日曜に想った?

今朝の朝日新聞のコラム「日曜に想う」です。

香港情勢を考えるのに歴史の教訓から学ぼうとハンガリー動乱について触れています。

このコラムで取り上げられているのは、みすず書房の『ヨーロッパ戦後史(上)1945-1971』『ヨーロッパ戦後史(下)1971-2005』ですが、ハンガリー動乱とくれば、あたしの勤務先でも関連書籍を出しています。

そのものズバリ、『ハンガリー革命 1956』です。現在在庫僅少ですが、真正面からハンガリー革命、ハンガリー動乱を扱った一冊です。

また全体を俯瞰するには『鉄のカーテン(上) 東欧の壊滅1944-56』『鉄のカーテン(下) 東欧の壊滅1944-56』といった本もあります。そして、その東欧が最終的にどうなってしまったのかに関しては『東欧革命1989 ソ連帝国の崩壊』が最適でしょう。

そしてこのコラムを読んで思ったのですが、例えば書店店頭でフェアをやるのに、「強権」をキーワードにした場合には、香港や中国共産党に関する本ばかりを集めるのではなく、その鑑としてのソ連や東欧の歴史を振り返ったような書籍も一緒に並べてみるのも方法なんだなあと考えさせられました。

思わぬところで人文会コラボ?

新刊『ホーム・ラン』が予想どおり好調なミルハウザー。訳者はいつもどおり柴田元幸さん。

ミルハウザーの翻訳は、あたしの勤務先からほとんど出ていますが、それらをすらーっと並べてみました。想定を眺めているだけでも楽しいです。この機会に、あたしの勤務先では、ミルハウザーのミニフェアなどを書店に働きかけています。

さて、訳者の柴田さんと言えば、朝日新聞での連載も始まったので、あたしの勤務先ではこの機会に柴田さんの翻訳書フェアなんて如何でしょう、というオススメもしています。前に立てているのは、そのフェア用のポップです。

話は変わって、二枚目の写真。

ちくま新書の『香港と日本』です。中国好きとしては、そして昨今の香港情勢に関心を持つものとしては読まずにはいられません。その中に一箇所だけですが、「チョンキンマンション」が登場します。特にないように大きく関わってくるわけではないですが、「いま話題のチョンキンマンションか」と読みながら思いました。

そしてその『チョンキンマンションのボスは知っている』です。こちらは春秋社の一冊。筑摩書房と春秋社と言えば、人文会仲間です。なんか嬉しくなるコラボ(?)です。

それはさておき、着眼点が異なるからかも知れませんが、『チョンキンマンションのボスは知っている』を読むと、中国人の影は薄いですし香港政府もほぼ出て来ません。ましてや中国共産党など影も形もありません。香港のアフリカ人にとっては、共産党など眼中にないのでしょうか? そのあたりが非常に不思議でした。

東と西

タイトルを見て、東西冷戦やベルリンの壁を予想された方もいらっしゃるでしょうか? 申し訳ありませんが、全然違います。

画像は昨日の朝日新聞の夕刊です。東京ローカルな話題です。

世界一と言ってもよい乗降客数を誇る東京の新宿駅に、東西自由通路ができるというニュースです。

「えっ、今までなかったっけ?」という感想を持たれる方もいらっしゃるでしょうね。新宿を使い慣れている方であれば、記事中にあるように駅北寄りのサブナード、南口のルミネ、更に南のサザンテラスと、新宿の東口と西口を結ぶ通路、なくはなかったわけですから。しかし、真ん中に、一番の最短経路では東と西は結ばれていなかったのも事実です。

多くの人は切符を買って新宿へ来るので、改札口を選びますが、切符さえ持っていれば東口だろうと西口だろうと出ることはできましたし、定期を持っている人であれば改札を抜けて東から西へ、西から東へ抜けることもしていたでしょう。でも、使いづらかったのは確かです。

そんな新宿に東西通路ができるのは嬉しい知らせです。ただ、記事にあるように、東京の他の地区に比べて出遅れているというのは違うと思います。だって、これだけ不便と言われていたって、他の地区よりも新宿は常に人が多い場所でしたから。不便だって来てしまう、来ざるを得ない、そんな場所なのです、新宿って。

でも、東と西が抜けづらいという意見もわかります。かつて書いたかもしれませんが、あたしが大学までは杉並に住んでいまして、新宿へはよく来ていました。京王線で新宿へ出てくるわけですが、京王線の新宿は言うまでもなく西口側にあります。当時ですと、小田急百貨店の上にあった三省堂書店には時々来ていましたけど、東口の紀伊国屋書店には、ほぼ行ったことがない学生時代でした。だって、当時の必要性から考えて、紀伊国屋へは行かなくても問題なかったですから。

ただ、もし紀伊国屋書店が西口側にあったら、あるいは京王線の新宿が東口側にあったらどうだったでしょうね? 新宿へ行ったときには必ず紀伊国屋へ寄っていたかもしれません。本と本屋は昔から好きでしたから。となると、やはり新宿壁の東西の通り抜けの不便さが、西から東へ、東から西へ行く人のモチベーションを削いでいたのかも知れません。

