洋書のような感じを受けました

来週に見本出し、下旬に配本予定の新刊『ビルバオ-ニューヨーク-ビルバオ』ともともとの単行本『ビルバオ-ニューヨーク-ビルバオ』です。Uブックスになるのです。

Uブックスは新書サイズなので、こうして並べてもそれほど大きさの違いは感じられないでしょうか? そして、単行本の装丁を踏襲したカバーデザインになっています。ちょっと、いつものUブックスとは異なり、よい感じです。

今回のUブックス版、カバーからは日本語を極力排して欧文をメインにあしらっているので、パッと見には洋書のような雰囲気がありませんか? 少なくともあたしはそんな印象を受けました。こんな洋書のペーパーバックってありそうですよね。

そしてバスク文学に興味を持たれた方には、『ムシェ 小さな英雄の物語』や『アコーディオン弾きの息子』などもございます。前者は《エクス・リブリス》の一冊ですが、後者は新潮クレストブックスの一冊です。どうぞお近くの書店でお求めください。

無料で、しかも紙という媒体は……

本日の朝日新聞の読書欄です。そこにこんな記事が載っていました。

みすず書房、東京大学出版会、そして白水社の三社が、それぞれで出している自社のPR新聞「パブリッシャーズ・レビュー」がこの年末年始ですべて休刊になるという記事です。既に東京大学出版会は最終号が出ていて、みすず書房も今月発行のもので最後、年明け1月に出る白水社のものが殿ということになります。

三社とも無料で、書店店頭などのラックに入っているのを見たことある人、貰って帰ったことがある人、大勢いらっしゃると思いますが、それももう出来なくなるのですね。

東京大学出版会とみすず書房は、それぞれPR誌を発行していますので、そちらに統合されるのようなものですが、白水社に関してはそういったPR誌がないので、果たして今後はどうなのでしょうか? 近々アナウンスがあるのではないでしょうか?

そう言えば、この秋は全国の書店で「レビュー合戦」という、三社共同のフェアをやっていました。そういう枠組みは、パブレビが休刊になっても維持したいですね。無料の紙媒体の配布物は、今の時代、なかなか厳しいのでしょうか?

チラシ、いろいろ

続けざまに、同報ファクスを送信しましたので、まとめてご案内します。

 

まずは受賞関係です。齋藤真理子さんが韓国文学翻訳賞を受賞されました。受賞自体は少し前のことですが、ここへ来てYahoo!ニュースで取り上げられ、世間に周知されたようので、改めてのご案内です。小さい文字ではありますが、他社観光の主立ったものも載せてあります。

続いては発表間もない、温又柔さんの織田作之助賞です。受賞作は残念ながら、あたしの勤務先の刊行物ではありませんが、温又柔さんと言えばこれ、という代表作はむしろこれらだと思いますので、受賞作と一緒に並べていただければ幸いです。

 

続きましては、好評既刊の重版が決まりましたので、そのご案内です。文庫クセジュの『脱成長』と、こちらは単行本『民主主義の壊れ方』です。

どちらも月末出来予定です。なんとか年内店着できるのではないかと思いますので、よろしくお願いします。

比べてみました

同じタイトルの本というのが、時々あるものですが、最近こんな書籍を発見しました。

 

中央公論新社の新刊『クルスクの戦い 1943 第二次世界大戦最大の会戦』です。そしてもう一冊が、あたしの勤務先の『クルスクの戦い1943  独ソ「史上最大の戦車戦」の実相』です。

副題こそ異なりますが、正題は共に「クルスクの戦い1943」です。著訳者は前者がローマン・テッペル著、大木毅訳で、後者はデニス・ショウォルター著、松本幸重訳です。四六判で400ペイジを超える分量はどちらも同じです。

公式サイトによる内容紹介は、前者が

独ソ戦の研究の最前線。第二次世界大戦の帰趨を決した戦いの一つ、クルスクの戦いをドイツ、ロシア両国の資料から精緻に分析し、著しく歪曲されてきたそのイメージを刷新する。

