金沢あれこれ

既に書きましたが、二泊三日で北陸三県を回ってきました。

東京を発った初日は富山の書店を回って富山泊まり。二日目は富山を発って、途中高岡に立ち寄って金沢に入りました。富山や高岡と比べると、金沢は格段の賑わいです。京都ほどではないですが、若干オーバーツーリズムになっているように感じられましたが、金沢市民はどう思っているのでしょう?

そんな鹿沢で立ち寄った書店の一つが、写真のオヨヨ書林です。金沢市内に二店舗を構える古本屋さんですが、立ち寄ったのは香林坊からも程近いせせらぎ通り店です。間口は狭いのですが、奥はかなり広い空間があって、そこにビッシリと本が並んでいるというか、積まれているというか、誇りっぽい本の匂いがどこか懐かしいお店でした。

そんな金沢市内ですが、オヨヨ書林の近所に目に付いた道路標識がちょっと気になりました。写真のようなデザインで、歩行者の表示はなんとなく「ボーッと突っ立っている」だけに見えますし。自転車は前にカゴのあるママさんチャリのように見えます。

東京の道路標識だともっとデザイン重視で、よりアイコンっぽいものが描かれていたように記憶していますが、こういう道路標識のデザインって、県や市によって独自に定めているのでしょうか。だとすると、他の地区へ行けば、もっと独特なデザインの標識を見ることができるのでしょうか。

そんな二日目は金沢泊まり。ホテルは金沢駅前だったので、夕食も必然的に金沢駅のショッピングセンター「金沢百番街」で取ることになりました。ただ、先程も書いたようにややオーバーツーリズム気味なのか、お店はどこも人があふれていて、30分や1時間は待たないと入れないような状況でした。

それが百番街のあんとの飲食街で、仕方なくRintoの方に向かって見つけたのが魚がし食堂でした。見かけはどこにでもある居酒屋チェーンのようだったのですが、とにかく料理が安くて美味しかったです。あたしが食べたのが写真の定食で、刺身に煮魚、フライ(たぶんアジ)、そして焼き魚(ホッケ)、ご飯に味噌汁、小さめの茶碗蒸し。お刺身とトロホッケ定食1500円は十二分に満足できる内容でした。

あと、後ろ髪を引かれる思いだったのは、上述のオヨヨ書林の店の筋向かいにあった「伽羅」というお香のお店です。次に機会があれば、もっとじっくり見てみたいお店でした。

北陸で気になること

昨日から北陸を回っています。人文会のグループ訪問という研修旅行で、四社で北陸三県を回っているのです。昨日は富山を回って富山泊まり、本日は高岡を経由して金沢に入り、金沢泊まり。明日は金沢を発って福井に入り、米原経由で帰京します。

そんな行程ですが、あたしは以前からちょっと気になっていることがあります。それは富山です。

富山の何が気になるかと言いますと、富山って「とやま」と読みます。でも「富」は「とむ」ですから、その「と」だけを取って「とやま」と読むのに若干の抵抗があるのです。かといって「ふさん・ふざん」と読むと日本の地名らしくありません。「ふやま」だと音読みと訓読みが混じっていて、やはりよくないということなのでしょう。でもやはり「富」は「ふ」と読むことが多く、一文字だけで「と」と読ませるのには抵抗を感じるのです。

和歌山は「わかやま」で音読み、音読み、訓読みという組み合わせですから、富山を「ふやま」と読んでも可笑しくはないと思うのですけど、どうしてなのかと、前からなんとなく気になっていたのです。

そして、この「富山」よりももっと気になっているのは石川の加賀です。

旧国名では京都に近い方が前・上、遠い方が後・下と名付けられています。備前・備後、上野・下野などです。北陸も越前・越中・越後と京都に近い方から国名が付いています。ところがその間になぜか加賀という国が挟まれているのです。

どうして旧国名の法則に反して、加賀が挟み込まれているのか、以前からとても不思議に思っていて、腑に落ちません。たぶん歴史学の事典とか論著を紐解けば、ちゃんとした説明をしてくれているものがあるのだと思うのですが、あたしはいまだそれに巡り会っておりません。

ただ、もし石川県が越中になると、富山が越後になるのでしょうか。そうなると新潟は何と呼ばれていたのでしょう。そんなことも気になってしまいますし、妄想が広がります。

今日の配本(23/10/11)

まいにちふれるフランス語手帳2024

トリコロル・パリ 監修/ふらんす編集部 編

まいにちフランスを感じることのできる手帳。月ごとにフランスにまつわるエッセイを掲載。単語集付きなのでフランス語学習にも最適。

まいにちふれるドイツ語手帳2024

マライ・メントライン 監修/白水社編集部 編

まいにちドイツを感じることのできる手帳。月ごとにドイツにまつわるエッセイを掲載。単語集付きなのでドイツ語学習にも最適。

まいにちふれるスペイン語手帳2024

スペイン語教室ADELANTE 監修/白水社編集部 編

まいにちスペインを感じることのできる手帳。月ごとにスペインにまつわるエッセイを掲載。単語集付きなのでスペイン語学習にも最適。

まいにちふれる中国語手帳2024

李軼倫、原田夏季 監修/白水社編集部 編

まいにち中国語にふれることのできる手帳。月ごとに中国にまつわるエッセイを掲載。単語集付きなので中国語学習にも最適。

極右の台頭?

