森涼子 著
ドイツ語の語彙は、接頭辞や接尾辞などを覚えるとシステマティックに増やせます。単語を構成する部分の意味を整理して学びましょう。
香港情勢を考えるのに歴史の教訓から学ぼうとハンガリー動乱について触れています。
このコラムで取り上げられているのは、みすず書房の『ヨーロッパ戦後史(上)1945-1971』『ヨーロッパ戦後史(下)1971-2005
』ですが、ハンガリー動乱とくれば、あたしの勤務先でも関連書籍を出しています。
そのものズバリ、『ハンガリー革命 1956』です。現在在庫僅少ですが、真正面からハンガリー革命、ハンガリー動乱を扱った一冊です。
また全体を俯瞰するには『鉄のカーテン(上) 東欧の壊滅1944-56』『鉄のカーテン(下) 東欧の壊滅1944-56
』といった本もあります。そして、その東欧が最終的にどうなってしまったのかに関しては『東欧革命1989 ソ連帝国の崩壊
』が最適でしょう。
そしてこのコラムを読んで思ったのですが、例えば書店店頭でフェアをやるのに、「強権」をキーワードにした場合には、香港や中国共産党に関する本ばかりを集めるのではなく、その鑑としてのソ連や東欧の歴史を振り返ったような書籍も一緒に並べてみるのも方法なんだなあと考えさせられました。
新刊『ナポレオン戦争 十八世紀の危機から世界大戦へ
』の動きがよいです。
ナポレオンの評伝などはたくさんありますし、大革命からナポレオンに至るフランス史を扱った書籍も数え切れないくらいあるでしょう。そんな中で本書がよく売れているのは、サブタイトルからもわかる通り、その着眼点が特異だからではないでしょうか。公式サイトの内容紹介には
ナポレオン戦争を、先行するフランス革命戦争と統一的に把握するという視点を打ち出し(両戦争を「フランス戦争」と呼ぶ)、十八世紀というより長期のスパンで戦争の意味について考える。こうした視座は、ナポレオンの呪縛からこの戦争を解き放つことを意味する。また、最新の知見を動員して、この戦争が初めての「世界大戦」であり、「総力戦」であったことを明らかにする。苛烈な戦闘は、いつしか敵と味方という観念を溶解させ、犠牲者の国籍も、兵士なのか民間人なのかもはっきりしない、戦争の無差別的な性格が眼前に立ち現れる。
とありますが、これが本書の評価されている点だと思います。
ところで、本書一緒に併売したらよさそうな書籍、あたしの勤務先でしたらどんなものがあるでしょうか?
誰もが思い当たるのは『コンドルセと〈光〉の世紀 科学から政治へ』と『ロベスピエール
』だと思います。王道と言えば王道の選書です。同じ四六判の書籍ですから、横に並んでいても違和感はありません。
でも、ナポレオンとそのバックグランドに着目したときにはこんな書籍は如何でしょう?
文庫クセジュの『コルシカ島』と『コルシカ語
』です。コルシカ島はナポレオンの生まれ故郷、また若きころのナポレオンはコルシカ訛りを笑われたというエピソードも読んだことがあります。
そんなナポレオンのバックグランドしてのコルシカにスポットをあててみるのも面白いかと思います。
朝日新聞の夕刊で、出口治明さんが『ハドリアヌス帝の回想』を紹介してくださいました。
その効果てきめん、売り上げが一気に伸びています。
本書はもちろんロングセラーであり、ベストセラーです。ずーっと売れています。
そして、出口さんが本書を薦めてくださるのも一度や二度のことではありません。過去にもちょっとしたインタビューなどで署名を上げてくださっただけで売り上げが跳ね上がりました。今回もまた同じ現象が起きています。
これだけコンスタントに売れる本、店頭で在庫切れになっていないでしょうか?
