ラジオの影響力

出社すると、注文書のファクスが何枚も届いています。書評などが出た翌週は特に増えます。衰えたと言われたりもしますが、書評の影響力はまだまだバカになりません。

ところで、四大紙ですと勤務先で講読しているので週が明けると「どこに何が出た」のかすぐにわかりますので、送信されてくるファクスやかかってくる電話注文で手応えを感じられます。しかし、書評に出たという情報もないのに注文がにわかに増えるときがあります。多くの場合、地方紙で紹介されたのが理由だったりします。東京では地方紙の書評情報はすぐに入手できないので、出所をつかむまで多少のタイムラグが生じます。昨今はSNS発のヒットもあるので、TwitterやFacebookのチェックも欠かせませんが、今日の場合はラジオでした。

朝のファクスで何枚かの注文書を見かけ、新刊でもないし書評が出たという情報もないのに不思議だなと思っていました。そうこうするうちに午前中に数本の脚注電話を受けました。これはきっと何かあると思ってネットを検索してみたところ、ラジオで武田鉄矢さんが紹介してくれていたのです。

同番組では、かつて『哲学者とオオカミ』も取り上げていただき、その時もものすごい動きとなりました。ラジオの影響力ってこんなにあるんだ、と改めて感じたものです。最近の若者はもっぱらSNSばかりでテレビを見ないと言われますが、ラジオに関しては営業の車の中や職場で一日中つけっぱなしというところもあるようです。この手のラジオのリスナーとあたしの勤務先の刊行物というのは比較的親和性が高いようで、これからも要チェックです。

テレワークで必要なもの

本日もテレワークです。

テレワークも数ヶ月が過ぎ、会議は専らZOOMで開くというのが常態化しました。

となると、自宅(あるいはどこぞのスペース)で仕事をするときに必要なものがあります。ニュースなどでもしばしば取り上げられますが、会社によって対応に差があるようですね。金銭的な補助にしろ、ハード面でのサポートにしろ、しばらくやってみないと必要なものが見えてこない部分もあります。

あたしの場合、自宅にパソコンがありますが、業務で使うのに自宅の、個人所有のパソコンを使うというのはどうなのでしょうね? セキュリティーという面もありますが、そもそも論としてパソコンを持っていない人の場合、会社が買ってくれる(レンタルしてくれる)のでしょうか? スマホしか持っていないという人も多いのではないでしょうか? さすがにテレワークがスマホだけというのは厳しいでしょう。

かといって、会社でパソコンを買ってくれる(レンタルしてくれる)となると、既に所有していて、自分のパソコンを使っている人との差が出きてしまいます。既に持っている人には買って(レンタルして)もらえないのでしょうか? 人によっては自分のパソコンを仕事には使いたくないと思う人だっているはずです。

それに、テレワークですから通信しないといけませんが、その通信費って誰が負担するのでしょう? 自宅にパソコンがある人は、ほぼ間違いなくどこかしらのプロバイダーと契約しているでしょう。定額制であれば、仕事で使っても追加料金が発生することは少ないかも知れません。しかし、スマホしか持っていない人で、一番安い料金プランを使っている場合、テレワークで一気に通信量が増えた場合、追加料金が発生する可能性が高いのではないでしょうか? このあたりの追加分を会社が負担してくれるのか……

とまあ、巷間言われている、上記のような問題もあり、正直なところ、パソコンや通信費に多少の補助をしてもらいたいとは思います。会社側に要求するのは正当な権利だと思います。ただ、今はしばらくおくとして、この数ヶ月テレワークをやってみて気づいたのは、会社の書類が電子化されていない不便さです。

リモート会議に自宅から参加する場合にせよ、自宅で会社の業務を行なうにせよ、「あっ、あの書類、会社の引き出しに入れたままだ」「この前配られた書類、ファイルに綴じて机に置いてある」といったことが過半でした。これでは、仕事をするには会社へ行かなければなりません。何のためのリモートワークはわかりません。

最近でこそ、配布物がPDF化され、メール添付で配布されるようになりましたが、まだまだPDFになっておらず、紙で配付されているものがあります。これらをすべて電子化し、自宅からで取り出せる(閲覧できる)ようにしないと、本当のリモートワークはできませんね。そして、そんな環境が整ったころには、コロナも収まって、ワクチンや治療薬もできて、テレワークの必要性がなくなっているのではないかと思います。

まあ、あたしの勤務先の場合、編集部などは今後もテレワーク併用で構わないと思いますけど。

14歳という年齢は……

新刊『14歳からの生物学 学校では教えてくれない〈ヒト〉の科学』の重版が決まりました。

本書の原本はオランダの学校で使われている生物の教科書です。日本の生物学の教科書や教授内容とあまりにも違いがあることに衝撃を受けた監訳者が「これは日本に紹介しなければ」と翻訳してくださったものです。14歳の方はもちろん、広く中学生、高校生、そしてとっくに学生生活を終えている大人の方にもページを繙いていただきたい一書です。

ところで、14歳っていうのは人世の中でどういう時期に当たるのでしょうね? やはり人格形成などに非常に重要なタイミングなのでしょうか?

