友達は作るものなのか?

乃木坂46の冠番組「乃木坂工事中」でニューシングルの新センター、五期生の井上和の掘り下げ企画を放送していました。学生時代の懐かしい場所やお店を訪れて、そこに思い出の人たちが現われてトークを繰り広げるという、非常にシンプルな構成でした。

高校を卒業したばかりの井上和ですから、高校のクラスメートや中学のクラスメートだって、ついこのあいだまでワイワイやっていたメンツでしょう。それでもクラスメートから見たら、自分たちの友達が一気に遠い世界の人になってしまったような印象を受けるのでしょうか?

そんなVTRの中で、井上和が学生時代に「親友を作ろうと思った」と語っていました。「友達」だったかも知れませんが、とにかくそんなセリフを吐いています。あたしはその発言を聞きながら、友達って作ろうと思って作れるのかもしれないけど、長続きはしないのではないか、と思っていました。

このダイアリーで過去に書いたことがあると思いますが、あたしは小中高大と卒業すると付き合いを絶ってしまう人間でした。もちろん同じ学校へ進学したクラスメートもいますので、全員を切って捨てたわけではありませんが、だからといって友達や親友になったかと言われれば、そんなことはないと断言できます。

大学は同じ高校から進学した人間がいなかったので、完全にそれまでの人間関係を断ち切るよい機会でした。なので同窓会やクラス会に呼ばれたこともありません。大学四年の時に引っ越しましたが、その時点で小中高のクラスメートの誰とも付き合いがなかったので、あたしの引っ越し先どころか引っ越した事実を知っているクラスメートはいないはずです。

そして、ここまでずーっと書いてきたように、クラスメートではあっても友達ではないし、ましてや親友ではありません。単に学生時代の同じ時期に同じ学校の同じクラスに所属していたと言うだけの知り合いです。

そんなあたしからすると、井上和のセリフは非常に不思議な感じを覚えました。

ホラーだったのかしら?

まだまだ残暑の続く日曜日。本日はWOWOWで放映されたのを録画しておいた映画2本を視聴しました。まずは藤澤恵麻主演の「奇談」です。

隠れキリシタンの里を舞台とした、ホラーと言うよりもミステリー作品ですかね。実際にあそこまで閉鎖的で、文明を拒否した集落が昭和の半ばころまで存在し得たでしょうか。そういった設定はちょっと気になりましたし、なによりキリスト教の教義などに詳しくないあたしには、作品世界の持つ意味などはさっぱりでした。まあ、歴史学的にはそういう解釈もアリなのかな、という気がしました。

そして主演の藤澤恵麻はカワイイですね。ただ阿部寛が出てくると「トリック」ではないか、という錯覚を覚えてしまうのはあたしだけでしょうか。

もう一本は韓国映画「事故物件 歪んだ家」です。タイトルからすると、日本でもヒットした「事故物件」のパクリ(リメイク?)、あるいは類似作品化と思えますが、そうではなかったです。これは邦題がよくないですね。

で、ストーリーですが、洋の東西を問わずこの手のホラーにありがちな心が弱っている、やんでいる主人公に悪霊が取り憑いて、という筋になります。ただ心を病んでいるので、果たして悪霊の仕業なのか、単に弱っている心が創り出した妄想なのか、どちらにも解釈できる作品だと思われます。

そして、いろいろと他の映画で見たシーンとか設定が散りばめられていて既視感がありまくりで、なおかつそういったさまざまな要素がとっちらかっているだけで、最後にうまいこと回収できていないように感じました。まあ主人公の妄想と考えれば矛盾するところがあったって別に構わないわけですが。

最後の最後にどんでん返し的なシーンがありますが、既に心を病んだ主人公(?)は死んでいるので、ここは妄想ではないわけですが、果たしてどう解釈すべきなのか。実は養女になった女の子が最初から仕組んでいたものだったとしたら怖すぎますね。

懐かしい名前を発見!

