんと内にあった金沢地酒蔵で購入しました。

ザッと店内を見たときには見つけられなかったので、このお店では扱いがないのかと思って、お店の方に「萬歳樂は扱っていますか」と聞いたところ教えてもらったのが写真の萬歳楽です。同店ではこの一種類しか置いていないようだったので、こちらを購入。そしてもう一本、「金沢限定 幻の酒」というラベルに惹かれて買ってみたのが御所泉という日本酒です。

どちらもまだ賞味していませんが、これから呑むのが楽しみです。萬歳楽は過去に何度か呑んでいるのですが、御所泉はお初なのでどんな口あたりなのかとても楽しみです。

そろそろ北陸から離れまして、本日の朝日新聞。左の写真のような記事が載っていました。

平凡社ライブラリーが創刊30周年ということなのですが、それよりもライブラリーサイズのレーベルが現在では平凡社ライブラリーだけなのだそうです。そう言えば、小学館ライブラリーとか岩波の同時代ライブラリーとか、最近見なくなりましたね。シリーズが終了していたとは知りませんでした。

それにしても、わが家も何冊か架蔵していますが、もちろん文庫や新書とはサイズ・判型が少し異なるのはわかっていましたが、書棚に並べるときに、そこまで違うとは思ってもいませんでした。それでも棚はそこまで大きな影響はないと思いますが、カバーについてはサイズがちょっと違うとうまくはめられなくなりますから、書店泣かせでしょうね。

そう言えば、創元社の知の再発見双書ってライブラリー判とは違うのでしょうか。知の再発見双書と平凡社ライブラリーの合同フェアをやっている書店を以前は見かけたものですが、最近はやらないのでしょうか。

どっちが早いの?

二泊三日の北陸ツアーから帰京しました。

改めて行程を記しますと、初日は東京を出て富山泊。二日目は富山を発って金沢泊。そして最終日は金沢を出て福井経由で帰京しました。

福井で最後の仕事を終え、福井から特急で米原へ出て、東海道新幹線に乗り換えて東京へ向かうというルートを選んだのですが、計画段階では福井からまた金沢へ戻るか、あるいは京都へ出て東海道新幹線に乗るかで少し悩みました。

金沢へ戻って北陸新幹線だと時間も旅費も少々高くなります。それに東海道新幹線の方がはるかに運行本数が多いので、選択肢も広がります。ただ、一番安い米原経由ですとのぞみ号が停まらない駅なので、北陸新幹線に比べて本数が多いのか、ちょうどよい時間帯にひかり号があるのか、考えてしまいました。

福井からサンダーバードで京都まで出れば、のぞみを使えますが、そうなると時間も旅費もかなり高くなりそうなので、検討候補からは早々に消えました。来春には北陸新幹線が敦賀まで延伸されますが、そうなると福井からは北陸新幹線で帰京するのが一番になるのでしょうか。

まあ、次に北陸へ行くことがあるとすれば、やはり数年後になると思いますので、そんな機会があればまた考えればよいことでしょう。それに今回は富山・金沢・福井というコースでしたが、福井・金沢・富山という行程だって考えられますので、最終的には、その時の状況次第になるのでしょう。

さあ、これからだ?

北陸旅行の三日目は金沢からスタートです。

午前中に立ち寄ったのが、開館からそれほど日が経っていない石川県立図書館です。駅からですとタクシーで20分から30分くらいの郊外でしょうか。しかし広々とした空間に建つ図書館の中に一歩足を踏み入れると、そこは壮観という言葉がぴったりな、まさに一見の価値ある空間でした。

一枚目と二枚目の写真が館内の様子ですが、地元の学生が団体で見学に来ている姿もありましたが、あたしたちのように県外からも見学に訪れる人が大勢いました。外国の方も盛んに写真を撮っていたのを見かけましたから、海外にも評判が伝わっているのだと思われます。