今日は祝日なので、そして生憎の雨なので自宅でのんびり過ごしています。そして昼時にテレビ朝日系の情報番組を見ていたところ、池上彰氏が「極右勢力が急速に支持を拡大しているドイツの状況」を解説していました。

やはりメルケル前首相の移民政策に対する不満が国民の中に一定数は存在するようです。景気のよいときであれば他人を思いやる余裕も持てるのでしょうが、不景気になると自分の生活で精一杯、それなのに働かないで支援だけ受けている移民たちはなんなんだ、と考えてしますのでしょう。そんなドイツ国民と移民との距離感や空気感を知るには、小説ではありますが『行く、行った、行ってしまった』が最適だと思います。報道では知り得ない、もっと庶民レベルの声が聞こえると思います。

ところで、「池上解説」ではドイツだけでなく、欧州各国で極右に分類される政党が躍進しているということも紹介されていました。

極右と一括りに言っても国によってその主張や政策には違いあるようですが、そんな欧州の政党政治について知りたい方には、文庫クセジュの一冊、『ポピュリズムに揺れる欧州政党政治』の一読をお薦めします。

ポピュリズムがイコール極右というわけではありませんが、著者はフランスの右派政党・国民戦線(FN)研究の第一人者なので、やはり極右政党に関する考察が主となるでしょう。こういった極右やポピュリズムだけでなく、現在の世界は権威主義も勢いを増しているように感じます。戦火がやまず、戦争という言葉がこの十数年で一気に身近になりましたね。

大人買いとは?

数日前に配信された、日向坂46のYouTube「日向坂ちゃんねる」の最新動画「【神引き】小坂菜緒と髙橋未来虹がアニメグッズ開封したら日向の奇跡起きた【爆買い】」は二期生の小坂菜緒と三期生の髙橋未来虹が池区風呂のアニメイトへ行って、大好きなアニメグッズを爆買いするという企画でした。いくつか、辛うじて名前だけは知っているアニメもありましたが、ほとんどすべてがストーリーもジャンルもわからない作品ばかりでした。ただ、二人がとても楽しんでいることだけは伝わってきます。ファンとしてはそれで十分だと思います。

ところで、この動画の中で髙橋未来虹がアニメを見てどハマりした作品のコミックを全巻大人買いする、という部分がありました。この動画を撮影した時点でそのコミックが完結しているのか否か、あたしは知りませんが、とりあえずその時点で刊行されている最新巻まですべてを高橋未来虹あ買うというのです。

通称大人買いと呼ばれるこの行為、やはり学生にはドキドキするものなのでしょうね。まあ髙橋未来虹は学生ではありませんが、人気の日向坂46のメンバーとはいえ、そんなに潤沢な給料をもらっているとも思えませんので、世間の高校生や大学生よりは多少は使えるお金がある、というくらいでしょうか。

さて、この大人買い、どのコミックを買っていたのか覚えていませんが、お店には十数巻まで並んでいたのですが、そのうちの二巻が歯抜けになっていました。彼女は仕方なく、その二巻がないまま、残りの巻を一巻から最新巻まで購入していました。そしてあたしが気になったのはこのシーンです。

大人買いをしようと思ってお店に来た、あるいはネットショッピングでもよいですけど、全巻揃っていなかったら、あたしなら果たして買っただろうか、ということです。あたしだったら、たぶん買わないのではないかとおもうのです。そして全巻揃っている別のお店を探すか、あるいはそのお店で全巻揃っている別の作品を買うか、そのどちらかを選び、歯抜けの商品を買おうとはしないのではないかと思うのです。

別にこれは歯抜けで買った髙橋未来虹を非難しているわけではありません。なかなか揃わない稀少な作品であれば、まずは手に入るものを確実に手に入れて、抜けているのは他のお店を当たろう、とあたしでもすると思います。彼女が買った商品がそういうものだったのかはわかりませんが、ただそういうところの選択で、人の性格というか、タイプが見えてくるなあと感じた次第です。

歴史に向き合う

本日の朝日新聞です。歴史に向き合う、というテーマの記事です。

歴史に向き合うというと、いろいろな立場があると思いますが、最近ですと岩波書店の『検証 ナチスは「良いこと」もしたのか?』が話題になりました。歴史を正しく認識するという性格の本だと思いますが、これも歴史との向き合い方の一つだと思います。

今日の記事では岩波の本が引用されているわけではありませんが、その代わりと言っては何ですが、あたしの勤務先の書籍が登場していました。それが『過去の克服』です。

同書しばらく品切れになっていたのですが、先月に新装版を刊行したばかりです。過去との向き合い方で、しばしば日本と比較されるドイツがどのように戦後を歩んできたのかを取り上げた本ですが、ドイツも紆余曲折があったことがわかります。

