定番商品が抜けていませんか?

コロナウイルスの自粛で休業していた書店も、6月になり再開したところが多いです。およそ二か月の休業が明け、休業前に売れたもの、再開後に一気に売れてしまったものの補充が追いついていないお店も多いのではないでしょうか?

というわけで、棚の定番商品と思われる商品を最小限選び、注文書に仕立ててみました。ジャンルは文芸、芸術、そして語学です。再開して約一か月、忙しさに紛れてこういった商品の補充が追いついていない可能性は大いにあるでしょう。

特に出版社の営業が訪問していないので、営業が棚をチェックすることもほぼできていませんから、せめてこの一覧で棚をチェックしていただければ幸いです。

思いのほか、ビザンツ出版社でした

中公新書から『ビザンツ帝国 千年の興亡と皇帝たち』が刊行されました。ものすごくそのものズバリなタイトル、とっくに同じタイトルの本が出ていたのではないかと思ってしまうほどストレートです。しかし、どうやら中公新書ではお初のようです。

著者は中谷功治氏。あたしの勤務先でも『ビザンツ 驚くべき中世帝国』(残念ながら現在品切れ)の訳者に名を連ねています。つまり、あたしの勤務先でもビザンツ帝国に関する書籍を刊行しているということです。

いえ、「刊行している」なんて他人事のような書き方は正確ではありません。むしろ日本の出版社の中ではビザンツ帝国に関する書籍の刊行が多い方に入るのではないでしょうか? その証拠に本書巻末の参考文献に、あたしの勤務先の刊行物が多数掲載されています。主に文庫クセジュですが、在庫のあるものでタイトルを挙げてみますと以下のようなものがあります。

コンスタンティヌス その生涯と治世

ベルトラン・ランソン 著/大清水 裕 訳

キリスト教を認め、自ら信徒となった初のローマ皇帝。キリスト教信仰が前面に出る傾向があるが、新都創建につながる多くの建設事業を手掛けるなど皇帝としての施策の評価も記述。

ディオクレティアヌスと四帝統治

ベルナール・レミィ 著/大清水 裕 訳

紀元後3世紀、危機的状況にあったローマ帝国を立て直し、さらに数百年間存続させることを可能にした改革事業と、四帝統治体制の成立から結末までを、近年の研究に基づいて解説。

古代末期 ローマ世界の変容

ベルトラン・ランソン 著/大清水 裕、瀧本 みわ 訳

3~6世紀の地中海世界(末期ローマ帝国)を衰退期とみなすのではなく、新たな社会が生まれた時代としてとらえている。古代から中世への変遷を行政、宗教、芸術面など多角的に叙述。

ヨーロッパとゲルマン部族国家

マガリ・クメール、ブリューノ・デュメジル 著/大月 康弘、小澤 雄太郎 訳

ローマと蛮族の接触によって、西欧社会はどう変容したのか。最新の研究成果を盛り込み、ゲルマン人諸部族の動勢に的確な展望を与える。

皇帝ユスティニアヌス

ピエール・マラヴァル 著/大月 康弘 訳

かつての地中海世界を取り戻そうとした、6世紀のビザンツ皇帝――ユスティニアヌスは、西欧法体系の礎『ローマ法大全』を完成させた。その多彩な事績を示す、信頼のおける歴史書。

なお、参考文献で挙がっている『歴史学の慰め アンナ・コムネナの生涯と作品』はまもなく刊行予定ですので、しばしお待ちください。

歴史学の慰め アンナ・コムネナの生涯と作品

井上 浩一 著

歴史が男の学問とされていた時代に、ビザンツ帝国中興の祖である父アレクシオス一世の治世を記した、皇女の生涯をたどり作品を分析する。

また参考文献には挙がっていませんが、やはり文庫クセジュの最新刊『ローマ帝国の衰退』もビザンツ帝国に関連する記述に溢れています。

ローマ帝国の衰退

ジョエル・シュミット 著/西村 昌洋 訳

文明は「歴史の苦難や破局を乗り越えて存続するもの」という見地から、いまもヨーロッパに刻印を残し続ける「ローマ」を描き出す。

ちょくちょく紹介されています

経済活動を再開したら新規感染者がみるみる増えてしまっている東京。果たして、この後どうなるのでしょうか?