なんと表現したらよいのでしょう。近未来のようでもあり、居心地のよさも感じられ、あたしたちは時間の都合で40分程度しか滞在できませんでしたが、数時間いても飽きない場所です。

石川県について解説しているコーナーもありました。伝統文化などを写真パネルと関連本で紹介していて、表示に面白かったです。パネルの解説を読みながら、横に置いてある本を手に取って更に深く知ることができます。

そんな賑やかな金沢を後にして向かったのは、来春には新幹線の延伸が決まっている福井です。駅ビルなどは、それに向けて工事中で、なんとなく落ち着かない感じでした、そして駅前も大規模な工事があちこちで行なわれていて、「さあ来い、新幹線」という雰囲気にあふれています。

さて、福井と言えば恐竜。オブジェやイラストが駅のあちこちにありました。そんな一つが最後の写真、トリケラトプスですね。日向坂46の小坂菜緒が見に来たら、ものすごく喜びそうな、ちょっとトリックアートっぽいイラストが駅舎の壁に描かれていました。

金沢あれこれ

既に書きましたが、二泊三日で北陸三県を回ってきました。

東京を発った初日は富山の書店を回って富山泊まり。二日目は富山を発って、途中高岡に立ち寄って金沢に入りました。富山や高岡と比べると、金沢は格段の賑わいです。京都ほどではないですが、若干オーバーツーリズムになっているように感じられましたが、金沢市民はどう思っているのでしょう?

そんな鹿沢で立ち寄った書店の一つが、写真のオヨヨ書林です。金沢市内に二店舗を構える古本屋さんですが、立ち寄ったのは香林坊からも程近いせせらぎ通り店です。間口は狭いのですが、奥はかなり広い空間があって、そこにビッシリと本が並んでいるというか、積まれているというか、誇りっぽい本の匂いがどこか懐かしいお店でした。

そんな金沢市内ですが、オヨヨ書林の近所に目に付いた道路標識がちょっと気になりました。写真のようなデザインで、歩行者の表示はなんとなく「ボーッと突っ立っている」だけに見えますし。自転車は前にカゴのあるママさんチャリのように見えます。

東京の道路標識だともっとデザイン重視で、よりアイコンっぽいものが描かれていたように記憶していますが、こういう道路標識のデザインって、県や市によって独自に定めているのでしょうか。だとすると、他の地区へ行けば、もっと独特なデザインの標識を見ることができるのでしょうか。

そんな二日目は金沢泊まり。ホテルは金沢駅前だったので、夕食も必然的に金沢駅のショッピングセンター「金沢百番街」で取ることになりました。ただ、先程も書いたようにややオーバーツーリズム気味なのか、お店はどこも人があふれていて、30分や1時間は待たないと入れないような状況でした。

それが百番街のあんとの飲食街で、仕方なくRintoの方に向かって見つけたのが魚がし食堂でした。見かけはどこにでもある居酒屋チェーンのようだったのですが、とにかく料理が安くて美味しかったです。あたしが食べたのが写真の定食で、刺身に煮魚、フライ(たぶんアジ)、そして焼き魚(ホッケ)、ご飯に味噌汁、小さめの茶碗蒸し。お刺身とトロホッケ定食1500円は十二分に満足できる内容でした。

あと、後ろ髪を引かれる思いだったのは、上述のオヨヨ書林の店の筋向かいにあった「伽羅」というお香のお店です。次に機会があれば、もっとじっくり見てみたいお店でした。

北陸で気になること

昨日から北陸を回っています。人文会のグループ訪問という研修旅行で、四社で北陸三県を回っているのです。昨日は富山を回って富山泊まり、本日は高岡を経由して金沢に入り、金沢泊まり。明日は金沢を発って福井に入り、米原経由で帰京します。