で、後者は

「ツィタデレ作戦」の背景、準備、戦闘の経過、圧巻のプロホロフカの戦車遭遇戦、作戦の挫折を、米国の長老軍事史家が新資料を駆使して精緻に描写。地図・口絵・索引収録。

です。同じ素材に関する書籍ですから煮てしまうのは仕方ないですが、書店店頭や読者が迷ったり、間違えた発注が起きないか、そこがちょっと心配です。

本を読んでいる人が多い気がしました

電車の中で『鬼滅の刃』を読んでいる人はいないなあ、と思いながらの書店回り。

先週末の鬼滅騒動も一段落、次の入荷いつになるのかという凪の状態が続いているようです。

そんな書店回りの電車内で、ショートヘアの女子高生が、乗ってくるやおもむろにカバンから取り出して読み始めたのが、岩波文庫の『失楽園』でした。上巻なのか下巻なのかまでは判別できませんでしたが、クールビューティーな雰囲気を漂わせた美少女(?)が岩波文庫を手にしているのはとても格好よかったです。

そんなあたしは『見えない人間』を読んでいましたが、あたしの隣に座っていた女性も、手にしているのはスマホではなく文庫本。何気なく社内を見渡してみると、今日の車中は本を読んでいる人が多いなあという印象。なんだか嬉しくなってきました。

これはどんな本なのか?

新刊『花冠日乗』が紹介されていました。

コロナ禍の詩人が、写真と音楽とコラボした作品です。と、いとも簡単に「コラボした作品」と書きましたが、公式サイトの内容紹介には

詩人・野村喜和夫が、コロナ禍のなか、生存を脅かされる恐怖にさいなまれ、旧約の大洪水にも比すべきカタストロフィーを感じつつ、生きた証を刻む。言葉と写真とピアノ曲との斬新なコラボレーション。

とあります。やはりコラボです。本は文字を読むものですが、著者は詩人。そこに音楽がつくとなるとつまりは歌曲になるわけでしょうか? そこにイメージとして写真がつくとなると、こんどは静止画によるミュージックビデオのようなものを想像すればよいのでしょうか?

いや、形状は全くの本でして、本屋さんに並んでいます、本屋さんで買っていただく商品です。このコラボを、コラボと呼ぶ以外うまく言葉で表現できないので、あとは手に取っていただいた方それぞれの感性で感じとっていただければ、と思います。

朝日新聞の紹介にある「五感に響く」というのが正しい受け取り方なのでしょう。

なかなか厳しい時代?

昨日の朝日新聞夕刊の一面に無言館の記事が載っていました。

 

記事にもある館主・窪島誠一郎さんの無言館に関する著作は、あたしの勤務先からも二点刊行していまして、それが『「無言館」への旅 戦没画学生巡礼記』と『無言館の坂を下って 信濃デッサン館再開日記』です。

残念ながら前者は現在在庫僅少となっていますが、後者は十分に在庫があります。ウェブサイトの紹介を引用しますと、前者は

戦没画学生の遺作を集め、その慰霊美術館「無言館」を建設しようと全国の遺族や関係者を訪ね歩いた著者が、彼らの生命への祈りを聞き、自らの戦後を問い直すために綴った巡礼の旅。

というもの。後者は

連日多くの入場者でにぎわう「無言館」と、閉館の危機に陥った「信濃デッサン館」。二つのユニークな美術館を運営する著者が、喜びの再開にこぎつけるまでの揺れる思いをつづる。

という内容です。無言館もそうですが、「戦没画学生」という言葉自体がもう現在では理解されづらくなっているのでしょうか。

無言館に限らず、各地の博物館・美術館、なかなか運営が苦しいということは折に触れ耳にしますが、コロナ禍で更に人の移動が止まってしまい苦しさに拍車をかけているのでしょう。