高い本だから? 高い本でも? 高い本だからこそ?

タイトルに書きました「高い本」とは、新刊の『ラヴェンナ』のことです。

A5判で、552頁、本体価格が8700円、税込では9570円という大著です。

この本がどうしたかと言いますと、まだ刊行からそれほど時間が経っていないのですが好調なのです。もちろん、どの書店でもバカバカ売れている、というわけにはいきませんが、売れるべき書店ではしっかりと売れていまして、追加注文も入り始めています。

先週、関西ツアーに出かけましたが、三日で京阪神三都という駆け足でしたので、大型店中心の訪問になりましたが、それが必然的に本書が売れるべき書店と重なりました。そして、確かに回った書店のいくつかでは既に結果が出ていまして、あたしのセールストークで追加注文も上がりました。

ボリュームのある本ですから、一冊でも売れれば大きいです。ただし、この価格なので、書店の注文はやや抑え気味、少なめな書店も見受けられました。しかし、やはり実際に足を運んで書店の方と顔を合わせて話をすると、「うん、もう少し売れそうだね、追加します!」という声をいただけました。

コロナ禍で直接顔を合わせる機会が減っていますが、顔を合わせないままでも、それなりの追加注文が上がったのでしょうか? もちろんメールやファクス、電話などの営業も可能ですが、お互いに面識がないと、ファクスやメールはスルーされそうです。

こんな考えはやはり古いのかしら、と思いつつ、やはりこういう本こそしっかり顔を見て話をしたいものだと、今回改めて思った次第です。ただ、公休日などの関係でお目にかかれなかった方には申し訳ないところですが。

2022年9月のご案内

2022年9月に送信した注文書をご案内いたします。

   

まずは突然訃報が飛び込んできたゴルバチョフ氏の評伝です。日本のテレビや新聞でもこの訃報の扱いは大きかったですね。続いては毎月恒例「今月のおすすめ本」です。次は、まもなく始まる中国共産党大会に合わせて、中国現代政治に関する書籍のご案内です。そして、NHKの人気番組「100分de名著」に中川先生が登場するので、著書である『ニューエクスプレスプラス アイヌ語』です。

   

次にご案内したのは、刊行一か月も待たずに重版が決まったUブックスの『アーモンドの木』です。そしてこちらも刊行即重版となった『しくみが身につく手話入門』です。次は、劇団四季のミュージカルがまもなく始まる『美女と野獣』です。最後にご案内したのは、NHK語学テキストの広告と連動した「今月のおすすめ本・語学書篇」です。

今日の配本(22/09/29)

家の本

アンドレア・バイヤーニ 著/栗原俊秀 訳

記憶にある最初の家は、おむつをしている「私」が祖母や両親、姉と、そして亀と暮らしていたところだ。やがて、放課後によく通った同級生の女の子の家、ぎこちない空気が重苦しかった親戚の家、ブラインドの空き具合が示す禁断の愛のメッセージを、息をつめてひたすら見上げた家、親が待つ家に帰りたくないがために入り浸った学生仲間の散らかった家、新しい家族を築いていった希望に満ちた家などが、そこにいた人々とともに思い浮かんでくる。なかには、大切な家族が病と闘っていた大きな施設もある。長年持ちつづけてきた家具を、やがて手放すことになった家もある……。家はいつだって見守っている。「私」が過ごしてきた家々が語る、「私」の人生の光と影。

キューバ・ミサイル危機(下)
広島・長崎から核戦争の瀬戸際へ

マーティン・J・シャーウィン 著/三浦元博 訳

原爆開発から冷戦下の核軍拡競争に至る文脈に絶体絶命の危機を位置づけ、ピュリツァー賞受賞の歴史家が13日間の一触即発の攻防を描く。

国境を越えるためのブックガイド50

小川忠 編

本書は一般的な意味でのブックガイドとは異なる。本書は、日本最大の公的国際交流機関である、国際交流基金の職員が、自分たちの「愛読書」を取り上げ、それらを通じて、国際文化交流に懸ける自らの思いを語っている。

今日の配本(22/09/28)

エバ・ルーナ

イサベル・アジェンデ 著/木村榮一、新谷美紀子 訳

わたしの名はエバ。生命を意味している―南アメリカの或る独裁制国家、密林の捨て子だった母親と先住民の庭師との間に生まれた娘エバは、人間の剝製法を研究する博士の屋敷を振り出しに様々な家を転々としながら大きくなる。天から与えられた彼女の才能はお話を語ること。世話好きな黒人の料理女、街の不良少年、娼婦の元締めの女将、夜ごと羽飾りに身を包み絶世の美女と化す語学教師、辺境の町で商店を営むアラブ人、ゲリラの指導者、高級将校、オーストリア移民の若き報道カメラマンなど、流浪のなかでエバは多くの人々と出会い、やがて愛を知り、物語の語り手としての人生を切り開いていく。20世紀の歴史を背景に展開する波瀾万丈、奇想天外な挿話と、エバの語る物語の数々。『精霊たちの家』で世界中を虜にした〈現代のシェヘラザード〉アジェンデが、驚異のストーリーテリングで読者を魅了する傑作長篇。

シリーズもののタイトル表記

岩波書店から『台湾の少年』という本が出ています。絵本と言うには内容が重いので、いわゆる「大人向け絵本」というジャンルにでも相当するのでしょうか?