かつては乃木坂46のメンバーが出ている雑誌もよく買っていましたが、最近は以前ほどには買わなくなっていました。それでも時々買うことがあり、今回購入したのはこちらです。

『B.L.T.』の10月号です。表紙は五期生のかっきーこと、賀喜遥香です。夏らしいグラビアとインタビューが掲載されていますが、久々に雑誌を購入したのは、かっきーだけではなく、同じく五期生のゆんちゃんこと、柴田柚菜のグラビアとインタビューが掲載されていたからでもあります。あたし、五期生の中では推しは柴田柚菜です。

ただ本日のダイアリーは柴田柚菜ではなく、表紙を務めた賀喜遥香のインタビューについてです。ロングインタビューの中に左の写真のような一節を見つけました。

なんと伝説の一期生、乃木坂46御三家の一人、北海道の一般人、橋本奈々未の名前がかっきーの口から出て来ているのです。ななみんは活動5年で卒業、引退しました。早すぎるという意見はいまも聞かれますが、当時のななみんは腰の状態も悪く、これ以上活動を続けるモチベーションがなかったのかも知れません。乃木坂46の全盛期を準備して、それを迎える前に卒業してしまうという、ファンには美しい記憶だけを残す、これ以上ないくらいの去り際でした。

そして、かっきーがデビューから5年。伝説であり憧れの先輩であるななみんを思い出したとしても不思議ではありませんね。ファンの間では有名なエピソードですが、賀喜遥香は山下美月に憧れて乃木坂46に応募したわけですが、その後に橋本奈々未のことを知り、「どうしてもっと早くこの人のことを知らなかったのか」とものすごく後悔した、とのことです。その後、ななみんが芸能界を引退していることもあって、名前を出すことはほとんどありませんでしたが、こんなところで名前が出て来るとは、驚きと共に、古くからのファンとしてはとても嬉しいサプライズでした。

かっきーとななみんは活動期間はかぶっていませんが、たぶんライブなどの楽屋で一度くらい逢ったことはあるのではないかと、ファンとしては期待をこめて信じています。ちなみに、インタビューを読むとかっきーが卒業する気配はありません。ななみんが卒業したのは24歳の時。かっきーはまだ22歳ですから、少なくともあと2年は活躍して欲しいです。

今日は豊作?

本日の朝日新聞の読書欄は、いろいろと触れたいことが多すぎます。

まずは新刊『同調圧力』が紹介されています。

著者はキャス・サンスティーン、他社からも多数の邦訳が出ている著名人です。これまでの著作の傾向からすると政治・社会というジャンルなのでしょうが、本書は「社会心理学」という副題から人文の心理学の棚に置かれている書店も多いです。

そして、お陰様で刊行以来好調に売れていて、早々と重版が決まりました。

続いては「著者に会いたい」のコーナーに、新刊『真の人間になる』が刊行されたばかりの、台湾の作家、甘耀明さんが登場しています。先日来日されていて、日本橋の誠品書店と下北沢の本屋B&Bでトークイベントも行なわれました。

著者に「会いたい」というコーナーですが、あたしはその折りに甘耀明さんにお会いできました。コロナ以前にも来日されていましたし、『我的日本』でもおわかりのように、何度も来日されている方です。今回の来日ではどんな思い出が出来たでしょうか?

そして厳密には読書欄ではなく、その直前のページになりますが、ミネルヴァ書房さんの創業75周年を記念した全面広告が載っています。出版社も東京に一極集中の時代にあって京都で頑張っている版元です。そして、あたしの勤務先とは人文会仲間でもあります。

人文会仲間と言えば、青土社も今日の読書欄では二点紹介されていましたね。すごいことです!

読書欄の最後に、やはり人文会仲間のみすず書房のPR誌『みすず』が紙媒体での発行をやめて、WEB化するという記事が載っていました。書店の店頭、レジのそばに置かれている出版社のPR誌もいまでも多くの書店で見かけます。自分がただの読者だったころには、時々もらって読んだりもしていましたが、いざ自分が出版界の人間になりますと、あれだけの無料配布物を刊行し続けるのは大変だということがよくわかります。

いずれは紙でのPR誌はすべてなくなり有料化されるか、はたまたWEB化されるのではないでしょうか。とはいえ、こういうPR誌を熱心に読まれる読者というのは紙に愛着を覚える人だと思うので、紙のPR誌がなくなることは悲しいでしょうね。

2023年8月のご案内

2023年8月に送信した注文書をご案内いたします。

   

まずは毎月恒例、「今月のおすすめ本」です。続いて10月に開幕するラグビーのワールド杯に関連してラグビー本です。そして、刊行直後から絶好調で重版が決まった『ハルムスの世界』と『同調圧力』の二点です。。

  

続いて、こちらも初動が好調な音楽書『二十世紀のクラシック音楽を取り戻す』、毎月恒例の「今月尾おすすめ本[語学書篇]」、最後は二回の重版が決まった『スターリンの図書室』です。