そんな行程ですが、あたしは以前からちょっと気になっていることがあります。それは富山です。

富山の何が気になるかと言いますと、富山って「とやま」と読みます。でも「富」は「とむ」ですから、その「と」だけを取って「とやま」と読むのに若干の抵抗があるのです。かといって「ふさん・ふざん」と読むと日本の地名らしくありません。「ふやま」だと音読みと訓読みが混じっていて、やはりよくないということなのでしょう。でもやはり「富」は「ふ」と読むことが多く、一文字だけで「と」と読ませるのには抵抗を感じるのです。

和歌山は「わかやま」で音読み、音読み、訓読みという組み合わせですから、富山を「ふやま」と読んでも可笑しくはないと思うのですけど、どうしてなのかと、前からなんとなく気になっていたのです。

そして、この「富山」よりももっと気になっているのは石川の加賀です。

旧国名では京都に近い方が前・上、遠い方が後・下と名付けられています。備前・備後、上野・下野などです。北陸も越前・越中・越後と京都に近い方から国名が付いています。ところがその間になぜか加賀という国が挟まれているのです。

どうして旧国名の法則に反して、加賀が挟み込まれているのか、以前からとても不思議に思っていて、腑に落ちません。たぶん歴史学の事典とか論著を紐解けば、ちゃんとした説明をしてくれているものがあるのだと思うのですが、あたしはいまだそれに巡り会っておりません。

ただ、もし石川県が越中になると、富山が越後になるのでしょうか。そうなると新潟は何と呼ばれていたのでしょう。そんなことも気になってしまいますし、妄想が広がります。

今日の配本(23/10/11)

まいにちふれるフランス語手帳2024

トリコロル・パリ 監修/ふらんす編集部 編

まいにちフランスを感じることのできる手帳。月ごとにフランスにまつわるエッセイを掲載。単語集付きなのでフランス語学習にも最適。

まいにちふれるドイツ語手帳2024

マライ・メントライン 監修/白水社編集部 編

まいにちドイツを感じることのできる手帳。月ごとにドイツにまつわるエッセイを掲載。単語集付きなのでドイツ語学習にも最適。

まいにちふれるスペイン語手帳2024

スペイン語教室ADELANTE 監修/白水社編集部 編

まいにちスペインを感じることのできる手帳。月ごとにスペインにまつわるエッセイを掲載。単語集付きなのでスペイン語学習にも最適。

まいにちふれる中国語手帳2024

李軼倫、原田夏季 監修/白水社編集部 編

まいにち中国語にふれることのできる手帳。月ごとに中国にまつわるエッセイを掲載。単語集付きなので中国語学習にも最適。

極右の台頭?

今日は祝日なので、そして生憎の雨なので自宅でのんびり過ごしています。そして昼時にテレビ朝日系の情報番組を見ていたところ、池上彰氏が「極右勢力が急速に支持を拡大しているドイツの状況」を解説していました。

やはりメルケル前首相の移民政策に対する不満が国民の中に一定数は存在するようです。景気のよいときであれば他人を思いやる余裕も持てるのでしょうが、不景気になると自分の生活で精一杯、それなのに働かないで支援だけ受けている移民たちはなんなんだ、と考えてしますのでしょう。そんなドイツ国民と移民との距離感や空気感を知るには、小説ではありますが『行く、行った、行ってしまった』が最適だと思います。報道では知り得ない、もっと庶民レベルの声が聞こえると思います。

ところで、「池上解説」ではドイツだけでなく、欧州各国で極右に分類される政党が躍進しているということも紹介されていました。

極右と一括りに言っても国によってその主張や政策には違いあるようですが、そんな欧州の政党政治について知りたい方には、文庫クセジュの一冊、『ポピュリズムに揺れる欧州政党政治』の一読をお薦めします。

ポピュリズムがイコール極右というわけではありませんが、著者はフランスの右派政党・国民戦線(FN)研究の第一人者なので、やはり極右政党に関する考察が主となるでしょう。こういった極右やポピュリズムだけでなく、現在の世界は権威主義も勢いを増しているように感じます。戦火がやまず、戦争という言葉がこの十数年で一気に身近になりましたね。

大人買いとは?