後ろ手でピースしたのはななみんでしたが……

今朝の話です。

勤務先にある、サッシの扉を閉めるときにちゃんと扉の方を向けばよいのに、なぜか今日に限って後ろ手で閉めてしまったのですが、指を挟んでしまいました。

指を挟もうとなんて思いもしませんから、思いっきり閉めてしまい、あまりの痛さに一瞬指がちぎれたのではないかと思ったくらいです。

サッシって、障子や襖などとは異なり、結構尖っているんですよね。負傷した指は幸いにも一本だけでしたが、指の両側がざっくりと切れて、見る見るうちに血が吹き出てきました。もちろん指は痺れてもいます。

とにかく血を洗い流して、絆創膏を貼ったのですが、洗ったりティッシュで拭くときに、傷口の皮膚と若干の肉を剥がしてしまいそうになり、なかなかのスリルでした。いや、そんなに楽しいものではありませんが。

絆創膏も一枚では貼りきれないのですが、うまく貼らないと絆創膏の糊の付いた部分が反対側の傷口を塞ぐような格好になってしまい、それを避けるために斜めに貼るのはちょっと大変でした。

絆創膏に血がにじんできたので、昼に一度絆創膏の貼り直しをしましたが、やはりまだ血は完全には止まっていないようです。しばらくは、洗顔や入浴が大変です。

しかし、その前に、帰宅後にガーゼを巻き直したので負傷した指が太くなってしまい、こうしてキーボードを打つのに苦労しています(汗)。

こんな併売

新刊『ナポレオン戦争 十八世紀の危機から世界大戦へ』の動きがよいです。

ナポレオンの評伝などはたくさんありますし、大革命からナポレオンに至るフランス史を扱った書籍も数え切れないくらいあるでしょう。そんな中で本書がよく売れているのは、サブタイトルからもわかる通り、その着眼点が特異だからではないでしょうか。公式サイトの内容紹介には

ナポレオン戦争を、先行するフランス革命戦争と統一的に把握するという視点を打ち出し(両戦争を「フランス戦争」と呼ぶ)、十八世紀というより長期のスパンで戦争の意味について考える。こうした視座は、ナポレオンの呪縛からこの戦争を解き放つことを意味する。また、最新の知見を動員して、この戦争が初めての「世界大戦」であり、「総力戦」であったことを明らかにする。苛烈な戦闘は、いつしか敵と味方という観念を溶解させ、犠牲者の国籍も、兵士なのか民間人なのかもはっきりしない、戦争の無差別的な性格が眼前に立ち現れる。

とありますが、これが本書の評価されている点だと思います。

ところで、本書一緒に併売したらよさそうな書籍、あたしの勤務先でしたらどんなものがあるでしょうか?

 

誰もが思い当たるのは『コンドルセと〈光〉の世紀 科学から政治へ』と『ロベスピエール』だと思います。王道と言えば王道の選書です。同じ四六判の書籍ですから、横に並んでいても違和感はありません。

でも、ナポレオンとそのバックグランドに着目したときにはこんな書籍は如何でしょう?

 

文庫クセジュの『コルシカ島』と『コルシカ語』です。コルシカ島はナポレオンの生まれ故郷、また若きころのナポレオンはコルシカ訛りを笑われたというエピソードも読んだことがあります。

そんなナポレオンのバックグランドしてのコルシカにスポットをあててみるのも面白いかと思います。

注文殺到中

朝日新聞の夕刊で、出口治明さんが『ハドリアヌス帝の回想』を紹介してくださいました。

その効果てきめん、売り上げが一気に伸びています。

本書はもちろんロングセラーであり、ベストセラーです。ずーっと売れています。

そして、出口さんが本書を薦めてくださるのも一度や二度のことではありません。過去にもちょっとしたインタビューなどで署名を上げてくださっただけで売り上げが跳ね上がりました。今回もまた同じ現象が起きています。

これだけコンスタントに売れる本、店頭で在庫切れになっていないでしょうか?

今日の配本(20/07/15)

歴史学の慰め
アンナ・コムネナの生涯と作品

井上浩一 著

歴史が男の学問とされていた時代に、ビザンツ帝国中興の祖である父アレクシオス一世の治世を記した、皇女の生涯をたどり作品を分析。

土星の環
イギリス行脚[新装版]

W・G・ゼーバルト 著/鈴木仁子 訳

〈私〉という旅人は、破壊の爪痕を徒歩でめぐり、荒涼とした風景に思索をよびさまされ、つぎつぎに連想の糸をたぐる。解説=柴田元幸。

映画が公開になります

映画「海の上のピアニスト」が、この夏、再び公開となります。

原作はもちろん『海の上のピアニスト』です。

もう何年も前に公開された映画ですが、このたび4Kデジタル修復版&イタリア完全版として再上映されることになったのです。どうしてこのタイミングなのか、そういうことはよくわかりませんが、8月中旬以降、主要都市を皮切りに全国公開されるそうです。

未見の方、この機会に是非どうぞ。そして、原作(邦訳)も併せてお読みいただければ幸いです。

終わった?

まだ店頭に並ぶまでには数日ありますが、ゼーバルトの『土星の環 イギリス行脚』で新装版は四冊目となります。そして、これにていったんおしまいです。

アウステルリッツ』『移民たち 四つの長い物語』『目眩まし』と続いてきたわけですが、お陰様でどの巻も好評をもって迎えられました。今回はこの四冊で、特に《ゼーバルト・コレクション》と銘打つわけでもなく、全何巻と謳うわけでもなければ、この四冊に巻数が振られることもありませんでした。

それぞれをそれぞれで楽しんでいただければ幸いです。