浅学菲才どころか無学無才です

中公新書の『二十四史』に関連して、架蔵している書籍をご紹介しましたが、同書で紹介されている和書についても架蔵しているのがありましたので、またまたご紹介いたします。

まずは名著、内藤湖南の『支那史学史』です。刊行当初はどういう感じだったのかはわかりませんが、現在は平凡社の東洋文庫から全二巻で刊行されています。ずいぶんと手に取りやすくなっているのではないでしょうか。

東洋文庫には他にも『清朝史通論』が出ておりますので、ご興味のある方は是非どうぞ。

そしてこちらも名著、那珂通世『支那通史』です。岩波文庫で全三巻です。どうやらこちらは出版社で既に品切れになっているようです。とはいえ、岩波文庫はしばしば復刊をしますので、待っていれば復活することがあるかもしれません。

それにしても、『支那史学史』『支那通史』どちらもオリジナルを尊重して「支那」のタイトルをそのままにしているところがよいですね。あたしは中国人が「支那」と呼ばれることに不快感を覚えていることは重々承知しています。でもこの当時の著作に「支那」が使われているのまで「中国」に直す必要はないと思っています。もちろん著者が存命で、中国側の意向を汲んでみずからタイトルを変更したのであれば、それも受け入れます。

最後におまけ。昨日ご紹介した『二十五史補編』を並べている書架の上の段に並んでいるのはこちらです。『清経解』とありますが、中国学者であれば『皇清経解』の名で知っているはずです。その正編・続編です。

中国で刊行される段階で、あえて「皇」の字を取ったのだと思いますが、なんででしょうね? もう大清帝国の時代ではないからということでしょうか。共産党のイデオロギー政策のためですかね。

2025年4月30日 | カテゴリー : 罔殆庵博客 | 投稿者 : 染井吉野 ナンシー

今日の配本(25/04/30)

対訳 フランス語で読む「星の王子さま」

渋谷豊 編

心に残る名句の宝庫である『星の王子さま』は、子供から大人まで世界中で広く愛されています。20以上の邦訳が存在するほど多様な解釈が可能なこの作品から、特に印象的な53 の名場面を選りすぐりました。編者による丁寧な注、「読解のポイント」、また日本語訳を参考にしながら、原文の一語一語をじっくり味わいましょう。付属の音声は、53の名場面(約62分)に加え、さらに全文読破にチャレンジしたい学習者のために、作品全文(約105分)も収録。8ページのカラー挿絵付。

あのコはだぁれ? サユリだよ!

録画しておいた映画「サユリ」、「あのコはだぁれ?」と視聴しました。どちらもジャパニーズホラーですね。まずは「サユリ」から。

この作品はホラーとは言いますが、後半からの婆ちゃん覚醒以後はコメディータッチの作品で、楽しく視聴できました。そして主人公のサユリですが、引きこもりになった理由は父親からの性的虐待、そしてそれを見て見ぬふりをする母親。これでは引き籠もりたくもなるし、むしろかわいそうな少女です。

だからといって、何の関係もない住人を呪い殺すことが許されるとは思えませんし、肝心の家族は別の土地でのうのうと暮らしてるのを許しているなんて、「なんだかなあ」という気がしました。サユリの呪力があの家(あの土地?)からは出られないというのがもう少し説明があってもよいかなあと思いました。

続いて「あのコはだぁれ?」です。これは「ミンナのウタ」の続編と言うか姉妹編のような作品で、少し前に「ミンナのウタ」も視聴しましたが、その謎が解けるのかなと期待していました。

確かにこちらの作品を見ると、謎のカセットテープが誕生した経緯が描かれましたが、ややわかりにくいところもありました。親世代の事件の当事者である少女が、普通に現在の補習クラスにいるのに、周りの生徒が疑問も持たずに受け入れているのが疑問でした。補習なので他のクラスの生徒も交じっているから気にしなかったのかな、という気もしましたが、やや不完全燃焼でした。

それに主人公の渋谷凪咲が結局は死んでしまっているのですよね。ただ、それで数十年にわたる呪いが解けたような気もしませんし、そのようにスッキリと描かれているようにも感じません。監督は更に続編を作ろうとしているのかも知れないと感じました。

