今日の配本[25/01/19]

クワイエットルームにようこそ The Musical

松尾スズキ 著

目覚めると見知らぬ白い部屋にいた。女子専用の閉鎖病棟のなか、ショーアップするしかない悲惨を歌い上げる! 異色ミュージカル台本。

「ふらんす」100年の回想
1925-2025

倉方健作 編著

当初は『ラ・スムーズ』(種まく女)の誌名で1925年に誕生した『ふらんす』は2025年に創刊100周年を迎えた。本書は、創刊号から近年までの記事を精選し、この雑誌の足跡をたどろうと試みたものである。日本とフランスとの関わりを知るうえで貴重な資料であり、また読み物としての魅力にもあふれている。

ある呪われた学校で…

この土日でNetflixで配信されているドラマ「ある呪われた学校で…」を視聴しました。あたしはよく知らずに映画だと思って見始めたのですが、8エピソードからなるドラマでした。また見始めた時は韓国か台湾のホラーだと思っていたのですが。すぐに韓国語でも中国語でもないことに気づき、画面をよく見たらタイ文字が出ていたので、「ああ、タイの映画なのか……」と気づいた次第。

8つのエピソードはそれぞれが独立しています。同じ学校という設定でもなければ。登場人物が共通することもありません。初めの数本はなかなかおどろおどろしさにあふれていて、往年の邦画「学校の階段」をもっとグロテスクにした感じでした。ただ中盤くらいからは、若干のコメディー要素が加わって、そこまで怖いか(?)というストーリーでした。

最近の作品なので、タイの高校生もスマホを使いまくっていて、そのあたりは日本の高校生と変わりありません。そしてネットに振り回されたり、クラスメートとの競争や嫉妬に悩み苦しんでいる様子は外国とは思えません。そして、そういう人間の醜さが一番怖いという、昨今のホラーではありがちなテーマを見せられた8本でした。

ちなみに、あたしは第7話「呪い」で、もし人に対する復讐ではなく、誰かによいこと、人々に幸せをもたらすような願いをかけたら、どういう結末になっていたのかなあ、と思いました。

リーフレット

本を売るためにはポップやミニ看板など、いろいろな拡材を作りますが、その一つにリーフレットがあります。しっかりと印刷されたものほど堅苦しくなく、自社のプリンター、コピー機でちゃちゃっと作った感のあるリーフレットは、それでも本の個性がよく表われるものです。

そんなリーフレットをいくつか手に入れたのでご紹介します。

まずは完全版の刊行が業界のニュースにもなった『薔薇の名前』です。上下巻の巨冊の世界を理解するためのよき参考となるリーフレットです。

コピー用紙を二回折っただけの簡易なものですが、『薔薇の名前』を買った人なら是非手に入れて損はないリーフレットです。

続いては、昨秋、複数社で取り組んだハン・ガンフェアのリーフレットです。こちらはしっかりとデザインされ、きちんと印刷されたものですが、それでも用紙を山海折っただけのものです。

ハン・ガン作品の見取り図なども出ていて、ハン・ガンファン必携のリーフレットになっています。もちろん、あたしの勤務先の刊行物も載っています。

最後は早川書房のノンフィクション文庫のリーフレットです。いや、これはホッチキス留めされているので、リーフレットと言うよりは小冊子でしょうね。いやいや、そもそもリーフレットと小冊子の違いって何でしょう。

この小冊子にはハヤカワ・ノンフィクション文庫の五冊が取り上げられ、解説を施されています。創立80周年記念フェアの一環として作られたもののようです。

こういうリーフレットや小冊子、やはり店頭に置いてあると貰ってきてしまいがちです。たぶん本が好きな方、本屋によく行かれる方であれば、この気持ちわかっていただけるのではないでしょうか。

もうそんな季節?

梅は咲いたか、桜はまだかいな。

そんなセリフを口ずさみたくなる季節ですが、梅だってそろそろ蕾かなというくらい寒さ厳しき毎日です。ましてや桜なんて夢のまた夢。

と思っていたら、既に桜もちが並んでいました。国分寺駅ビル内のあけぼのです。左は草もちです。どちらも今シーズンの初賞味。美味しくいただきました。

ところで、草もちにはきな粉をかける派ですか、それともかけない派ですか?

三社フェアも第何弾でしょうか?