その取り組みは順調なものではなく、過去にたいする反省を「自虐的だ」とする声がドイツでも再三沸き上がり、道のりは必ずしも平坦ではなかった。しかしドイツでは、「過去の克服」を促す力と、これを押しとどめようとするふたつの力がせめぎ合いながらも、少しずつ着実に前進していくことが本書のなかで明らかとなる。日本の取り組みを考えるうえでも必読の1冊。

公式サイトの内容紹介には上記のように書かれています。価格はかなり違いますが、この機会に岩波の『検証 ナチスは「良いこと」もしたのか?』とこの『過去の克服』を併読してみるのは如何でしょう。

いろいろとできないものですね

よく晴れた土曜日。昨日はとても過ごしやすい休日でした。とはいえ、わが家の場合、母が義ブルをしていて片手が使えないのが、いろいろなところに影響しています。利き腕は大丈夫とはいえ、もう一方の手が使えないとこんなにも不便になるものかと、改めて思った次第です。

現在の母親は、このイラストのような感じになっています。右手でいろいろできそうなものですが、確かにできることはいろいろありますが、むしろ「これができないのかぁ」と気づかされることの方が多いです。

天気のよかった昨日、近所のスーパーへ行きました。母も一緒でしたが、まず買い物カゴを持っても片手では商品をカゴに入れることができません。カードを使えば商品を選んでカゴに入れることはできますが、レジにカゴを載せるのが無理です。ましてや片手だけではトートバッグなどに商品を詰めるのもひと苦労でしょう。

レジでは精算という作業がありますが、財布を開けてお金を取り出すのも大変です。最近のスーパーはポイントカードなどの提示を求めらることが多いですが、ポイントカードを財布から出すのも片手では無理でしょう。

そう考えると、あたしと一緒でないと買い物にも行けないということになります。近所のコンビニでアイスやおにぎり、サンドイッチを買うくらいなら可能でしょう。でもここでも財布からお金の出し入れがネックになります。スマホの電子マネーは使っていないので、チャリーンといった決済は無理です。

さて、今月はあたしの出張が二回あるのですが、数日とはいえ買い物とかどうしましょう。食料などはある程度買いだめしておけばよいとして、調理も片手ではちょっと危険です。食後の洗い物も現在はあたしがやっているのですが、出張中はどうなるでしょう。

ひと月もすれば母のギブスも取れて、もとの生活に戻れると思いますが、あたしとしては近い将来の介護生活のシミュレーションとなっています。そうなると今みたいに年に数度とはいえ出張に出るのも躊躇われます。まあ、本当に介護という時期になればショートステイとかデイサービスなどを利用することになるのでしょうね。

2023年9月のご案内

2023年9月に送信した注文書をご案内いたします。

  

まずは毎月恒例、「今月のおすすめ本」、そして「今月のおすすめ本[語学書篇]」です。そして下旬になって、3刷が決まった『同調圧力』のご案内を送信しました。

ただ、9月はご案内が非常に少ない一か月でした。

ノーベル賞とともに

今年もノーベル賞が発表されました。

あたしに限らず、出版界としては文学賞に注目が集まりがちですが、ここ数年は物理学賞や生理学賞など、理系分野で日本人の受賞が続き、世間的にはそちらが盛り上がっているように感じます。またそれに関連する書籍もあったりして、「ノーベル賞=文学賞」的な印象が薄れた感があります。

そんな中、今年のノーベル賞ではその理系ジャンルでは日本人の受賞はならず、やや盛り上がりかけたまま推移して、平和賞はイランの人権活動家に贈られることが発表されました。これでは書店でフェア展開ができないと思っている業界人も多いかも知れませんが、イランの女性と言えば、この本を忘れるわけにはいきません、『テヘランでロリータを読む』です。

あたしの勤務先から刊行されていた単行本は現在品切れですが、河出文庫版が入手可能です。タイトルだけですと「なんのこっちゃ?」と思う方も多いと思いますが、抑圧されたイランで、西側の文化の象徴的な作品である『ロリータ』を読むことがどれほど危険な行為なのか、本書を読めばよくわかると思います。

単行本は品切れと書きましたが、同著者によるノンフィクション『語れなかった物語 ある家族のイラン現代史』はまだ在庫がありますので、是非『テヘロリ』と併読していただければ幸いです。

同じくイランに活きる家族の歴史を描いた作品に『スモモの木の啓示』があります。この作品は、イラン・イスラム革命に翻弄された家族の物語で、現在のイランに続く苦悩を少女の目線で描いた作品です。ただ、その少女の正体というのが初めの方で明かされますが、ちょっと衝撃的です。

本作を読むと、かつてはここまで抑圧的でなく、平和に暮らすことができたイランがあったのだなあということがわかります。だからこそ革命後のイランの体制がより過酷なのでしょう。この状況はいつまで続くのか。ウクライナにばかり世界の目が集まっていますが、イランも、あるいはミャンマーなど、もちろん中国や北朝鮮だって、国内で弾圧が行なわれている国は、むしろ最近増えているのではないかという気がします。