だんだん増えていくものですから……

先のダイアリーで中公新書の新刊『二十四史』をご紹介しました。たぶん同書を買うのは中国史が好きな人だと思いますが、逆に中国史に詳しくない人にとっては「二十四史って何?」という状況ではないでしょうか。

「二十四史」とは中国の二十四種類の正史の総称です。中国歴代王朝は、前代の王朝の正史を編纂することで、その正統な後継者であることを証明してきたのです。中国史は当たり前として、中国哲学、中国文学など中国に関わる学問を専攻する人には必須の書物です。

では、その二十四史はどこで見られるのかと言いますと、中国の出版社・中華書局から出版されている「点校本・二十四史」が最もスタンダードです。最初の画像はわが家の書架に並んでいる、中華書局の「二十四史」です。日本人にも馴染みある『史記』や『三国志』なども含んで、清朝の正史である『清史稿』まで揃っています。

直前に『清史稿』というタイトルが出しましたが、「二十四史」とは本来は明朝の正史である『明史』までを指し、あたしが学生のころに『清史稿』が中華書局から刊行され、「二十五史」という言い方もされるようになりました。

あれ、明朝が『明史』なら清朝は『清史』じゃないの、という疑問が湧くかと思います。『清史稿』とはその名の通り、正史である『清史』を完成させる前段階の状態のものです。『清史稿』を更に推敲して、いずれは『清史』を完成させる予定だったようです。

学問の世界から離れた現在、『清史稿』をベースに『清史』が出来上がったのか否か、あたしは寡聞にして知りません。その後の中国が国共で分裂してしまったこともあり、資料の行方やどちらが正統の後継政権なのかという点でも争っているのかも知れません。

で、二枚目の画像は、その名も『二十五史』という本です。上に書いたように「二十四史」に『清史稿』を加えて「二十五史」として売り出されていたのです。この『二十五史』が発売されてしばらくして、同じ上海書店・上海古籍出版社から『元史二種』も刊行されました。これも正史とするならば「二十六史」になってしまいます。

果たして、現時点で中国の正史は何種類あるのでしょうか。もし国共の分裂や対立がなく、歴代王朝のように中華民国から中華人民共和国に移行したのであれば、中華人民共和国が『民国史』を編纂しなければならなかったはずです。しかし実際には中華民国と中華人民共和国の双方が清朝の正統な後継者だと主張し合い、どちらが『清史』を完成させるのか、非常に興味深いです。

話は戻って二枚目の画像の『二十五史』ですが、底本は故宮の所蔵されていた「武英殿本二十四史」と呼ばれるものです。

2025年4月23日 | カテゴリー : 罔殆庵博客 | 投稿者 : 染井吉野 ナンシー

一気買い?

帰宅したら、ネットショップで注文していた商品がいろいろと届いておりました。

まずは中公新書です。今月はこの三点を購入いたしました。読みたい本、読まなければならない本が積ん読状態なので、これらを読むのは少し先になりそうですが、見たときに買っておかないと、新刊と言えどもどんどん品切れになってしまうのが昨今の出版事情ですから。

今月はあと一点、『集団はなぜ残酷にまた慈悲深くなるのか』というのも気になってはいるのですが、ひとまずはこの三点で抑えておきます。なんとなく最近は政治学関係の新刊が、単行本も含めてよく刊行されているなあという気がします。

続いては、中公新書からは180度変わって、否、そこまでの方向転換ではないかしら。まあ、そんなことはどうでもよくて、乃木坂46の五期生、井上和のファースト写真集です。五期生の写真集としては、年明けに発売された五百城茉央に続き二人目ですね。

いまや五期生のみならず、乃木坂46全体のエースとも呼べる存在になった井上和ですから、最初に出してもよかったのではないかという意見もあるでしょう。そのあたりの大人の事情はわかりませんが、この写真集も出版不況と言われる今の時代においては、間違いなく大ヒットするのでしょう。

最後は、その乃木坂46五期生が出演していたバラエティー番組「超乃木坂スター誕生」のブルーレイボックスです。第三弾になりますかね。これで打ち止めでしょうか。

それにしても、このサイズのケースを見ると、あたしなどの世代は往年のLPレコードを思い出します。比べてみたことはありませんが、たぶん同じサイズなのではないでしょうか。

もちろんこちらは写真集的なブックレットが入っているので厚みがあります。ボックスと呼ぶほどの厚みとは言えないかもしれませんが、かつてのLPレコードに比べれば、はるかにボリュームがあります。