ちゃんと架蔵しているのですが……

中公新書『二十四史』は無事に読み終わりました。学生時代に漠然と接してきた「二十四史」について思いを新たにしました。学生時代にも「○○史は出来が悪い」といった評価は先生や先輩から伝え聞いておりましたが、どうしてそのような評価が生まれたのか、歴史背景がよくわかりました。

さて同書には本文中でも「二十四史」の周辺文献に対する言及がしばしば見られました。懐かしい書名に学生時代を思い出しながら読みましたが、それらの文献のいくつかは今でも架蔵しておりまして、それらを今日はちょこっとご紹介したいと思います。

まずは『資治通鑑』です。中華書局の、いわゆる標点本で、20冊となります。ちなみにいま「標点本」と書き、同書でも標点本と表記されていますが、学生時代は点校本とか校点本という言い方もしていました。

たぶん点校本とか校点本というのは中国語そのままの呼び名で、それを日本語訳すると標点本になるのではないでしょうか。正確なところはわかりませんが……

さて次の画像は『通鑑紀事本末』です。お隣には『左伝紀事本末』も並んでいますが、こういった中国古典の基本的な作品が陸続と刊行されたのが、あたしが学生時代でした。昨今ももちろんさらに校訂されたり、注釈を施されたりして刊行され続けていると思いますが、あたしの学生時代にはどんどん刊行されていた、という印象があります。

そして最後は『二十五史補編』です。「二十四史」の欠を補うために作られた作品を収めた叢書ですね。『資治通鑑』や『通鑑紀事本末』は日本の単行本くらいの大きさですが、こちらはそれよりもずっと大きく、一冊ずつのページ数も多いものになっています。

また前二者が句読点が付いた、現在の活字で組み直したものであるのに対し、この『二十五史補編』は当時のものをそのままリプリントしたもので、本文はいわゆる白文となっています。いわゆる影印本というものです。

2025年4月29日 | カテゴリー : 罔殆庵博客 | 投稿者 : 染井吉野 ナンシー

パンダ日和?

世間ではゴールデンウィークに入っているそうですが、あたしは暦どおりの出勤です。明日が休みなのは嬉しいところですが、後半の水木金が三日連続で出勤というのはちょっとツラいです。できることなら、休みが水曜であれば、二日仕事して一日休み、また二日仕事して週末となって、気分的にも乗ってくるのですが……

そして今日も外回りに行って来ましたが、訪れたアカデミア港北店ではこんな感じで本を並べていただいております。あたしの勤務先のBOXフェアというちっちゃなフェアです。今回のBOXテーマは「昭和100年」です。

売行き絶好調の『陽だまりの昭和』を先頭に、昭和を感じさせる書籍を集めてみました。古きよき昭和、懐かしい昭和といった感じの本ばかりです。

ところで配本日はゴールデンウィーク明けになりますが、本日から上野の書店で先行販売が始まったのが『中国パンダ旅』です。それを意識したわけではありませんが、たまたま本日はパンダ柄のブラウスに、パンダ柄のネクタイというコーディネートだったので、本を手に写真を撮ってみました。

如何でしょう。このいでたちで営業回りをしたら、注文も伸びるでしょうか? いや、格好や衣装だけで本が売れるなら、毎日この格好をしますけど、そんなわけはないですよね。

でも、いかにもパンダの本を売る人っぽく見えませんか。やはりこの期間はパンダ柄を集中的に身につけようと思います。

今日の配本(25/04/28)

エレウテリア
新訳ベケット戯曲全集

サミュエル・ベケット 著/小野正嗣 訳

自由でありたい若き芸術家のもとに、家族や恋人、観客までもが詰めかけて……喧々囂々の、恐るべき「茶番劇」。ベケット戯曲の原点。

ケプラーとガリレイ、そしてピタゴラス

今朝の朝日新聞に雑誌『ニュートン』とのコラボ記事が載っていました。あたしは子供のころから本や歴史が好きな文系人間だったので、『ニュートン』はもちろん知ってはいましたけど、ページを開くことはほとんどありませんでした。

ですからそっち方面には非常に疎いのですが、本日の記事は非常に興味深く読みました。なぜなら取り上げられているのがケプラーとガリレイだったからです。上にも書いたように、根っからの文系人間ですので、ケプラーもガリレイも名前くらいを知っていても、どんな業績を上げた人なのか正確なところはよくわかっていません。まあ、ガリレイなら地動説だったっけ、くらいの知識はありますが。