それはともかく、この『台湾の少年』は現在第一巻第二巻が刊行済みで、近く第三巻が刊行されます。年内には第四巻が出て完結だそうです。その『台湾の少年』をアマゾンの検索窓に入力して検索した結果が右の画像です。

最初にこの『台湾の少年』が三つ並んで表示されたのはさすがと言えますが、あたしが気になったのはこのタイトルです。

台湾の少年 1 統治時代生まれ
台湾の少年 2 収容所島の十年
台湾の少年: 戒厳令下の編集者 (3)

と表記されています。わざわざアマゾンが表記をいじくるとは思えませんので、この表記は岩波書店の担当者が登録したままなのでしょう。第三巻になると(3)とカッコ付きで表記され、なおかつ副題は先に来ています。正題と副題との間に「:」なんかも挟まっています。

こういうシリーズものの表記の揺れ、あたしって気になって仕方がないんですよね。もちろん、あたしの勤務先の刊行物にもこういった不統一は多々ありますので、見つけたときには担当者に訂正をお願いしますが、すべてが直りきっていないことでしょう。情けないことです。

要人来日

国論を二分している国葬ですが、それに合わせて海外から要人が続々と来日しているようです。この際、エリザベス女王の国葬に集った顔ぶれと比較するなんて野暮なことはやめて、要人に関連する本を二点ほどご紹介します。

まずはインドのモディ首相関連の本です。あたしの勤務先からは『モディが変えるインド』という本を刊行しております。

モディ首相は、なんとなく日本では比較的好感度が高いように感じますが、現代インドに関する本を読んでいると、なかなかどうして一筋縄ではいかない人物ですね。多民族・多言語だけでなく、多宗教なインドを束ねるのは大変だと思いますが、ヒンズー教を押し立てて国を動かしているようなので、反発も強いそうです。中国に続いて世界の大国と呼ばれるようになってきたインドですが、中国のように順調に先進国の仲間入りを果たすことができるのでしょうか?

もう一点は、アメリカから来日するハリス副大統領に関連して、そのものズバリ『アメリカ副大統領』です。ハリスさん自身を扱った書籍は、この数年で何冊も(他社から)刊行されましたが、アメリカの副大統領という職務にフォーカスした本は他にはないのではないでしょうか?

アメリカ副大統領という職も大統領選挙の時には多少は関心を引きますが、ほとんどの日本人は副大統領が誰かなんて知らないことでしょう。いや、アメリカ人だとどれくらいの人が知っているのでしょうかね? ハリスさんは「初もの」尽くしだったので話題になり、副大統領としては抜群の知名度でしょうけど、歴代の副大統領ってどれくらいご存じでしょうか。

今日の配本(22/09/26)

ラヴェンナ
ヨーロッパを生んだ帝都の歴史

ジュディス・ヘリン 著/井上浩一 訳

ローマ帝国の中心がコンスタンティノープルに移った4世紀末、西方に新しい都が台頭する。イタリアの都市ラヴェンナにおいて、アリウス派のゴート人とカトリックのローマ人は競って、比類なき建造物とモザイクを次々と創りだした。以来300年にわたりこの町は、学者・法律家・職人・宗教人を魅了し、まぎれもない文化的・政治的首都となる。この特筆すべき歴史をみごとに蘇らせて、本書はイスラーム台頭以前の地中海世界の東西の歴史を書き変え、ビザンツ帝国の影響下にラヴェンナが、中世キリスト教世界の発展にとっていかに決定的な役割を果たしたのかを明らかにする。

チベット文学のいま

紀伊國屋書店新宿本店でこんなフェアをやっていました。

題して「チベット文学のいまを知る」です。

チベットと聞くと、多くの方はダライラマを思い出されるでしょうか? あるいは鳥葬の国をイメージされるでしょうか?

ちょっと海外事情に関心がある方なら、中国共産党による弾圧、そしてチベット亡命政府などのことを思い起こされることでしょう。

そんなチベットに文学なんてあるの? という疑問が浮かぶかもしれません。もちろんチベットにだってその土地の文学があるのだろうけど、日本語で読めるものはあるのですか、というのが多くの方の感想だろうと思います。あたしも確かにそんな印象を持ちがちです。

でも、このところチベット文学の翻訳もそれなりに増えてきているのです。このリーフレットにも「この10年で日本語で読めるチベット文学の作品が一気に増え、この春ついに10冊を超えました」とあります。

英米文学などに比べたら微々たる数ですし、SFを中心に盛んに翻訳されている現代中国文学と比べてもかなり少ない数ではあります。それでもチベットの文学作品が10作品も読めるというのは、さすが翻訳天国・日本という気がします。

政治情勢に絡めてチベットに関心を持たれる方も多いでしょうけど、文学作品からその土地や文化、そこに暮らす人々に興味を持つのも王道です。この機会に一冊でも手に取ってみては如何でしょうか?

今日の配本(22/09/22)

DELF A2対応 フランス語単語トレーニング

モーリス・ジャケ、舟杉真一、服部悦子 著

約150語の平易なフランス語で書かれた40篇のテクストを読み、語彙力を強化していきます。ひとつの単語から、類義語、対義語、派生語へと語彙を増やしましょう。ヨーロッパ言語共通参照枠A2レベルの読解の目標は「簡単な文章なら理解できる」ですが、実際の試験では100〜200語のテクストの内容を正しく把握しているか否かを問う問題が出題される傾向にあります。DELFのA2を受験する方はもちろん、仏検準2級、2級を目指す方、とにかく語彙力をつけたい方におすすめです。

絵で学ぶ中級韓国語文法[新版]

金京子、河村光雅 著

「理由・意志・伝聞・願望・推量・回想など」様々な語尾や表現の理解を助けるイラストで、わかりやすいと好評のロングセラー『絵で学ぶ中級韓国語文法』の《新版》登場です。あらたに解答に「解説」が加わり、「実践問題」も追加されました。そして、要望の多かった練習問題と実践問題の音声を新たに用意しました。無料ダウンロードで聞くことができます。ハン検3級、準2級、TOPIKの中級レベルに該当する82の文法項目をこなせば、実力向上の確かな手応えを感じるはずです。