あのコはだぁれ? サユリだよ!

録画しておいた映画「サユリ」、「あのコはだぁれ?」と視聴しました。どちらもジャパニーズホラーですね。まずは「サユリ」から。

この作品はホラーとは言いますが、後半からの婆ちゃん覚醒以後はコメディータッチの作品で、楽しく視聴できました。そして主人公のサユリですが、引きこもりになった理由は父親からの性的虐待、そしてそれを見て見ぬふりをする母親。これでは引き籠もりたくもなるし、むしろかわいそうな少女です。

だからといって、何の関係もない住人を呪い殺すことが許されるとは思えませんし、肝心の家族は別の土地でのうのうと暮らしてるのを許しているなんて、「なんだかなあ」という気がしました。サユリの呪力があの家(あの土地?)からは出られないというのがもう少し説明があってもよいかなあと思いました。

続いて「あのコはだぁれ?」です。これは「ミンナのウタ」の続編と言うか姉妹編のような作品で、少し前に「ミンナのウタ」も視聴しましたが、その謎が解けるのかなと期待していました。

確かにこちらの作品を見ると、謎のカセットテープが誕生した経緯が描かれましたが、ややわかりにくいところもありました。親世代の事件の当事者である少女が、普通に現在の補習クラスにいるのに、周りの生徒が疑問も持たずに受け入れているのが疑問でした。補習なので他のクラスの生徒も交じっているから気にしなかったのかな、という気もしましたが、やや不完全燃焼でした。

それに主人公の渋谷凪咲が結局は死んでしまっているのですよね。ただ、それで数十年にわたる呪いが解けたような気もしませんし、そのようにスッキリと描かれているようにも感じません。監督は更に続編を作ろうとしているのかも知れないと感じました。

ちゃんと架蔵しているのですが……

中公新書『二十四史』は無事に読み終わりました。学生時代に漠然と接してきた「二十四史」について思いを新たにしました。学生時代にも「○○史は出来が悪い」といった評価は先生や先輩から伝え聞いておりましたが、どうしてそのような評価が生まれたのか、歴史背景がよくわかりました。

さて同書には本文中でも「二十四史」の周辺文献に対する言及がしばしば見られました。懐かしい書名に学生時代を思い出しながら読みましたが、それらの文献のいくつかは今でも架蔵しておりまして、それらを今日はちょこっとご紹介したいと思います。

まずは『資治通鑑』です。中華書局の、いわゆる標点本で、20冊となります。ちなみにいま「標点本」と書き、同書でも標点本と表記されていますが、学生時代は点校本とか校点本という言い方もしていました。

たぶん点校本とか校点本というのは中国語そのままの呼び名で、それを日本語訳すると標点本になるのではないでしょうか。正確なところはわかりませんが……

さて次の画像は『通鑑紀事本末』です。お隣には『左伝紀事本末』も並んでいますが、こういった中国古典の基本的な作品が陸続と刊行されたのが、あたしが学生時代でした。昨今ももちろんさらに校訂されたり、注釈を施されたりして刊行され続けていると思いますが、あたしの学生時代にはどんどん刊行されていた、という印象があります。

そして最後は『二十五史補編』です。「二十四史」の欠を補うために作られた作品を収めた叢書ですね。『資治通鑑』や『通鑑紀事本末』は日本の単行本くらいの大きさですが、こちらはそれよりもずっと大きく、一冊ずつのページ数も多いものになっています。

また前二者が句読点が付いた、現在の活字で組み直したものであるのに対し、この『二十五史補編』は当時のものをそのままリプリントしたもので、本文はいわゆる白文となっています。いわゆる影印本というものです。

2025年4月29日 | カテゴリー : 罔殆庵博客 | 投稿者 : 染井吉野 ナンシー