とはいえ、ものが売れないとこちらも給料がもらえません。書店が通常どおり営業を始めているのは嬉しいことではあります。あとはお客様もそうですが、書店で働く方たちがコロナに感染しないことを、かかっても重症化せずに済むよう祈るしかありません。

さて、多くの書店も春先から二か月程度休んでいたところが多かったと思います。それでも毎週の新聞書評は休むことなく発表され続けていました。あたしの勤務先の書籍も少しばかり紹介されています。営業していないと、何が入荷しているのか(入荷していないのか)、何が売れているのか、書店の方も感覚的につかみにくいと思います。

というわけで、この間の書評掲載本を集めて注文書に仕立ててみました。既に棚に並んでいるなら構いませんが、「入荷がなかった」とか、「入ったけど売れてしまっている」といったものがありましたら、是非とも補充をよろしくお願いします。

天声人語、です

今朝の朝日新聞一面「天声人語」にジンメルの社会学が引かれています。

 

同書の邦訳は、恐らくあたしの勤務先から出ている『社会学(上)』『社会学(下)』の上下本だけだと思います。

ちょっと大部ではありますが、ご興味を持たれた方、是非どうぞ。

2020年7月の広告予定

1日 パトリックと本を読む/上海フリータクシー/知のFG 異なる声に耳を澄ませる、生命の根源を見つめる(北海道、中日、西日本、信濃毎日、神戸)

19日 ナポレオン戦争/ホーム・ラン/歴史学の慰め/土星の環[新装版](河北)

20日 ナポレオン戦争/ホーム・ラン/歴史学の慰め/土星の環[新装版](京都)

※都合により掲載日、掲載書目が変更になる場合がございますので、ご了承ください。

書籍も刊行になります

朝日新聞の夕刊です。

舞台の情報が載っているのですが、無料配信ということで、ちょっと気になる方も多いのではないでしょうか?

この舞台、書籍版も刊行になります。既にウェブサイトには情報が載っていますが、『未練の幽霊と怪物 挫波/敦賀』です。7月の刊行ですので、あと一か月ほどお待ちください。

舞台の配信に関する情報はチェルフィッチュのウェブサイトをご覧ください。

来月、スタートです

来月17日から東京ステーションギャラリー《開校100年 きたれ、バウハウス》展が始まります。

9月6日までの長丁場、約一ヶ月半という会期、そして会場が東京駅という好立地、それなりの人が参観するのではないでしょうか? 都内各所にポスターが貼られることでしょうから、自粛期間が明け何か展覧会でも見に行きたいなあと思っていた人にとっては格好のイベントの一つでしょう。

そして、既にこれに呼応するかのように、『バウハウスってなあに?』の注文が伸びています。ここ最近の出荷冊数は驚異的な伸びです。

とはいえ、やはりまだ展覧会に気づいていない書店もあるでしょうし、発注しなきゃと思いつつも忘れていた書店員の方もいるでしょう。なので、こちらからちょっとご案内です。

バウハウス関連の書籍、多いとは言えなくとも、そこそこ出版されています。ただ専門的で高額なものが多いので、子供にも理解でき、お値段も手頃な本書は、まず最初の一冊としてもっともふさわしいと思います。

今日の配本(20/06/24)

ピジン・クレオル諸語の世界
ことばとことばが出合うとき

西江雅之 著

ピジン、クレオルはいかに生まれ、どのように形成されていくのか。異なる言語の出合いをとおして人間の言語とは何かを考える。

ナポレオン戦争
18世紀の危機から世界大戦へ

マイク・ラポート 著/楠田悠貴 訳

初めての世界大戦にして、初めての総力戦はいかに戦われたか? 師団の創設からトリアージの開発まで、すべてを変えた戦争の全体像。

第二弾と言いますか…

本日の朝日新聞読書欄で、新刊『英語原典で読む現代経済学』が紹介されました。同書の目次を簡単にご紹介すると

第1章 E・H・カー/第2章 フリードリヒ・A・ハイエク/第3章 カール・ポランニー/第4章 シュンペーター/第5章 サムエルソン/第6章 フリードマン/第7章 ガルブレイス/第8章 知識人と社会主義/第9章 シュンペーターの民主主義論/第10章 ニュー・エコノミックスと古き良き時代/応用編 経済英文の読み方(1) サムエルソン=ノードハウス/応用編 経済英文の読み方(2) ハイルブローナー=ガルブレイス

という構成です。「現代」とは謳っていても、変化の激しい経済学の世界では「現代」も常に過去になっているのでしょうが……

記事中にもありますように、本書は既刊『英語原典で読む経済学史』の続編的な作品です。こちらの目次は

第1章 アダム・スミス/第2章 デイヴィッド・リカード/第3章 ジョン・スチュアート・ミル/第4章 限界革命/第5章 アルフレッド・マーシャル/第6章 ケインズ革命前夜/第7章 ケインズ

です。いずれもタイトルどおり、それぞれの経済学者の主要著作の原文を英日対訳で掲載しています。原文で味わいたい方、でも原書を読むのはちょっとしんどい、という方にお薦めです。