今日の配本(22/07/28)

マーティン・イーデン

ジャック・ロンドン 著/辻井栄滋 訳

20世紀初めのアメリカ西海岸オークランド。若い船乗りマーティン・イーデンは、裕福な中産階級の女性ルースに出会い、その美しさと知性に惹かれるとともに文学への関心に目覚める。生活をあらため、図書館の本を読み漁り、独学で文法と教養を身につけたマーティンは作家を志し、海上での体験談、小説や詩、評論を次々に書いて新聞や雑誌に送るが一向に売れず、人生の真実をとらえたと思った作品はルースにも理解されない。生活は困窮し、絶望にかられ文学を諦めかけたとき、彼の運命は一転する。

クレールとの夕べ/アレクサンドル・ヴォルフの亡霊

ガイト・ガズダーノフ 著/望月恒子 訳

パリの亡命文壇でナボコフと並び称されるも、ソ連解体前後の再評価まで、長らく忘れられていた作家ガズダーノフの代表作二篇。20世紀を中心に、ロシア語で書かれた異形の作品を紹介するシリーズ〈ロシア語文学のミノタウロスたち〉第一巻。

紅い帝国の論理
新全体主義に隠されたもの

張博樹 著/中村達雄、及川淳子 訳

専制独裁国家によって世界は紛糾することはなはだしいが、紅い帝国=習近平統治下の中国もそのうちのひとつだ。そしてそこに隠されているものとは、権威主義をもしのぐ、弱肉強食のためのロジックだ。本書は「紅い帝国」の台頭に警鐘を鳴らし、南シナ海問題、強圧的な外交、中国的な特色に満ちた政治経済、新全体主義、新冷戦、新たなる叢林(=ジャングル、弱肉強食)の時代について縦横無尽に切りこむ。著者の意図は、中国を民主国家に翻すことにほかならない。 中国の「新全体主義」は世界にいかなる影響を及ぼすのか? 『新全体主義の思想史──コロンビア大学現代中国講義』の著者による、待望の新刊。米国、ロシア、東アジアを展望した、新冷戦時代の国際政治経済論。

ドレスデン爆撃1945
空襲の惨禍から都市の再生まで

シンクレア・マッケイ 著/若林美佐知 訳

ドイツ東部の都市ドレスデンは「エルベ河畔のフィレンツェ」と呼ばれ、豊かな歴史と文化、自然に恵まれ、教会や古都の街並み、陶磁器や音楽で知られていた。しかし1945年2月13日~14日、軍事施設がないにもかかわらず、英米軍から三度も無差別爆撃され、焼夷弾の空襲火災によって灰燼に帰し、25000人の市民が殺害された。本書は、英国の歴史ノンフィクション作家が、市井の人々の体験と見聞をもとに、ドレスデンの壊滅と再生を物語る歴史書だ。

さとうきび畑の話ではないと思いますが

海外文学シリーズ《エクス・リブリス》の新刊です。

タイトルは『アイダホ』です。「アイダホ」と聞くと「アイダホ・ポテト」という単語が頭に浮かんできます。幼き日の記憶です。たぶんCMか何かだと思うのですが(笑)。

そして、本書の帯の惹句を見ると、さらに別の連想が働きます。名曲「さとうきび畑」です。歌詞の中にこんな一節があります。

ざわわ、ざわわ、ざわわ、風に涙はかわいても
ざわわ、ざわわ、ざわわ、この悲しみは消えない

この長い名曲の、最後の最後ですね。まだ読んでいないので、「さとうきび畑」と何かしら関係がある作品なのか、単なる偶然なのかわかりませんが、ちょっとどころかかなり気になってしまう惹句です。

今日の配本(22/07/19)

作家たちのフランス革命

三浦信孝 編

フランス革命は「自由・平等・友愛」を標語にする共和国の出発点であり、革命をどう記述するかはフランスのナショナル・アイデンティティ構築の鍵を握る。フランスの作家たちは大革命をどのように眼差し、どう描いてきたのだろうか。本書では、18世紀から20世紀を専門とする7名の仏文学者たちが、7人の作家の作品を通し、この問いに鮮やかに答える。

鈍器? 凶器? いいえ、書籍です

昨日の朝日新聞一面下、いわゆるサンヤツ広告に載っていたのは右の写真の書籍たちです。

写真でどのくらい伝わるのかわかりませんが、相当な重量級の書籍です。載っていたのは二点だけですが、一方は上中下の全三巻、もう一方は上下本ですから、合計五冊になりました。

こんな分厚い本、もちろんそこそこのお値段がします。『第二次世界大戦1939-45』は上中下各巻本体価格3600円です。『ヒトラー』に至っては、上巻が8000円、下巻は11000円という価格になります。

こんな高価格の書籍なんですが、いずれもよく売れているのです。何刷もしています。ほぼ毎年のように重版になっています。これはすごいことです。出版不況と言われる中、よい本はそれでも売れ続けるんだなあということを実感させてくれる事例です。

没後60年と生誕130年、生誕150年

ちょうど一週間前の7月8日はバタイユの没後60年でした。あたしの勤務先からはバタイユの著作ではありませんが、『バタイユ 魅惑する思想』という一冊を刊行しております。

バタイユの著作は他社からたくさん出ていますが、没後100年などキリのよいアニバーサリーでないと店頭も盛り上がらないですかね?

そして、本日7月15日はベンヤミンの生誕130年にあたります。ベンヤミンも本人の著作は出しておりませんが、『ヒトラーと哲学者』や『フランクフルト学派と批判理論』がベンヤミンがかかわる刊行物になります。

ベンヤミンの方が盛り上がるのか、バタイユの方が世間的な関心は高いのか、あたしにはよくわかりませんし、いわゆる世間一般で言えば「どっちもどっち」なのかもしれません(爆)。

そして、明日7月16日はアムンゼン生誕150年にあたります。アムンゼンと聞くと、南極探検、スコットとの競争が有名ですが、子供向けの偉人伝にアムンゼンは入っているのでしょうか? あたしは子供のころにアムンゼンとスコットの物語を読んだ記憶があるんですよね。アムンゼンは成功し、スコットは遭難死してしまう物語に、子供心にスコットへの同情心が芽生えたのを今でも憶えています。

さて、子供向けではありませんが、あたしの勤務先からは『アムンゼン 極地探検家の栄光と悲劇』という評伝を刊行しておりました。「ました」という過去形を使ったのは現在品切れだからです。残念ですが致し方ありません。

今日の配本(22/07/14)

ビザンツ帝国の最期[新装版]

ジョナサン・ハリス 著/井上浩一 訳

1453年5月28日、ビザンツ帝国皇帝コンスタンティノス11世は、コンスタンティノープルを包囲するオスマン・トルコ軍に対し最後の戦いに臨もうとしていた。出陣に際しての演説は、「たとえ木や石でできた者であっても涙をとめることができなかった」と言われるほど感動的なものだった。翌未明、城壁がついに破られたと悟った皇帝は、死に場所を求め敵中に突入する──