うちでも出しています

朝日新聞第一面の「折々のことば」です。今日登場しているのは『パンセ』です。

『パンセ』は多くの翻訳がありますが、最後の訳者の名前を見ると、今回は「中公文庫」版ではないかと思われます。この手の古典作品ですと「岩波文庫」版が使われることが多いのかなと思いましたが、違いましたね。

ちなみに、あたしの勤務先からも『パンセ』は出しておりまして、文庫ではなく単行本なのですが、実はよく売れています。ロングセラーです。年間で売り上げ順位を出してみると、毎年しっかり上位に食い込む人気商品です。

この機会に、改めて手に取って見るのは如何でしょうか?

コッカー・スパニエルというのがどういう犬なのか、あたしはよくわかっていません

新刊『フラッシュ 或る伝記』が好調です。もうじき重版が出来上がってくる予定です。

本書の著者はヴァージニア・ウルフですから、一定数の読者、ファンはいるでしょう。ですから、そういう方々がまずは購入してくれているのだと思います。

でも、本書の場合、主人公は犬です。ヴァージニア・ウルフより少し前の時代に実際に存在した詩人とその飼い犬の物語で、それをウルフは飼い犬の視点で描いている作品なのです。ですから、ヴァージニア・ウルフの作品と言うよりも、犬好きのための小説として知られた方がより広範囲な読者を獲得できるのではないかと思います。

ということで、重版に当たって用意したポップは、犬のイラストを大きく扱って、イヌ派の読書人にアピールしています。作品に登場する犬がコッカー・スパニエルなので、そのイラストになっていますが、あたしはこの犬種についてはよく知りません。もちろん犬種自体は知っていましたが、その言葉を知っているというだけで、どんな特長があるのか、原産国はどこなのか、そういったことはまるで知りません。

でも、それくらいの知識の人間でも、この作品は大いに楽しめましたし、多くの犬好きの人に読んでもらいたい一冊です。

定番商品が抜けていませんか?

コロナウイルスの自粛で休業していた書店も、6月になり再開したところが多いです。およそ二か月の休業が明け、休業前に売れたもの、再開後に一気に売れてしまったものの補充が追いついていないお店も多いのではないでしょうか?

というわけで、棚の定番商品と思われる商品を最小限選び、注文書に仕立ててみました。ジャンルは文芸、芸術、そして語学です。再開して約一か月、忙しさに紛れてこういった商品の補充が追いついていない可能性は大いにあるでしょう。

特に出版社の営業が訪問していないので、営業が棚をチェックすることもほぼできていませんから、せめてこの一覧で棚をチェックしていただければ幸いです。

思いのほか、ビザンツ出版社でした

中公新書から『ビザンツ帝国 千年の興亡と皇帝たち』が刊行されました。ものすごくそのものズバリなタイトル、とっくに同じタイトルの本が出ていたのではないかと思ってしまうほどストレートです。しかし、どうやら中公新書ではお初のようです。

著者は中谷功治氏。あたしの勤務先でも『ビザンツ 驚くべき中世帝国』(残念ながら現在品切れ)の訳者に名を連ねています。つまり、あたしの勤務先でもビザンツ帝国に関する書籍を刊行しているということです。

いえ、「刊行している」なんて他人事のような書き方は正確ではありません。むしろ日本の出版社の中ではビザンツ帝国に関する書籍の刊行が多い方に入るのではないでしょうか? その証拠に本書巻末の参考文献に、あたしの勤務先の刊行物が多数掲載されています。主に文庫クセジュですが、在庫のあるものでタイトルを挙げてみますと以下のようなものがあります。

コンスタンティヌス その生涯と治世

ベルトラン・ランソン 著/大清水 裕 訳

キリスト教を認め、自ら信徒となった初のローマ皇帝。キリスト教信仰が前面に出る傾向があるが、新都創建につながる多くの建設事業を手掛けるなど皇帝としての施策の評価も記述。

ディオクレティアヌスと四帝統治

ベルナール・レミィ 著/大清水 裕 訳

紀元後3世紀、危機的状況にあったローマ帝国を立て直し、さらに数百年間存続させることを可能にした改革事業と、四帝統治体制の成立から結末までを、近年の研究に基づいて解説。

