中公新書の『二十四史』に関連して、架蔵している書籍をご紹介しましたが、同書で紹介されている和書についても架蔵しているのがありましたので、またまたご紹介いたします。
まずは名著、内藤湖南の『支那史学史』です。刊行当初はどういう感じだったのかはわかりませんが、現在は平凡社の東洋文庫から全二巻で刊行されています。ずいぶんと手に取りやすくなっているのではないでしょうか。
東洋文庫には他にも『清朝史通論』が出ておりますので、ご興味のある方は是非どうぞ。
そしてこちらも名著、那珂通世『支那通史』です。岩波文庫で全三巻です。どうやらこちらは出版社で既に品切れになっているようです。とはいえ、岩波文庫はしばしば復刊をしますので、待っていれば復活することがあるかもしれません。
それにしても、『支那史学史』『支那通史』どちらもオリジナルを尊重して「支那」のタイトルをそのままにしているところがよいですね。あたしは中国人が「支那」と呼ばれることに不快感を覚えていることは重々承知しています。でもこの当時の著作に「支那」が使われているのまで「中国」に直す必要はないと思っています。もちろん著者が存命で、中国側の意向を汲んでみずからタイトルを変更したのであれば、それも受け入れます。
最後におまけ。昨日ご紹介した『二十五史補編』を並べている書架の上の段に並んでいるのはこちらです。『清経解』とありますが、中国学者であれば『皇清経解』の名で知っているはずです。その正編・続編です。
中国で刊行される段階で、あえて「皇」の字を取ったのだと思いますが、なんででしょうね? もう大清帝国の時代ではないからということでしょうか。共産党のイデオロギー政策のためですかね。