今回は併売は無理です

角川新書で『天才作戦家マンシュタイン』がまもなく刊行されるそうです。マンシュタインに化する本というのはいくつか出ていると思いますが、また刊行されるということはそれだけ人気のある人物なのでしょう。

あるいは、マンシュタインにはそれだけ謎が多いということなのでしょうか。それほど昔の人ではありませんから、記録なども十分に残っていると思うのですが、ナチ崩壊の時に資料が破却されたのでしょうか。

そしてこの本は新書サイズのコンパクトなもので、日本人が書いたものですが、もちろん翻訳書もあります。まずは作品社『マンシュタイン元帥自伝』です。自伝ですから、それはそれで貴重な記録ではありますが、客観性に疑問が生じることもままあります。語られていることの真偽はきちんと見分けていかなければならないと思います。

さて、こんな新刊が出るわけですから、当然併売してもらいたい書籍がありまして、それが『ヒトラーの元帥 マンシュタイン』です。こちらは評伝になります。なんと全二巻、上下本です。

しかし残念ながら『ヒトラーの元帥 マンシュタイン』は現在品切れなのです。並べて欲しくても並べていただけません。残念ですが、こればかりは致し方ありませんね。この機会に復刊するということもありませんし……

ちなみにマンシュタインは1887年生まれ、1973年没ですので、今年が特にアニバーサリーというわけでもありません。復刊というのは何かしらきっかけがないと難しいですし、アニバーサリーだとしても日本でどれほども盛り上がるのか、予想も期待もできませんから。

2025年4月のご案内

2025年4月に送信した注文書をご案内いたします。

   

まずはいつもどおり「今月のおすすめ本」です。『新訳ベケット戯曲全集』が完結することなどもお伝えしています。続いては上演に向けてのオーデイションが始まったというだけで注文が伸び始めた『エンドゲーム』と『新しいエクスプロージョン』の二点。『エンドゲーム』は来年5月の上演だというのに既にオーディションが始まっているのですね。そして春の定番、語学辞典のご案内です。

  

続きましては映画「トワイライト・ウォリアーズ」の大ヒットを受けて『ニューエクスプレスプラス 広東語』に注文が殺到しています。映画の力、恐るべしです。そして本屋大賞が発表になり、ハン・ガン『別れを告げない』が翻訳小説部門の第二位となりましたので、改めてのご案内をしました。また新刊『ポピュリズムの仕掛人』の動きがよく、早々に重版が決まりましたので、こちらもご案内を送りました。

  

月の後半に入りまして、「今月のおすすめ本」の語学書篇です。春は重版も多いですね。そして、こちらも書評や紹介が続いて売行きが伸びている『厨房から見たロシア』、そしてこちらは5刷まで行っている『陽だまりの昭和』のご案内でした。

書店を回っていて見かけたものたち

ここ最近の書店回りで見かけたものを少々ご紹介します。

まずはアカデミア港北店。この書店は入ってすぐのところから何本か、新刊や注目書籍を並べた棚が並んでいます。文芸や人文、社会というジャンルごとに棚が並んでいます。

そんな棚の一つ、社会、政治ジャンルの書籍が並んでいる棚に、あたしの勤務先の刊行物を見つけましたので写真に収めました。こうして見ますと、多謝からも似たようなテーマ、近しいテーマの書籍がたくさん出ているものですね。とても参考になります。

続いては啓文堂書店仙川店。

ここでは創業110周年フェアが開催中です。今回のフェアのセットはそれほど大きなものではありませんので、これくらいのスペースでも開催可能です。と言うよりも、カなりゆったりと並べていただいております。ぎゅっとコンパクトにまとめてしまえば、更に小さなスペースでも開催可能ですが、あまり小さくしてしまうと、フェアをやっている感がなくなってしまうかも知れませんね。難しいところです。

他にも独自の選書だったり、もっとアイテム数を多くしたりした、オリジナルのフェアを開催している書店もあります。勤務先の公式SNSで随時発信していますので、是非ご覧ください。

やはりペアに気を遣っているみたい?