そう思うのは、あたしの勤務先で「14歳」が含まれたタイトルの書籍が他にもあるからです。『14歳のアウシュヴィッツ 』『14歳の国』『14歳のX計画』です。

他社を含めると、タイトルに「14歳」を含む作品はたくさん見つかります。やはりターニングポイントとなる年齢なのでしょうね。

ところで、『14歳からの生物学』の重版は今月末の出来予定です。

アニメも、映画も!

来月から人気アニメ「ゴールデンカムイ」の第三期が放送スタートです。

アニメの放送があると、そして原作コミックが発売になると売り上げが伸びるのが、アイヌ語関連の書籍、特に『ニューエクスプレス アイヌ語』は著者が同作のアイヌ語監修をされていることもあって、コミック・アニメファンには必携の一冊となっているようです。

先日は、コロナの影響で遅れていた北海道のウポポイがようやくオープンし、アイヌの民俗・民族や文化を巡るニュースが非常に増えてきています。またアニメ同様、来月には映画「アイヌモシリ」も公開になります。

この機会に、アイヌ文化フェアなど如何でしょうか?

今月のおすすめ本[2020年9月]

毎月恒例「今月のおすすめ本」です。

8月のベストテンと、今回はベストテンに中国関連書籍が2点ランクインしているので、現代中国を考えるための書籍を特集してみました。

今日の配本(20/09/07)

キリスト教会史100の日付
文庫クセジュ

ベネディクト・セール 著/武藤剛史 訳

本書は、イエスの磔刑からローマ教皇フランシスコの選出まで、およそ二千年にわたるキリスト教会の歴史をたどりながら、「教会とは何か」という問いに、多面的なアプローチを試みる。100の出来事は誰もが知っているものもあれば、そうでないものもある。出来事の主役だけでなく脇役に焦点をあてることもある。また、教皇に宣教師の派遣を要請したクビライ・ハーン、安土桃山時代のキリシタン大名・大村純忠といった、ヨーロッパから遠く離れたアジアでの出来事や、アメリカ、アフリカ、オセアニアなども取り上げている。ローマ・カトリック教会のみならず、プロテスタント教会、正教会、世界中の文化圏の教会を結びつけ、教会をひとつの定義のなかに押しこめることなく広く捉えることで、さまざまな相貌を描き出す。

新しい生活スタイルや仕事スタイル?

9月になりました。

考えてみると、もう半年近く書店営業に行っていません。他の出版社はどうなのでしょう? 都心部の大型店などは顔を出している出版社もあるみたいですが、全体的にはかつてのような沿線をこまめに回って歩くような営業は影を潜めているようです。

それが出版社の売り上げにどういう影響を及ぼしているのか、営業スタイルは今後どうなるのか、ということも気になりますし、真剣に考え、取り組まなければいけない課題ではありますが、それよりも気になるのは書店の現場です。やはり読者や、その読者と直接接する書店がどうしたいか、どうして欲しいかによって出版社の営業も変わってくると思うので。

単純に考えると、出版社の営業がぱったり来なくなって、書店の方は営業マンとの商談・雑談に取られていた時間が解放されるので、棚のメンテやお客様対応に十分な時間が取れるようになったのではないかと思います。「アポも取らずに突然忙しいときにやって来て……」と言われることの多い出版社営業がほとんど来なくなったのですから、書店現場としては万々歳なのではないでしょうか?

一方、営業マンからいろいろと貴重な情報をもらっていたのがなくなってしまって(減ってしまって)困っているという書店員はどれくらいいるのでしょう? ネット全盛の時代、営業マンが持ってくるような情報は簡単にネットから手に入れることが出来るでしょうし、更に広範な情報が手に入ると思います。「書店でパソコンの前に座っている時間なんてないよ」という意見もあるでしょうけど、それこそ営業マンとの会話の時間がなくなったぶん、その時間をネットでの情報収集に使えば営業マンと話をする以上の情報を得ることができるようになったのではないでしょうか。

とまあ、書店現場に足を運んでいないと、そんな妄想というか想像が頭の中に浮かんできます。この半年、皆無とは言えないまでも、以前と比べればほとんどなくなったと言える出版社の訪問営業、その影響がどんな風に現われているのか、誰かレポートしてくれないでしょうか?

増刷決定です

夏の初めに刊行した『パトリックと本を読む 絶望から立ち上がるための読書会』の重版が決まりました。この間、紹介が何回かあり、そのたびに注文が集まり、気づくと在庫が底をつくような状態になっていました。

本書は、読書が人を助けるとか、人生を豊かにするといったありきたりな内容の作品ではありません。もっと現実はシビアです、苛酷です。希望を持ちすぎてもいけないし、持たないのもよくない、そんなことがわかると思います。

そして本書の紹介が続き、じわじわと売り上げが伸びて行っている背景の一つとして、アメリカの黒人差別問題が挙げられます。本書を読むと、アメリカ社会の根深い差別、貧困、絶望などが理解できると思います。

今月末には出来ますので、この機会に是非。