ずっと探していたのです

書店回りの途次、古書ではありますが、
岩波文庫の『百科全書』を手に入れました。

実は、あたし、ずっと探していたのです。ついこの前までは普通に店頭に並んでいたような記憶があったのですが、気づいたらもう品切れになっていたのです。

気づいたのはどういうタイミングかと言いますと、文庫クセジュの『百科全書』が刊行されたタイミングです。文庫クセジュが『百科全書』の概説、入門書だったので、『百科全書』そのものを見てみたくなって探しまわったという次第です。

岩波文庫の『百科全書』が全訳でないことはわかっています。あれだけの大部なものですから、たかだか文庫本一冊に収まるわけがありません。あくまでダイジェスト、エッセンスだけを拾って邦訳したものです。

その岩波文庫の『百科全書』が品切れだったわけですから悲しいではありませんか! いまだに全訳(邦訳)は存在しませんから、これが一番手頃なものではないでしょうか?

本来であれば、上の写真のように書店店頭で二冊並べて展開して欲しかったところです。

今日の配本(21/05/31)

フランス語のABC[新版]

数江譲治 著

本書は刊行以来20万部を誇るロングセラー。枝葉にあたる部分は極力削ぎ落とし、最重要事項を適切な例文とともに簡潔に解説、またひとりでも着実に学べるよう配慮されている。①音声アプリとカナ表記で発音をしっかりサポート、②文法知識が身についたかを確認できる各課練習問題、③使用頻度の高い基本単語950語を厳選して使用(巻末には単語集)、④目次からも索引からも探せる、一生モノのリファレンス。学ぶ人の身になって書かれた、初級文法書の決定版!

マオとミカド
日中関係史の中の「天皇」

城山英巳 著

「支那通」からチャイナスクールまで、帝国陸軍から自民党・共産党まで、蒋介石や毛沢東と渡り合い、大陸を暗躍した人々の群像。

スターリン
独裁者の新たなる伝記

オレーク・V・フレヴニューク 著/石井規衛 訳

スターリンから直に由来する新公開史資料に基づいた画期的な大作。ロシアの世界的権威による、学識と読みやすさを兼ね備えた圧巻の書。

ビザンツ 驚くべき中世帝国[新装版]

ジュディス・ヘリン 著/井上浩一 監訳/足立広明、中谷功治、根津由喜夫、高田良太 訳

千年にわたる歴史を、政治・宗教・文化・経済など28のテーマを通して、西欧やイスラームとの関係とともに立体的に解説する。

鶴屋南北未刊作品集 第一巻
勝俵蔵篇

古井戸秀夫 校訂・編集

南北襲名以前より、江戸の新しい世話狂言を確立した勝俵蔵の未刊行作品群を、第一人者が半生をかけて蘇らせる、驚きの綯い交ぜの世界。

なんとなく不思議な縁を感じます

来る7月5日は明石海人の生誕120年です。

たったいま「生誕120年」と書いたので「明石海人」が人の名前だとわかっていただけたと思いますが、そうでなかったら「明石海人」という四文字を見て、どのようなことをイメージされたでしょう? いや、それはちょっとバカにしすぎですかね。

身近なところでは、岩波文庫に『明石海人歌集』がありますが、岩波書店のウェブサイトを見ると現在品切れのようです。残念です。

ウィキペディアにも立項されているほどの著名人ではありますが、現在の日本ではそれほど馴染みのない人物かも知れません。

岩波文庫のタイトルからもわかるとおり明石海人は歌人で、ハンセン病を患い、38歳で亡くなりました。死後に出版された歌集の『白描』はベストセラーになったとウィキペディアに書いてあります。

当時のことですから、ハンセン病患者は隔離されます。明石海人も各地を転々とし、最後は岡山の長島愛生園で亡くなったそうです。

そんな明石海人の評伝を、あたしの勤務先では出していまして、それが『幾世の底より 評伝・明石海人』です。重厚な一冊です。これを機に本書を少しでも世に広めるべく営業したいと思います。

ところで、この明石海人の出身は静岡県の沼津市です。なんと妹家族の住む、あの沼津です。これはなんといえぬ縁を感じます。もちろん、妹家族は誰も明石海人の名を知らないと思いますし、沼津市に彼の記念館があるという話は聞いたことがありません。辛うじて歌碑が建てられている程度のようです。

面白いことは面白かったのですが……

先日放送が終了したドラマ「ボーダレス」の『メモリアルブック』を落手しました。

乃木坂46からは遠藤さくら、早川聖来、櫻坂46からは渡邉理佐、小林由依、森田ひかる、日向坂64からは齊藤京子、濱岸ひよりの7名が出演する坂道グループの合同ドラマでした。

どうも本来は、欅坂46のみで作る予定だったものが、欅坂46のグループとしての停滞、そして改名などがあり、欅坂46単独では製作できなくなり、3坂道合同のドラマとなったようなのです。真実はどうなのでしょう?