数日前に配信された、日向坂46のYouTube「日向坂ちゃんねる」の最新動画「【神引き】小坂菜緒と髙橋未来虹がアニメグッズ開封したら日向の奇跡起きた【爆買い】」は二期生の小坂菜緒と三期生の髙橋未来虹が池区風呂のアニメイトへ行って、大好きなアニメグッズを爆買いするという企画でした。いくつか、辛うじて名前だけは知っているアニメもありましたが、ほとんどすべてがストーリーもジャンルもわからない作品ばかりでした。ただ、二人がとても楽しんでいることだけは伝わってきます。ファンとしてはそれで十分だと思います。

ところで、この動画の中で髙橋未来虹がアニメを見てどハマりした作品のコミックを全巻大人買いする、という部分がありました。この動画を撮影した時点でそのコミックが完結しているのか否か、あたしは知りませんが、とりあえずその時点で刊行されている最新巻まですべてを高橋未来虹あ買うというのです。

通称大人買いと呼ばれるこの行為、やはり学生にはドキドキするものなのでしょうね。まあ髙橋未来虹は学生ではありませんが、人気の日向坂46のメンバーとはいえ、そんなに潤沢な給料をもらっているとも思えませんので、世間の高校生や大学生よりは多少は使えるお金がある、というくらいでしょうか。

さて、この大人買い、どのコミックを買っていたのか覚えていませんが、お店には十数巻まで並んでいたのですが、そのうちの二巻が歯抜けになっていました。彼女は仕方なく、その二巻がないまま、残りの巻を一巻から最新巻まで購入していました。そしてあたしが気になったのはこのシーンです。

大人買いをしようと思ってお店に来た、あるいはネットショッピングでもよいですけど、全巻揃っていなかったら、あたしなら果たして買っただろうか、ということです。あたしだったら、たぶん買わないのではないかとおもうのです。そして全巻揃っている別のお店を探すか、あるいはそのお店で全巻揃っている別の作品を買うか、そのどちらかを選び、歯抜けの商品を買おうとはしないのではないかと思うのです。

別にこれは歯抜けで買った髙橋未来虹を非難しているわけではありません。なかなか揃わない稀少な作品であれば、まずは手に入るものを確実に手に入れて、抜けているのは他のお店を当たろう、とあたしでもすると思います。彼女が買った商品がそういうものだったのかはわかりませんが、ただそういうところの選択で、人の性格というか、タイプが見えてくるなあと感じた次第です。

歴史に向き合う

本日の朝日新聞です。歴史に向き合う、というテーマの記事です。

歴史に向き合うというと、いろいろな立場があると思いますが、最近ですと岩波書店の『検証 ナチスは「良いこと」もしたのか?』が話題になりました。歴史を正しく認識するという性格の本だと思いますが、これも歴史との向き合い方の一つだと思います。

今日の記事では岩波の本が引用されているわけではありませんが、その代わりと言っては何ですが、あたしの勤務先の書籍が登場していました。それが『過去の克服』です。

同書しばらく品切れになっていたのですが、先月に新装版を刊行したばかりです。過去との向き合い方で、しばしば日本と比較されるドイツがどのように戦後を歩んできたのかを取り上げた本ですが、ドイツも紆余曲折があったことがわかります。

その取り組みは順調なものではなく、過去にたいする反省を「自虐的だ」とする声がドイツでも再三沸き上がり、道のりは必ずしも平坦ではなかった。しかしドイツでは、「過去の克服」を促す力と、これを押しとどめようとするふたつの力がせめぎ合いながらも、少しずつ着実に前進していくことが本書のなかで明らかとなる。日本の取り組みを考えるうえでも必読の1冊。

公式サイトの内容紹介には上記のように書かれています。価格はかなり違いますが、この機会に岩波の『検証 ナチスは「良いこと」もしたのか?』とこの『過去の克服』を併読してみるのは如何でしょう。