一か月ほど前に、乃木坂46の壁掛けカレンダーの掲載順序について書きました。あたしは四期生版と五期生版しか持っていないので、三期生を並べた場合にどういう結果になるかはわかりませんが、少なくとも四期生と五期生は掲載順序に意味があるのではないかと推測したわけです。

そして4月も終わり5月です。五期生は池田瑛紗、四期生は田村真佑でした。さてこの二人に何か共通するものはあるのか、と考えますと、頭の出来は月とスッポンで何の脈絡もなさそうですが、あたしは気づきました。

前回話題にしたときにも書きましたが、Leminoで配信されている「乃木坂、逃避行。」、そのSEASON1でこの二人は岐阜を旅しているのです。賀喜遥香と菅原咲月が同じSEASON1で静岡・山梨を巡っていますから、カレンダーの撮影のころに「乃木坂、逃避行。」のSEASON1の撮影、ロケなどが行なわれていたのでしょうか。

あるいは今年後半のカレンダーではSEASON2のペアと同じメンバーが登場する月もあるのでしょうか。いや、そもそも「乃木坂、逃避行。」って必ずしも四期生と五期生という組み合わせで行ってないこともあったような、どうでしたでしょうね。

まあ、この後のカレンダーに期待です。

浅学菲才どころか無学無才です

中公新書の『二十四史』に関連して、架蔵している書籍をご紹介しましたが、同書で紹介されている和書についても架蔵しているのがありましたので、またまたご紹介いたします。

まずは名著、内藤湖南の『支那史学史』です。刊行当初はどういう感じだったのかはわかりませんが、現在は平凡社の東洋文庫から全二巻で刊行されています。ずいぶんと手に取りやすくなっているのではないでしょうか。

東洋文庫には他にも『清朝史通論』が出ておりますので、ご興味のある方は是非どうぞ。

そしてこちらも名著、那珂通世『支那通史』です。岩波文庫で全三巻です。どうやらこちらは出版社で既に品切れになっているようです。とはいえ、岩波文庫はしばしば復刊をしますので、待っていれば復活することがあるかもしれません。

それにしても、『支那史学史』『支那通史』どちらもオリジナルを尊重して「支那」のタイトルをそのままにしているところがよいですね。あたしは中国人が「支那」と呼ばれることに不快感を覚えていることは重々承知しています。でもこの当時の著作に「支那」が使われているのまで「中国」に直す必要はないと思っています。もちろん著者が存命で、中国側の意向を汲んでみずからタイトルを変更したのであれば、それも受け入れます。

最後におまけ。昨日ご紹介した『二十五史補編』を並べている書架の上の段に並んでいるのはこちらです。『清経解』とありますが、中国学者であれば『皇清経解』の名で知っているはずです。その正編・続編です。

中国で刊行される段階で、あえて「皇」の字を取ったのだと思いますが、なんででしょうね? もう大清帝国の時代ではないからということでしょうか。共産党のイデオロギー政策のためですかね。

2025年4月30日 | カテゴリー : 罔殆庵博客 | 投稿者 : 染井吉野 ナンシー

今日の配本(25/04/30)

対訳 フランス語で読む「星の王子さま」

渋谷豊 編

心に残る名句の宝庫である『星の王子さま』は、子供から大人まで世界中で広く愛されています。20以上の邦訳が存在するほど多様な解釈が可能なこの作品から、特に印象的な53 の名場面を選りすぐりました。編者による丁寧な注、「読解のポイント」、また日本語訳を参考にしながら、原文の一語一語をじっくり味わいましょう。付属の音声は、53の名場面(約62分)に加え、さらに全文読破にチャレンジしたい学習者のために、作品全文(約105分)も収録。8ページのカラー挿絵付。

あのコはだぁれ? サユリだよ!

録画しておいた映画「サユリ」、「あのコはだぁれ?」と視聴しました。どちらもジャパニーズホラーですね。まずは「サユリ」から。

この作品はホラーとは言いますが、後半からの婆ちゃん覚醒以後はコメディータッチの作品で、楽しく視聴できました。そして主人公のサユリですが、引きこもりになった理由は父親からの性的虐待、そしてそれを見て見ぬふりをする母親。これでは引き籠もりたくもなるし、むしろかわいそうな少女です。

だからといって、何の関係もない住人を呪い殺すことが許されるとは思えませんし、肝心の家族は別の土地でのうのうと暮らしてるのを許しているなんて、「なんだかなあ」という気がしました。サユリの呪力があの家(あの土地?)からは出られないというのがもう少し説明があってもよいかなあと思いました。

続いて「あのコはだぁれ?」です。これは「ミンナのウタ」の続編と言うか姉妹編のような作品で、少し前に「ミンナのウタ」も視聴しましたが、その謎が解けるのかなと期待していました。