井上浩一 著
歴史が男の学問とされていた時代に、ビザンツ帝国中興の祖である父アレクシオス一世の治世を記した、皇女の生涯をたどり作品を分析。
W・G・ゼーバルト 著/鈴木仁子 訳
〈私〉という旅人は、破壊の爪痕を徒歩でめぐり、荒涼とした風景に思索をよびさまされ、つぎつぎに連想の糸をたぐる。解説=柴田元幸。
まだ店頭に並ぶまでには数日ありますが、ゼーバルトの『土星の環 イギリス行脚』で新装版は四冊目となります。そして、これにていったんおしまいです。
『アウステルリッツ』『移民たち 四つの長い物語
』『目眩まし
』と続いてきたわけですが、お陰様でどの巻も好評をもって迎えられました。今回はこの四冊で、特に《ゼーバルト・コレクション》と銘打つわけでもなく、全何巻と謳うわけでもなければ、この四冊に巻数が振られることもありませんでした。
それぞれをそれぞれで楽しんでいただければ幸いです。
出口治明さんが『ハドリアヌス帝の回想』を取り上げてくださいました。
出口さんがこれまでに何度も、この書籍を紹介してくださったり、さまざまな場で取り上げてくださっています。本当にありがたいことです。かつて紹介いただいたときには、「無人島に何か一冊だけ本を持って行くとしたら『ハドリアヌス帝の回想』だ」と答えていたのが個人的には印象に残っています。
中学生のころだったと思うのですが、当時大ヒットした映画「エレファントマン」が「4K修復版」として改めて公開されるそうです。
当時の中学生にとっては、感動作品と言うよりも、主人公の奇形が面白おかしく喧伝されていたような印象しか持っていません。なんとも罰当たりな記憶です。当時は映画館へ見に行くということはなく、かなり後になってからテレビで放映されたのを見ましたが、少しは大人になっていたので、感動を味わうことができました。
さて、なんで「エレファントマン」の話を出したかと言いますと、この「4K修復版」というのが気になったからです。というのも、あたしの勤務先から出ている『海の上のピアニスト』を原作とする映画もこのたび「4Kデジタル修復版」として公開されることになったからです。
「エレファントマン」に対して「デジタル」の4文字の有無は特に違いはないのだと思いますが、こちらは更に「イタリア完全版」とも表記されています。既に何年も前に公開されていたものとは、ちょっと内容が異なるのでしょうね。ストーリーが違うのではなく、カットされていたシーンが追加されているとか、別のアングルの映像が使われているとか、そんなことなのでしょうか?
さて、もう一つ、これは映画原作とか、そういうものとは関係ないのですが、「バルーン 奇蹟の脱出飛行」という映画です。この映画に特に原作はないようですが(少なくとも邦訳では)、あたしがお勧めするのは『監視国家 東ドイツ秘密警察に引き裂かれた絆』です。どんな本かと言いますと、
東ドイツの秘密警察、「シュタージ」(国家保安省)は、国民生活のありとあらゆるところに監視の網を張り巡らし、そのすべてを膨大なファイルに収集していた。そればかりか、国民6.5人に1人が隣人を監視し、密告する側に立つという恐るべき体制を、「ベルリンの壁崩壊」まで維持していたのだ。
体制最後の日、シュタージ・ファイルは局員によってシュレッダーにかけられたが、それをつなぎ合わせる作業が現在、続いている。すべてつなぎ合わせれば180キロの長さに達し、修復作業は375年かかると言われている……。
本書は、シュタージに人生を狂わされた人びとにインタビュー取材し、全体主義国家における「超管理社会」の恐怖が肉声で明かされる、超一級のノンフィクションだ。
16歳のミリアムは体制に不満を感じ、友人と共にベルリンの壁を越えようと試みる。しかし、あと一歩のところで逮捕され、シュタージに厳しい尋問と残酷な拷問を受け、結局、刑務所に収監される。出所後に知り合って結婚した夫チャーリーも、西への逃亡未遂でシュタージに逮捕される。しかし突然、ミリアムのもとに夫の死亡通知が届く。愕然とした彼女は真相を追求すべく奮闘するが、死亡の理由は闇の中で、今は深い無力感に苛まれている……。
そのほか、旧体制に固執する元シュタージ幹部の驚倒の本音、恋人との仲を裂かれた女性の茨の道など。本書は、英国の優れたノンフィクション作品に授与される〈サミュエル・ジョンソン賞〉を受賞している。(解説=船橋洋一)
です。いかがでしょう、映画の原作とまでは言えなくとも、元ネタのような一冊ではありませんか?
さらに、この秋にはジャック・ロンドン『マーティン・イーデン』を原作とする映画「マーティン・エデン」の公開も控えています。