さて、今回のメモリアルブックは、販売サイトによってカバーが違っていて、あたしは遠藤さくらが単独カバーのセブンネット版を購入しました。ドラマの中では、ほとんど他のメンバーと交わることがなく、ちょっと寂しげでしたが、彼女のイメージや役柄には合っているようでした。

ところで肝心の「ボーダレス」のストーリーですが、原作小説を読んでいないので、あくまでドラマだけの評価になりますが、やはりちょっと駆け足になりすぎていたように思います。謎解きにしても展開にしても、本当であればもう少し時間をかけて描いて欲しかったところです。

とはいえ、全体としては面白く見たのですが、ひとつだけ気になったのは齊藤京子のキャラです。犯罪や事件に興味を持つのはありですが、あそこまでいくとちょっとヤバいやつすぎます。友達にまで危害が加えられているのに、それでも警察に頼らず事件に突き進むというのは自分勝手と言いますか、常識をわきまえていないのではないかと思います。まあ、素人探偵ものは主人公が好奇心旺盛で、本来だったら警察に大目玉を喰らうくらいのことをしないとストーリーが成立しませんから致し方ないのかも知れませんが……

二点ほど載っています

今朝の朝日新聞です。

読書欄のトップ記事に『不法移民はいつ〈不法〉でなくなるのか 滞在時間から滞在権へ』が載っていました。本書の特徴は

移民論の「古典」として内外で参照される1冊である。その主張は極めて明快で、5年以上滞在している不法移民には「滞在権」が付与されるべきだと説く。著者自身はもともと開放国境論を主張して、移民正義論を打ち立てた世界的権威。移民問題の深刻化を背景に本書の刊行に踏み切った。日本でも移民は焦点として浮上しつつある。本書は、日本の読者向けに移民にアプローチするための読書案内、アメリカ移民法史年表とともに、井上彰、谷口功一、横濱竜也各氏による座談会「危機の時代の移民論」も付した。

といったものです。アメリカの大統領がオバマからトランプに代わって、移民に対する政策がずいぶんと変わりましたが、そんなアメリカでも読まれている一冊で、コロナで海外との交流が途絶えているこの一年ではありますが、コロナが収束すれば移民が増えることは間違いないであろう日本でも必読の一冊です。

さて、朝日新聞の別刷beの巻頭インタビューは今尾恵介さんでした。記事の中には『地図で読む戦争の時代』が取り上げられていましたし、担当編集者のコメントも載っています。

残念ながら、同書は現在、在庫僅少なのですが、今尾さんの著作は他にもたくさん出していますので、タイトルから気になったものをチョイスしてみては如何でしょうか?

最後に、今朝の朝日新聞には野口英世に関する記事が載っていました。この記事と直接関係するわけではありませんが、あたしの勤務先からは『野口英世の母シカ』という本も出しています。こちらも是非どうぞ!

昨日は南で、今日は北?

本日の朝日新聞の夕刊です。映画の記事です。

トゥルーノース」という作品が紹介されていました。アニメ作品のようですが、タイトルだけを見ると、どんな作品なのかちょっとわかりにくいかも知れません。

北朝鮮の収容所を描いた作品だそうです。つまりタイトルは「北朝鮮の真実」といったような意味なのでしょう。そうなると思い出されるのは『北朝鮮14号管理所からの脱出』です。

それにしても北朝鮮は、現在もこんな状況なのでしょうか?

よりパワーアップ!

近刊『マオとミカド』の「マオ」とは毛沢東、「ミカド」とは天皇ことです。

著者の城山さんには『中国共産党「天皇工作」秘録』という前著がありますが、そこから更にパワーアップした一冊です。ぜひ併読していただきたいです。もちろん前著を読まれた方は必買、必読の新刊です。

ちなみに『マオとミカド』は、月末31日配本ですので、来月初めには書店店頭に並び始めると思いますので、いましばらくお待ちください。

2021年5月28日 | カテゴリー : 罔殆庵博客 | 投稿者 : 染井吉野 ナンシー

2021年6月の広告予定

1日 彭明敏/マオとミカド/スターリン(北海道、中日、西日本、信濃毎日、神戸)

1日 彭明敏/マオとミカド/スターリン(毎日)

15日 彭明敏/マオとミカド/スターリン(河北)

16日 彭明敏/マオとミカド/スターリン/グローバリゼーション・パラドクス(京都)

19日 グローバリゼーション・パラドクス(日経)

※都合により掲載日、掲載書目が変更になる場合がございますので、ご了承ください。

日本人が知らない隣の国?

今日の朝日新聞夕刊です。大きく光州事件について書かれています。

ところで、光州事件ってご存じでしょうか? 偉そうに書いていますけど、あたしもよく知りません。韓国で起きた事件だということは知っています。民主化運動だったのだと思うのですが、事件の背景だとか、どういう経過をたどったのか、詳しいことは知りません。そもそも、何年の何月に起きた事件なのかすら、すぐには言えません。情けないです。

お隣、韓国の歴史ですが、あまりにも知らないことだらけです。学生時代に中国史を学んでいたので中国史で起きたことはそれなりに知っていますが、中国よりも距離的には日本に近い韓国のことは情けないほど知らないことだらけです。

さて、そんな光州事件が韓国の人にどういう影響を与えているのか、そんなことがよくわかる作品が『もう死んでいる十二人の女たちと』に収録されています。ルポルタージュや専門書で光州事件に関する知識を得るのもよいですが、文芸作品を通じて知るのもよいと思います。人によっては、文芸作品からの方が理解が進むこともあるでしょう。

まずは第二巻を攻略しないと!

かつてこれほど中国の文学作品が話題になったことがあっただろうかと考えますと、三国志ブームはこんなものではなかった、という結論に行き着きますが、時代を超えて愛される三国志を引き合いに出すのはちょっと卑怯かも知れませんね。

となると、この『三体』は久々のヒット作かも知れません。その前ですと、ノーベル賞を受賞した莫言にまで遡ることになるでしょうか?

『三体』の第三巻が発売されたので入手しました。第一巻こそ一冊本でしたが、第二巻、第三巻は上下本という大作です。あたしはまだ第二巻の上巻までしか読んでいなくて、早いところ第二巻を片付けないとなりませんね。

2021年5月26日 | カテゴリー : 罔殆庵博客 | 投稿者 : 染井吉野 ナンシー