東京の西の郊外、小田急線沿線にお店を展開している久美堂。その本店で始まったフェア、最近は三社フェアとして玉川学園店で開催した後に本店へ移動して継続するというのがパターンです。

あたしの勤務先も昨年フェアに参加しましたが、その後もこのフェアは続いています。ただし昨年の後半はレジ前のフェアコーナーがカレンダーに占拠されていたのでしばらくお休みしていましたが、年が明けて行ってみたら、次のフェアが始まっていました。

今回は河出書房新社、青土社、作品社の三社のフェアが絶賛開催中でした。河出書房はともかく、青土社の作品社の本は、ふだんはあまり置かれていないと思うので(失礼!)、こうやって目に触れる機会を作ってもらうとお客さんにとっても新鮮なのではないでしょうか。

その玉川学園店ですが、三社フェアの反対側では講談社学術文庫の全点フェアが開催中でした。これだけ学術文庫が並んでいるのは壮観です。都心部の超大型店でもないと、これだけ学術文庫が並んでいる棚は見かけないです。

近隣のお客さんだけでなく、同店は玉川大学の教職員、学生さんも立ち寄るでしょうから、好きな方にはたまらない棚になっているのではないでしょうか。

話は戻って三社フェアです。青土社の棚のところにこんなチラシが置いてありました。

「青土社入門 ロングセラー 12選」として創立以来のロングセラー書籍12点が紹介されています。今回のフェアで並んでいるのがこの12点なのでしょう。一つ一つ確認したわけではありませんが(汗)。

折り畳まれたチラシの裏面には、こんな口上が書いてありました。青土社と言えば、『現代思想』と『ユリイカ』を中心に、哲学思想ジャンルで意欲的に本を刊行し続けているという印象があります。

とはいえ、この口上を読むと、哲学思想だけではなく、幅広いジャンルを手掛けていることがわかります。あたしには難しくて、高嶺の花のようなし書籍が綺羅星のごとく、というイメージです。

三社フェアのお隣、作品社も知的な、高尚な感じの本をたくさん刊行しているイメージです。河出書房もここ最近は読みたくなるような海外文学の作品をたくさん刊行しています。この三社に講談社が学術文庫が加わって、なかなかすごいことになっていますね。

今年もオタ活スタートです!

物価は上がるのに給料は上がらない、実質賃金の伸びはずーっとマイナス、そんな現実からの逃避として多くの人がオタ活に奔っているのではないでしょうか。そんな気がします。ただこの行動、いざ冷静になってみると、結局ますます困窮の度を深めることになっているわけで、オタ活に奔る前に、まずは自分の生活を健康で文化的な最低ラインにしないとならないはずなのですが……

わかっちゃいるけどやめられないのがオタ活のオタ活たる所以でしょう。あたしも同様です。

そして七年ぶりと言われる、乃木坂46のニューアルバム「My respect」を落手しました。あたしが購入したのは「完全生産限定盤」です。大きさとしては、かつてのVHSビデオパッケージのようです。

紫を基調としたデザインは、いつもの乃木坂46です。一応、「オリジナルアルバム」と謳っているようですが、大半は過去のシングルとカップリング曲ではないでしょうか。特典映像が付いているとはいえ、これって「オリジナル」と呼べるのでしょうか。あたしの感覚では「ベストアルバム」と呼んだ方がよいように思います。

前にも書いたかもしれませんが、日本の歌手、たぶんアイドルが主なのだと思いますが。シングルを数枚リリースすると、それを収録し、新曲も何曲か加えてアルバムを発売するのが一般的なような気がします。

でも、あたしがよく聞いていた80年代の洋楽アーチストはまずアルバムをリリースし、そのアルバムをひっさげてツアーを行ない、アルバムからシングルカットを何枚かリリースする、というのが一般的だったように記憶しています。日本とは真逆だなあと感じたものです。

それはさておき、午年の2026年もスタートし、オタ活初めとしては乃木坂46のニューアルバム、そして雑誌『日経エンタテインメント!』の乃木坂46特集号の購入です。日経の特集号はこれで何年連続でしょうか。今年は(今年も?)クリアファイルが付いていましたが、セブンネットショッピングではアンダーメンバーのクリアファイルが付いていたので、そちらも購入しました。

こうやって同じ雑誌を二冊買わせるのですよね。なかなか巧い商売です。だってクリアファイル、メンバーが印刷されているのは片面だけですから、両面に印刷すれば選抜とアンダー、一枚で収まったはずですから。そうしないところが、出版社の抜け目のなさだと感じます。

年が改まったわけですから……

わが家の玄関先に、シマエナガの置き物があるということはずいぶん前にこのダイアリーに書きました。シマエナガだけでなく、百均で買った観葉植物、もちろん造花も一緒に飾っていたのですが、だいぶくたびれてきたのでリニューアルすることにしました。

それが一枚目の画像です。

盆栽のような松と左側はよくわかりません。観葉植物であることは間違いないのですが、植物に詳しくないもので、何という植物なのかはわかりません。

右側の松の方は、いかにも盆栽っぽく作られていますが、もちろん今後育つこともなければ、枝の剪定に木を使うこともありません。ずーっとこのままです。ちなみに、以前の観葉植物はこちらをご覧くださいませ。シマエナガも長き星霜のため薄汚れたような気がします(汗)。