それなのにどうして興味を持ったかと言いますと、あたしの勤務先からその名も『ケプラーとガリレイ』という本を出しているからです。同書は

科学史上に輝く巨星の対照的な生涯と大発見、時代背景を活写した評伝。二人を結んだ「絆」として、交わした書簡が重要な役割を果たす。独の科学ジャーナリストによる「最良の科学書」

という内容のもので、朝日新聞の記事を読んだ方なら興味を持たないはずがない一冊ではないでしょうか。ケプラーとガレイが同時代ということは知っていても、どれくらい親交があったのか詳しくない方も多いはず。本書はそんな方にお薦めです。

そして今回の朝日新聞の記事にはもう一人、外せない名前が載っていました。それがピタゴラスです。記事中には「天球の音楽」という言葉も出て来ていますが、なんとあたしの勤務先では『ピュタゴラスの音楽』という本も出していたのです(現在、品切れ)。この本は

「ピュタゴラスの定理」で知られる紀元前6世紀のギリシアの賢人。その数奇に満ちた生涯を辿り、人類の思考を導いてきた自然の原理と現在に至るまでの思想の継承史を明らかにする

という内容の本ですが、「思想の継承史」の中にはケプラーも入っているのです。品切れなので古本屋をあたっていただくしかないですが、本書も朝日新聞の記事に興味を持たれた方には食指が動く本ではないでしょうか。

モノローグ

世間では昨日からゴールデンウィークが始まったそうですが、あたしはどこへも出かける予定もなく、仕事も暦どおりの予定です。高くて混んでいるこの時季にわざわざ出かけるなんてナンセンスこの上ないと思いますので。

というわけで、この土日も自宅でのんびりと過ごしていますが、昨日の午前中は国分寺まで出かけてきました。その帰路、駅ビルにあるクイーンズ伊勢丹で昼食用にこんなお弁当を買ってきました。

「お肉屋さんの牛めし」と「広島県産かき飯重」です。母が牛めし、あたしはかき飯をいただきました。かき飯は蒸しがきとかきフライの二種類がご飯の上に乗っていて、とても美味しくいただきました。もうちょっとご飯が多くても、あるいはかきが少なければ、ちょうどよいバランスだったのではないかと思いました。

さて、話は変わって乃木坂46五期生、井上和のファースト写真集『モノローグ』です。限定カバーは通常版の他に楽天ブックス版、セブンネットショッピング版を購入しました。あともう一つ、TSUTAYA版もありましたが、そちらはパスしてしまいました。

写真集としては、いつもの坂道メンバーのものと変わりなく、可愛らしく笑顔の弾ける写真と、少し大人びた表情のものが混じっていました。そして、恐らく若いファンはそれが目当てなのだと思いますが、水着や下着姿、そしてセミヌードっぽい写真までありました。ここまで脱がせる必要があるのか、というのがとっくに若くはないあたしの正直な感想です。

乃木坂46のメンバーは清楚、お嬢さまっぽさをグループカラーとして売りにしているわけですから、写真集もその路線を個人的には望んでいるのですが、雑誌では決して披露しない水着やきわどい写真を載せることで、稀少価値を高め販売増に繋げようという魂胆なのでしょう。でもねえ……と思ってしまう、あたしのようなファンの決して少なくはないと思うのですよね。

ランダム封入特典!

先日、このダイアリーで購入報告をした、「超・乃木坂スター誕生」のブルーレイボックス。これには封入特典があります。オリジナル生写真が3枚、オリジナルA3ポスターが3枚です。

どちらも全11種類ある中からランダムで3枚封入されているわけですが、つまりメンバー11名一人一人の生写真、ポスターが用意されていて、その中の誰のが封入されているかは開いてみてのお楽しみ、ということです。そこで、開けてみました。

まず生写真は、奥田いろは、小川彩、菅原咲月の三名でした。ポスターの方は、井上和、岡本姫奈、小川彩の三名。なんと小川彩がどちらにも入っていました。基本箱推しなので、不満のないメンツですが、個人的にはさくたんが入っていたら嬉しかったかな、という思いもあります。

サイン入りチェキは、さくたんで応募することにします。ところで、このブルーレイボックスは第三弾になりますが、放送回としてはまだすべてが収録されていませんので、近いうちに第四弾が発売されることになるのでしょう。