観てから読むか、読んでから観るか?

BSプレミアムで本日午後、映画「トロイ」が放送されます。ブラッド・ピット主演の歴史超大作です。

昼下がりの映画ですが、たぶん先月、シュリーマンの生誕200年だったということが放映の理由としてあるのではないでしょうか? なにせトロイと言えばシュリーマンですから。

本来なら、生誕200年の当日に放送したかったのかも知れませんが、なにせシュリーマンの誕生日は1月6日、正月の特番などが目白押しの時期でしょうから、この映画を差し込むことが難しかったのではないかと勝手に想像しています(笑)。

そのシュリーマンの評伝、この機会にあたしの勤務先から復刊されました。それが、そのものズバリ『シュリーマン トロイア発掘者の生涯』です。既に書店店頭に並んでいますので、ご興味のある方はお近くの本屋さんで手に取ってご覧ください。

そしてトロイア戦争に知りたいのであれば、『トロイア戦争 歴史・文学・考古学』です。考古学、歴史学の最新成果を取り込んだ一冊になっています。

映画を観て、トロイア戦争の時代に興味を持たれた方は、是非こちらの書籍も手に取っていただけると嬉しいです。できれば買っていただけるともっと嬉しいですが、図書館で借りるのでも構いません。図書館になければ購入リクエストを出してくだされば、と思います。

テレビ放送を観てから本を読むか、本を読んでから映画を観るか、どちらでもお好きな方をお楽しみください。

必要とされているのかしら?

朝日新聞の夕刊にこんな記事が載っていました。

「紙の書籍 販売額15年ぶり増」だそうです。

嬉しいニュースです。

コロナ禍で本を買う人が増えているという話は2020年にも聞かれましたが、ここへ来て本の値段が上がっていることも販売額を押し上げた一因のようです。とすると、本の晩売冊数は減っているのでしょうか?

それはともかく、このコロナ禍で出版社の営業も書店訪問を自粛している期間がありました。2020年などは数ヶ月にわたって書店を訪問できないこともありましたので、あたしたちは開店休業状態でした。同業他社の営業マンと話をしても「とっか書店へ行ってみた?」というのがあいさつ言葉になっていたくらいです。

その一方、実は書籍の売り上げ、特に専門書に関してはほとんど落ちていない、という話もしばしば聞かれたものです。もともとが小さな数字なので、上がりも下がりもしないし、少しくらい上がったり下がったりしても目立たないのかもしれません。

しかし、そういう数字が明るみに出したのは「では、出版社の営業っていままで何をしていたのか?」ということです。書店に営業に行かなくても売り上げが落ちないのであれば、交通費を使って書店に出向く必要はありません。

しかし、本当にそれでよいのでしょうか? 行かないでもできる営業が今後の主流になるのでしょうか?

2022年1月のご案内

2022年1月に送信した注文書をご案内いたします。

  

まずは毎月恒例「今月のおすすめ本」です。続いては新聞の国際面でもしばしば取り上げられているカザフスタン情勢に関する必読図書とも言える『〈賄賂〉のある暮らし :市場経済化後のカザフスタン』です。日本では他に類書はないでしょう。次にご案内するのはロングセラーとなっている『福祉国家 救貧法の時代からポスト工業社会へ』です。このところ民主主義の危機が叫ばれていますが、そういった本を読んでいるとしばしばこの「福祉国家」という言葉が出て来ます。現代社会を読み解くキーワードの一つです。

  

続いては、世界史の書籍二点がどちらも版を重ねたのでご案内しました。『ナチ・ドイツの終焉 1944-45』と『ヒュパティア 後期ローマ帝国の女性知識人』です。次は年末に刊行した新刊『ノブレス・オブリージュ イギリスの上流階級』が早々に重版となりましたのでご案内です。そしてこちらもロングセラー、『スターリン 独裁者の新たなる伝記』も改めて店頭の在庫を確認していただきたい一冊です。

最後は『中国ファクターの政治社会学 台湾への影響力の浸透』です。「中国ファクター」という言葉が朝日新聞にデカデカと載りましたので、中国問題を考える上で外せない一冊としてご案内しました。

ここまでやるのか? ここまでやるのね!

昨日のダイアリーで書店のディスプレイについて書きました。

和菓子のアン』のカバーに載っているような和菓子を再現したオブジェが飾られていました。書店の方の手作りだそうです。作品に対するヒシヒシとした愛情を感じました。

こういう書店のディスプレイは、出版社の営業としては非常に興味深いもので、最近では新宿の紀伊國屋書店で開催された《白水Uブックス》フェアの展開も印象深かったです。

そんな中でも、あたしの記憶に一番残っているのが写真の展開風景です。

先年閉店してしまった宮脇書店ヨークタウン野田店のものです。あたしが東北地方を担当していたころには年に一度か二度訪れていました。

ただ、この写真を撮ったのはYA出版会で福島地区へ研修旅行へ行ったときに撮影したものだったと思いますから、十年近く前の話です。

乃木坂46ではなく、まだまだAKB48が人気絶頂で、夏の文庫キャンペーンもAKB48が担当していた時代です。

この大きな樹が真ん中にドーンと聳え、そこにツリーハウスが作られています。樹を作るだけなら他のお店でもやっていそうですが、このツリーハウスの中が凝っています。「これはシルヴァニアファミリー?」と思ってしまいそうなクオリティーでした。