そんな三連休の最終日、国分寺のマルイでスイーツを買ってきました。今年一発目はタカノです。買ったスイーツは二枚目の画像になります。

やはりタカノですから、季節のフルーツを使ったスイーツが食べたいなあと思いまして選んだ次第。

左がイチゴを使ったスイーツ、「あまおうフレーズ」です。そして右側がメロンを使ったスイーツ、「宮古島メロンのショートケーキ」です。前者3月31日まで、後者は1月31日までの期間限定商品です。

メロンの方は年が明けてからの新商品ですので、販売期間が短いですね。メロンの仕入数が限られているからなのでしょうか。どちらも価格は1,000円(税込で1,080円)とちょっとお高いスイーツですが、新年最初のスイーツなので頑張って奮発してみました。

西では詳注本、東では注疏本?

あたしの勤務先が季節ごとに発行しているPR誌の最新号。連載記事「本棚の中の骸骨」は詳注本について書かれています。「詳注」という言葉は見てのとおりで理解できますが、記事を読んでみますと、『詳注アリス』(亜紀書房)をはじめとした膨大な注釈を備えた詳注本が紹介されています。

古典作品に注釈というのは無くてはならないもの、あって当たり前の存在だと思ってきました。あたしが学生時代に専攻していた中国の古典にも大量の注釈が施されています。同記事にも

文化的背景を掘り下げ、言葉遊びや謎々を解きあかし、深読み、斜め読み、時に遊び心に満ちた脱線をまじえつつ、そのひとつが作品論にもつながる

と書かれていて、まさしくそのとおり、本文を読んでいるのか注釈を呼んでいるのかわからなくなることすらあります。こういう注釈について話題になると思い出すのが岩波文庫の『孟子』です。

写真を見ておわかりのように、岩波文庫で上下本、二冊の『孟子』なのですが、下巻が上巻の倍くらいの厚さがあります。これについては下巻のあとがきで

この「上巻」の簡略な結論だけの記載法に対して友人や読者などより強い要望もあるので、「下巻」では結論だけではなく、一般の通説や異説などもかなり詳しく載せ、且つ必要に応じて訳注者の私見も述べて、読者の理解の便に供することにした。

と書かれていて、さらに「もしできることなら、適当な機会に「上巻」の方も若干注を増し加えて「下巻」と足並みをそろえたいものである」とも書いてあります。ただ残念ながら訳注者がその後亡くなり、上巻に手を加える機会がないまま今に至っているというわけです。

さて上掲の『詳注アリス』の詳注具合がどんなものなのかは出版社のサイトに数ページのサンプルが見られるようになっているのでご覧いただければと思いますが、中国の場合はこんな感じなんです、というのをご覧に入れましょう。それが二つめの画像です。

『書経』(しょきょう、尚書(しょうしょ)とも呼ばれます)の冒頭部分です。最初の三行はタイトルや編者名で、その次からが本文になります。まずは『尚書』の序文です。

ところが「尚書序」と書かれた後、細かい字で、一行を二行に割って書かれているのが注です。本文一行目の下の方に「疏」という大きな文字が見えますが、その上までが注になりまして、「疏」から後はその注を更に補って解説したもののことを言います。両者を合わせて中国古典では「注疏」と呼びます。本文だけでなく、注も疏も掲載されているテキストを注疏本と読んだりもします。

上段の最後の方にまた大きな文字で「古者……生焉」とあるのが本文で、そこからまた注と疏が始まります。なんと下段はほぼ疏だけで終わっています、否、まだ終わっていません。実は次のページの上段もほぼ疏で占められているのです。

またもや「本棚の中の骸骨」に戻りますと、『アリス』以外にもちくま文庫の『シャーロックホームズ全集』、作品社の『黒死館殺人事件』などいくつかの作品が詳注本として挙げられています。当たり前と言えば当たり前ですが、古典作品のみならず本文に注釈を付けるのは中国の専売特許というわけではありません。西洋にだってそういう文化、伝統があってしかるべきです。しかし、今まであたしの視野にはまるで入ってきていませんでした。

ちなみに、中国の方に目を向けますと、法蔵館から『中国注疏講義』などという本も刊行されています。注疏という者がどんなものか、注疏を活用したテキストの読み方が説かれています。

中国古典を学んだことがある人であれば『十三経注疏』を皮切りに、『通志堂経解』『皇清経解』といった書名を聞いたことがある人も多いでしょう。中国の場合は、もちろん著作を上梓する學者もたくさんいますが、伝統的に古典テキストに注を付すことで自分の考えや解釈を開陳するというのが一般的なので、ここまで注や疏がたくさん生み出されてきたようです。

2026年1月12日 | カテゴリー : 罔殆庵博客 | 投稿者 : 染井吉野 ナンシー