古代末期 ローマ世界の変容

ベルトラン・ランソン 著/大清水 裕、瀧本 みわ 訳

3~6世紀の地中海世界(末期ローマ帝国)を衰退期とみなすのではなく、新たな社会が生まれた時代としてとらえている。古代から中世への変遷を行政、宗教、芸術面など多角的に叙述。

ヨーロッパとゲルマン部族国家

マガリ・クメール、ブリューノ・デュメジル 著/大月 康弘、小澤 雄太郎 訳

ローマと蛮族の接触によって、西欧社会はどう変容したのか。最新の研究成果を盛り込み、ゲルマン人諸部族の動勢に的確な展望を与える。

皇帝ユスティニアヌス

ピエール・マラヴァル 著/大月 康弘 訳

かつての地中海世界を取り戻そうとした、6世紀のビザンツ皇帝――ユスティニアヌスは、西欧法体系の礎『ローマ法大全』を完成させた。その多彩な事績を示す、信頼のおける歴史書。

なお、参考文献で挙がっている『歴史学の慰め アンナ・コムネナの生涯と作品』はまもなく刊行予定ですので、しばしお待ちください。

歴史学の慰め アンナ・コムネナの生涯と作品

井上 浩一 著

歴史が男の学問とされていた時代に、ビザンツ帝国中興の祖である父アレクシオス一世の治世を記した、皇女の生涯をたどり作品を分析する。

また参考文献には挙がっていませんが、やはり文庫クセジュの最新刊『ローマ帝国の衰退』もビザンツ帝国に関連する記述に溢れています。

ローマ帝国の衰退

ジョエル・シュミット 著/西村 昌洋 訳

文明は「歴史の苦難や破局を乗り越えて存続するもの」という見地から、いまもヨーロッパに刻印を残し続ける「ローマ」を描き出す。

ちょくちょく紹介されています

経済活動を再開したら新規感染者がみるみる増えてしまっている東京。果たして、この後どうなるのでしょうか?

とはいえ、ものが売れないとこちらも給料がもらえません。書店が通常どおり営業を始めているのは嬉しいことではあります。あとはお客様もそうですが、書店で働く方たちがコロナに感染しないことを、かかっても重症化せずに済むよう祈るしかありません。

さて、多くの書店も春先から二か月程度休んでいたところが多かったと思います。それでも毎週の新聞書評は休むことなく発表され続けていました。あたしの勤務先の書籍も少しばかり紹介されています。営業していないと、何が入荷しているのか(入荷していないのか)、何が売れているのか、書店の方も感覚的につかみにくいと思います。

というわけで、この間の書評掲載本を集めて注文書に仕立ててみました。既に棚に並んでいるなら構いませんが、「入荷がなかった」とか、「入ったけど売れてしまっている」といったものがありましたら、是非とも補充をよろしくお願いします。

天声人語、です

今朝の朝日新聞一面「天声人語」にジンメルの社会学が引かれています。

 

同書の邦訳は、恐らくあたしの勤務先から出ている『社会学(上)』『社会学(下)』の上下本だけだと思います。

ちょっと大部ではありますが、ご興味を持たれた方、是非どうぞ。

2020年7月の広告予定

1日 パトリックと本を読む/上海フリータクシー/知のFG 異なる声に耳を澄ませる、生命の根源を見つめる(北海道、中日、西日本、信濃毎日、神戸)

19日 ナポレオン戦争/ホーム・ラン/歴史学の慰め/土星の環[新装版](河北)

20日 ナポレオン戦争/ホーム・ラン/歴史学の慰め/土星の環[新装版](京都)

※都合により掲載日、掲載書目が変更になる場合がございますので、ご了承ください。

書籍も刊行になります

朝日新聞の夕刊です。

舞台の情報が載っているのですが、無料配信ということで、ちょっと気になる方も多いのではないでしょうか?

この舞台、書籍版も刊行になります。既にウェブサイトには情報が載っていますが、『未練の幽霊と怪物 挫波/敦賀』です。7月の刊行ですので、あと一か月ほどお待ちください。

舞台の配信に関する情報はチェルフィッチュのウェブサイトをご覧ください。