Rockfield's Diary

サイト管理人のブログです。

Rockfield's Diary

ちょっと違うけど対にして読んでみたら面白い

春秋社のアジア文芸ライブラリーの一冊、『高雄港の娘』を読了しました。

訳者あとがきによれば、事実をベースにしたフィクションのようです。こんな立志伝中のような女傑が戦後の台湾、そして日本に存在したのですね。不勉強にして知りませんでした。

ところで、本書は日本統治時代の台湾からスタートして、戦後に国民党が台湾に渡ってきた時代、そして弾圧を逃れて日本に拠点を移した時代、民主化され女性大統領が生まれる現代までを描いています。それだけを聞くと波瀾万丈に感じられますが、そういう歴史の表舞台煮立つことのなかった女性が主人公であるために、叙述は非常に淡々としています。男たちの苦労は垣間見えますが、女性の世界はもっとおおらかなものを感じます。

読み終わって、岩波書店から刊行されている『台湾の少年』を思い出しました。「高雄港の娘」というタイトルですが、『台湾の少女』と読み替えて、対になる作品として捉えてみると面白いのではないかと思います。

2025年1月のご案内

2025年1月に送信した注文書をご案内いたします。

  

今月も最初は「今月のおすすめ本」です。続いて、この正月になくなった英国の作家デヴィッド・ロッジの追悼ファクスを送信しました。そして月の半ばには、これまた毎月の「今月のおすすめ本[語学書篇]」です。

 

下旬になり、書評を受けて注文が伸び、重版が決まった『外国語を届ける書店』のファクスも送信しました。そして2月下旬に河出書房新社から新刊が刊行される韓国の作家朴。ソルメんの既刊をご案内しました。1月はいつもよりちょっと少なめのご案内でした。

いろいろと獲得しました?

本日の朝日新聞。読書欄にあたしの勤務先の刊行物は紹介されていませんでしたが、触れたくなる点がありましたので……

まずは読書欄に載っている週間ベストテン。今回は紀伊國屋書店新宿本店のランキングでした。

並居る強豪を抑え、なんと乃木坂46五期生、五百城茉央のファースト写真集が堂々の第一位です。確か、紀伊國屋書店限定カバーが発売されていたのではないでしょうか。たぶん、それが売上アップの要因の一つだと思います。

そして読書欄を過ぎて社会面へ。読売文学賞が発表されていました。ネットニュースなどでも話題になっているのは円城塔さんの受賞ですが、他にも注目ポイントがあります。

「研究・翻訳賞」に、なんとノーベル文学賞を受賞したハン・ガンさんの『別れを告げない』が受賞しました。これは翻訳の斉藤真理子さんが本作品で受賞された、ということですね。

また「評論・伝記賞」には、あたしの勤務先でもたいへんお世話になっている阿部賢一さんが受賞されています。そう言えば、円城塔さんも、あたしの勤務先の刊行物のトークイベントでゲストに来ていただいたことがあります。そんなことも思い出しました。

今日の配本(25/01/31)

ドイツ=ロシアの世紀 1900-2022(下)

シュテファン・クロイツベルガー 著/伊豆田俊輔 訳

本書は二十~二十一世紀の世界史を、百年以上にわたる独露(ソ連)の関係を中心に論じた歴史書。一般的に二十世紀は「アメリカの世紀」として評価される。しかし、二十世紀の国際政治は独露(ソ連)の関係からも大きな影響を受けてきた。本書は、二十世紀を規定した革命や戦争やテロル、独裁と民主主義の経験、社会変動や国際協調の進展(ないしその失敗)を、独露(ソ連)を舞台に論じ、二十世紀を「ドイツ=ロシアの世紀」として描き出す。

陽だまりの昭和

川本三郎 著

時代の変遷とともに人々の生活習慣や価値観も移り変わり、昭和の風物詩が消え去りつつある今、「昭和」といえば、戦争や不況、思想弾圧など昭和史の暗い面に焦点をあてて語られがちである。だが、そんな時代にも市井の人々の暮しには穏やかな時間が流れていた。本書では、「失われた昭和」の温もりを、映画や文学、流行歌や絵画などに「描かれた昭和」から多面的に浮かび上がらせる、著者ならではのエッセイ集。

何点か選んでいただきました!

書店店頭で行なわれているフェアのほとんどは出版社が企画したものだと思います。一社のフェアもあれば、複数の出版社合同のフェアもありますが、出版社主導のフェアがほとんどのような思います。

書店が独自に企画したフェアだってあるでしょ、という声も聞こえてきますが、もちろん書店員発のフェアもたくさんあります。そういうフェアを発見するととても愉しくなりますし、こちらも勉強になります。

出版社企画のフェアが多いのは、単純に自主フェアを企画(準備)する時間が書店員に不足しているためだと思います。フェアのアイデアを出すまではできても、本を選んで発注する時間が取れない、という声をよく聞きます。

そんな忙しい書店員さん企画のフェアだからこそ熱量も高くて、こちらにも伝わってくるものがあるのでしょう。そんなフェアの一つが写真のフェアです。海外文学フェアです。あたしの勤務先の刊行物も散見されます。嬉しいです。

海外文学はなかなか売れないと言われるジャンルの一つ(筆頭?)ですが、だからこそ海外文学を頑張っている書店を見つけると嬉しくなります。ちなみに、このフェアは三省堂書店成城店です。