確かにこちらの作品を見ると、謎のカセットテープが誕生した経緯が描かれましたが、ややわかりにくいところもありました。親世代の事件の当事者である少女が、普通に現在の補習クラスにいるのに、周りの生徒が疑問も持たずに受け入れているのが疑問でした。補習なので他のクラスの生徒も交じっているから気にしなかったのかな、という気もしましたが、やや不完全燃焼でした。

それに主人公の渋谷凪咲が結局は死んでしまっているのですよね。ただ、それで数十年にわたる呪いが解けたような気もしませんし、そのようにスッキリと描かれているようにも感じません。監督は更に続編を作ろうとしているのかも知れないと感じました。

ちゃんと架蔵しているのですが……

中公新書『二十四史』は無事に読み終わりました。学生時代に漠然と接してきた「二十四史」について思いを新たにしました。学生時代にも「○○史は出来が悪い」といった評価は先生や先輩から伝え聞いておりましたが、どうしてそのような評価が生まれたのか、歴史背景がよくわかりました。

さて同書には本文中でも「二十四史」の周辺文献に対する言及がしばしば見られました。懐かしい書名に学生時代を思い出しながら読みましたが、それらの文献のいくつかは今でも架蔵しておりまして、それらを今日はちょこっとご紹介したいと思います。

まずは『資治通鑑』です。中華書局の、いわゆる標点本で、20冊となります。ちなみにいま「標点本」と書き、同書でも標点本と表記されていますが、学生時代は点校本とか校点本という言い方もしていました。

たぶん点校本とか校点本というのは中国語そのままの呼び名で、それを日本語訳すると標点本になるのではないでしょうか。正確なところはわかりませんが……

さて次の画像は『通鑑紀事本末』です。お隣には『左伝紀事本末』も並んでいますが、こういった中国古典の基本的な作品が陸続と刊行されたのが、あたしが学生時代でした。昨今ももちろんさらに校訂されたり、注釈を施されたりして刊行され続けていると思いますが、あたしの学生時代にはどんどん刊行されていた、という印象があります。

そして最後は『二十五史補編』です。「二十四史」の欠を補うために作られた作品を収めた叢書ですね。『資治通鑑』や『通鑑紀事本末』は日本の単行本くらいの大きさですが、こちらはそれよりもずっと大きく、一冊ずつのページ数も多いものになっています。

また前二者が句読点が付いた、現在の活字で組み直したものであるのに対し、この『二十五史補編』は当時のものをそのままリプリントしたもので、本文はいわゆる白文となっています。いわゆる影印本というものです。

2025年4月29日 | カテゴリー : 罔殆庵博客 | 投稿者 : 染井吉野 ナンシー

パンダ日和?

世間ではゴールデンウィークに入っているそうですが、あたしは暦どおりの出勤です。明日が休みなのは嬉しいところですが、後半の水木金が三日連続で出勤というのはちょっとツラいです。できることなら、休みが水曜であれば、二日仕事して一日休み、また二日仕事して週末となって、気分的にも乗ってくるのですが……

そして今日も外回りに行って来ましたが、訪れたアカデミア港北店ではこんな感じで本を並べていただいております。あたしの勤務先のBOXフェアというちっちゃなフェアです。今回のBOXテーマは「昭和100年」です。

売行き絶好調の『陽だまりの昭和』を先頭に、昭和を感じさせる書籍を集めてみました。古きよき昭和、懐かしい昭和といった感じの本ばかりです。

ところで配本日はゴールデンウィーク明けになりますが、本日から上野の書店で先行販売が始まったのが『中国パンダ旅』です。それを意識したわけではありませんが、たまたま本日はパンダ柄のブラウスに、パンダ柄のネクタイというコーディネートだったので、本を手に写真を撮ってみました。

如何でしょう。このいでたちで営業回りをしたら、注文も伸びるでしょうか? いや、格好や衣装だけで本が売れるなら、毎日この格好をしますけど、そんなわけはないですよね。

でも、いかにもパンダの本を売る人っぽく見えませんか。やはりこの期間はパンダ柄を集中的に身につけようと思います。

今日の配本(25/04/28)

エレウテリア
新訳ベケット戯曲全集

サミュエル・ベケット 著/小野正嗣 訳

自由でありたい若き芸術家のもとに、家族や恋人、観客までもが詰めかけて……喧々囂々の、恐るべき「茶番劇」。ベケット戯曲の原点。