これもやはりお店のスタッフの方が手作りしているそうで、毎年のように作っていると聞きました。なんでも年が明けると、今年の夏はどんなディスプレイにしようか考え始めるのだそうです。

こんなディスプレイを作っていたスタッフの方、お店が閉店した後も他の書店で作っているのでしょうか? このツリー以外にも店内はいろいろなディスプレイであふれているお店でした。

今日の配本(22/01/28)

戦争記念碑は物語る
第二次世界大戦の記憶に囚われて

キース・ロウ 著/田中直 訳

「第二次世界大戦の記念碑」といえば、日本では広島の原爆ドームや長崎の平和祈念像、東京の靖国神社、海外では中国の南京大虐殺記念館、ポーランドのアウシュヴィッツ博物館が有名だ。戦争記念碑は犠牲者や戦禍を追悼するもの、英雄やレジスタンス、犯罪を記憶に留めるもの、復興や平和を唱えるものとして、集合的記憶を形成し、継承する目的を有する。しかし近年、韓国の慰安婦像のように、論争を巻き起こしている戦争記念碑も増えている。本書は、英国の歴史家が世界の25の戦争記念碑を訪ね、「英雄」「犠牲者」「モンスター」「破壊」「再生」に分類し、歴史の表象とその変化や議論を考察する。

次なるパンデミックを防ぐ
反科学の時代におけるワクチン外交

ピーター・J・ホッテズ 著/詫摩佳代 訳

世界中がコロナ禍に覆われてすでに2年が経つ。パンデミックは突然発生したかにみえるが、実はそうでない。
本書によれば、2015年に感染症や熱帯病が増加に転じ始めたという。かつて撲滅したはずの病が、「人新世」という新たな時代のなかで復活しつつあった。その状況下、新型コロナウイルスが世界的に蔓延する事態になったのである。人間の活動が環境に未曾有の影響を与えるという人新世。戦争と政情不安、難民危機と都市化、貧困の深刻化、気候変動が感染症や熱帯病の温床になっている。危機を克服する鍵は、意外にも冷戦期に構築された米ソの「ワクチン外交」にある。本書では、対立が激化するなかでもポリオや天然痘を制圧した両国の科学者の姿が活写されている。しかし、冷戦期とは異なり、「反科学」が大きな足枷になっている。途上国だけでなく、いやむしろ先進国においてワクチンの接種をはじめ科学的知見を拒絶する動きが巨大メディア帝国を通じてばらまかれているのだ。人新世に迫りくる多種多様な感染症との闘いにいかに向き合うべきなのか? 世界的権威による処方箋!

またまた掲載されました!

今朝の朝日新聞一面です。

つい先日も『忘却の野に春を想う』が引用されていたのですが、今朝は『新「ことば」の課外授業』からの引用です。

ふと思ったのですが、こういう掲載のされ方の場合、「掲載」と言うべきなのか、それとも「引用」と呼ぶべきなのか、どちらがふさわしいのでしょう?

先に何気なく「引用」と書いてしまいましたが、「掲載」でも不自然には感じられませんし、「折々のことばに載った」という言い方は普通に言ってしまいそうです。

もちろん「折々のことばで紹介された」「折々のことばで取り上げられた」とも言いますので、やはり引用よりは掲載の方が、この場合にはよいのですかね?

今日の配本(22/01/27)

新訳ベケット戯曲全集3 フィルム
映画・ラジオ・テレビ作品集

サミュエル・ベケット 著/岡室美奈子、長島確、木内久美子、久米宗隆、鈴木哲平 訳

わかりやすくて明快な21世紀のベケットを、すべて新訳でお届けします。表題作をはじめ、本邦初訳の「なつかしい曲」、ドゥルーズが『消尽したもの』で分析したテレビドラマ作品など、13篇を一挙収録! 幽玄夢幻の、絵になる「放送劇」。

スモモの木の啓示

ショクーフェ・アーザル 著/堤幸 訳

13歳の末娘バハールの目を通して、イスラーム革命に翻弄される一家の姿が、時に生々しく、時に幻想的に描かれる。『千一夜物語』的な挿話、死者や幽鬼との交わり、SNSなどの現代世界が融合した、亡命イラン人作家による、魔術的リアリズムの傑作長篇。

生誕140年

今日は、ヴァージニア・ウルフの生誕140年なのだそうです。

というわけで、白水Uブックスの『フラッシュ 或る伝記』をご紹介。

犬目線の、とても可愛らしい小説です。

登場する犬はコッカースパニエルだったと記憶しています。日本では犬種としての人気はどのくらいなのでしょうね?

《中国ファクター》という言葉をご存じですか?

今朝の朝日新聞です。中国問題を取り上げています。

その見出しに「中国ファクター」という単語がありますが、この言葉、ご存じでしょうか? なかなか聞き慣れない言葉だと思いますが、中国問題、特に中台関係を語る上でいまや外せない言葉の一つと言ってもよいでしょう。

ただ、日本ではまだ耳慣れない言葉だというのも事実です。しかしご安心ください。あたしの勤務先から『中国ファクターの政治社会学 台湾への影響力の浸透』という本が出ています。恐らく「中国ファクター」をタイトルに使っている書籍は日本で唯一だと思います。

また朝日新聞の記事中に名前のある呉介民氏が編著者の一人に名を連ねていますから、まさに朝日新聞の記事をさらに深く理解するには欠かせない一冊だと言えるでしょう。

ちなみに、同書の「中国ファクター」は「チャイナファクター」と読みます。